次世代音質を検証する

VCDスピーカーのどこが次世代なのか?これまでの音質との違いは?

という疑問に応えるために音質検証方法の一例を紹介します。この検証は、トゥイーターにおいてバッフル部の反射板の有無で音質の違いを調べてみるというものです。反射板には径10cmの円盤状用紙を採用しています。

VCD型トゥイーターでは、図1左のようにユニット単独の状態で試聴した後、反射板(図1)を取り付けて試聴してみると、それまでの音よりも①繊細さ」「②透明感」が大きく低下していることが分かります。また、「見通しの良い音場狭くなり、左右スピーカー間の外側で聴こえていた音が減少したように感じられます。全体の印象として、魅力的な部分が消え去った感じの音になっていることが良く分かります。

このようにトゥイーターユニットとその周囲に径10cm相当の反射物があると、前記①②③の音は再生できなくなってしまいます。スピーカーユニットが他の方式であっても同様で、特に、エアー・モーション・トランスフォーマー(ハイル型)と呼ばれるタイプはユニット単体の大きさが径10cm相当にもなるため、それだけで前記①②③の音は再生できなくなってしまいます。また、既存のスピーカーシステムでは、トゥイーターとその周囲の反射物の面積は殆どが径10cm相当以上であるため、①②③の音は再生されていません。このような既存のスピーカーで実現できていない①②③のような再生音高域における次世代レベルの音質と表現しています。

因みに、図2のようにドーム型トゥイーターに対して同様の比較試聴を行ってみると、そのような変化を感じることはありません。それは即ち、ユニット自体から前記①②③の音が再生されていないからと言えます。既存のスピーカーシステムでもトゥイーターの周囲は面積が大きな反射物で構成されていますが、その反射物の有無によって音質に差が出ないからではないしょうか。

なお、当然のことですが反射板の面積を大きくする程、反射板の有無による音質の違いは分かり易くなります。ご自身のトゥイーターでもこのような検証を試してみられては如何でしょうか?

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