理科講座

高 校 物 理 講 座

 物理学の最大の目的は,「多様な自然現象がわずかな法則に従っている」こと,ヒトが自然を「法則をもとに統一的に理解できること」を,学ぶことにあります.高校で学ぶ物理が,個々の現象を個別の知識の集まりとして学習する中学理科と大きく異なるのがこの点であり,また初学者にとってのつまずきの石にもなりえます.理数研の物理は,そのような「物理法則による自然観」を無理なく理解できるように構成されています.理解が進むにつれ,物理学の緻密な論理構成に少なからず驚きを伴った興味を抱くでしょう.その積極的な自然への問いかけが,物理学への理解をより深めていき,言うまでもなく大学合格への道にもつながっています.

P2

 主に高校2年生を対象とした講座です.高校物理の単元のうち,力学,熱力学,波動の全範囲と電磁気学の電気分野を扱います. 

力学:力学こそが古典物理の中核です.多様で複雑な物体の運動が,たった一つの法則から説明されうることを,適切な例題を用いて学習します.それを通して,一般に物理法則とはどういうものかを理解していきます.

熱力学:力学分野で学習した「エネルギー」という概念がより広い汎用性があることを,熱現象を通して学習します.身近なエンジンの作動原理にもつながっていきます.

波動:この単元は中学理科的な現象論なのですが,波動現象を表現するのに高校数学で扱う三角関数が必要となります.作図による定性的理解と,数式による定量的理解の両方をバランスよく扱った授業を行います. 

電気:電磁気現象を理解するうえで最も重要な基本概念である「場の概念」を重点的に扱います.そのうえで,電気の基本法則から得られた知見が回路やコンデンサーなど,この電気社会でどのように応用されているのかを学習します.

P3

 P2 》を履修済みの人,およびそれと同等の理解がある人を対象の授業を行います.高校物理の全単元を扱います.P2 》で会得された基礎力を前提により複雑な現象を扱い,それが大学入試問題でどのように問われているかの問題演習を行います. 

力学:P2 》で扱った内容を復習,確認しながら,重心系と換算質量,単振動の一般解など大学で扱う内容まで一部取り込んだ,高度な力学を講義します. 

熱力学:熱力学の基礎を確認した上で,カルノーサイクル,熱力学第2法則など大学での熱力学への橋渡しとなる内容まで学習します. 

電磁気:最初にP2 》で学習した電気分野,特に電場の概念の確認のもと,大学入試レベルの演習を行います.その後,未履修の磁気分野の基本法則を学習し,それが交流発電など現代の電気工学にどのように用いられているかを学びます. 

波動:波動現象の基本を理解していることを前提とした問題演習を行います. 

原子:高校物理の原子分野は大きく2つの範囲からなり,まず量子力学の入り口となる波動性と粒子性の二面性を,具体的な量子現象の理解を通して学習します.その後,現代の原子核時代のなかで,核反応や放射線がどのような基本法則をもとに成り立っているかを講義します.                

高 校 化 学 講 座

 様々な化学的現象がつきつめれば原子と原子が電子をやりとりしながら結合したり離散したりすることから生ずるということで説明できることに驚き,感動することが大切です.化学を単なる暗記科目と考えてしまうと,面白くもなく,結果として成績も伸びません.参考書に記された事項をすべて暗記したとしてもそれだけでは生きた知識とはならないからです.基本事項を中心として他の事項との関連性をいかに正確に,密度濃く理解するかが肝要なのです.また,問題を解く場合,単なる解法のテクニックをマスターしてもそれはその問題限りで終わってしまいます.出題者がその問題を解く上で何を考えさせようとしているのか,またその内容からいかなる理論が見出されるのか,さらに実際の自然現象とどのように関連しているのかなどを考えながら解答していかなければ,真の実力はなかなかつきません.当セミナーでは以上のことを常に念頭において指導しています.

C2

 主に高校2年生を対象とした講座です.高校化学の最初から,講義と一人一人に対する質疑応答を通して化学の考え方の基本の徹底を図ります.先ずは化学的現象に興味をもってもらい,ひいては化学を好きになってもらおうという講座です.2次試験で化学を選択することをすでに決めている人は《 C2 》からの受講をお勧めします.内容は,「物質の構造と状態」から始め,高校教科書における「化学基礎」,「化学」の理論分野全てを学習します.さらに有機化学(脂肪族・芳香族)を学びます.それぞれの章の演習問題は,共通テストから一般国公立大学レベルまでを扱います.

C3

 《 C2 》を履修済みの人またはそれと同程度以上の実力を有する人を対象とします.常に基本に戻りながら重要定型問題の演習・解説を行い,難関大理系合格を目指します.内容は,《 C2 》のステップを踏まえた上で,さらに難度の高い演習を行います.こちらは演習中心なので,予習が前提になります.12月までに理論化学と有機化学(脂肪族・芳香族)は大半の大学では十分合格できるレベルを目指します.

高 校 生 物 講 座

 地球上には実に多種多様な生物が存在しています.生物が多様なのは地球の環境が多様なためであり,そのようなマクロの視点で生物を捉えることができます.一方で,生物の性質の中に,異なる環境に生育できることを可能するしくみが存在しています.このしくみは生物が共通してもつDNAやタンパク質などの分子により成り立っており,ミクロの視点で生物を捉えることもできます.このように生物学は多様性と共通性,マクロとミクロとさまざまな視点でとらえることができます.内容を単に丸暗記するのではなく,生物現象を多元的に捉え,分野間の有機的なつながりや事象の階層性を意識した勉強の中で,正確な知識の定着を図ることを目指しています.

B2

 主に高校2年生を対象とした講座です.高校生物で学ぶ「生物基礎」を中心に,生物の共通性として「細胞」「遺伝子」「体内環境」,多様性として「植生」「生態系」を学習していきます.教科書や図表を眺めるだけでなく,自ら手を動かし絵で説明できるようになっていくのが目標です.演習問題にもチャレンジしますが,難しい問題ができる力よりも,基礎的な問題で絶対に取りこぼさないという地に足がついた力をつけることを目指します.

B

 主に高校3年生を対象とした講座です.高校生物で学ぶ「生物」を中心に,「代謝(同化・異化)」「遺伝情報の発現」「発生」「動物の反応」「植物の応答」などを学習していきます.B2 》で身に付けた「生物基礎」の知識も踏まえて,分野間の有機的なつながりや生命現象の階層性などを理解していくことが目標です.講座の後半では,総合的な演習問題にもチャレンジし,最終的には入試問題にも対応できる力を身に付けることを目指します.