倒壊家屋の廃材を
クリエイティブな発想で再利用する
私たちは多世代のボランティアとともに、震災により全壊した家屋の解体をお手伝いしながら、そして解体業者さんと連携しながら、捨てられてしまう運命にあったお家の材を譲り受け、収集・保管・活用するプロジェクト「マテリアルバンク」を始めました。
能登特産のアテ(能登ヒバ)や、今では大変貴重なケヤキ、アカマツや杉、ヒノキの柱や梁、床の間や天井板、建具類、そして昭和30~40年代に珠洲が一大産地であったが、今では生産されなくなった能登瓦、再利用できる土壁の土など、これまでに500点を超える廃材を保管しています。
この廃材を使って「みんなのひろば」でウッドデッキや小屋を制作していくほか、そこで行われる工作ワークショップやDIY講座の材料として、アート作品や家具、グッズ制作の材料として、古民家改修の材料として、みんなでアイディアを出し合いながら、あらゆるものに活用していきます。
「私もこの活動に是非参加したい」という方は、お気軽にお問い合わせください。
私たちは解体業者さんの現場のお手伝いをさせていただきながら、廃材を集めました。
地震の威力はすさまじく、斜めになった柱、落ちてしまった土壁、雨漏りしてしまってしばらく経った室内は、想像を絶する光景と臭いがありました。元旦に起きた地震であったため、家にはそのまま放置され、ひからびてしまったおせちがありました。
解体は、まず家の中にあるもの全てを分別し、捨てるところから始まります。次に建具やサッシなど取り外しできるものはすべて取り外し、分別し廃棄します。そしてようやく、重機が入って家を建て壊します。
家の中は、それまであった日常が、そのまま残されていました。面識は全くないけれど、家主の家族構成、それぞれの人生が見えてくるようでした。趣味の映画や仕事の道具、頑張っていたであろう部活の賞状や、家族の温かい食卓を連想させる食器、年に1度の祭りの衣装など...家も納屋も全壊し、置いておく場所もなく全てを廃棄しなければならない現状。1件の家から出された廃棄物は、凄まじい量でした。
私たちは、その全ての物を受け入れることは到底難しいですが、廃棄される思い出の品々を見ながら、泣く泣く手放すしかない家主の思いを受け継ぎ、頂いた材を未来の能登を創っていく場づくりのために活用させていただきます。
バキバキーっと音を立てながら壊されていく自分の家を涙を流しながら見つめていた家主のFさん。
「おじいさんの代からの思い出が詰まった家。津波で全壊し、致し方なく解体。廃棄するのではなく、地元の人が集まれる場所作りに役立ててもらえるなら、本当に嬉しい。」と快く解体された家の材を譲ってくれました。
自分で建てた思い出の家を、自分の手で少しずつ解体していた元大工のHさん。
「あちこちこだわって作ったから、再利用してくれて嬉しい。心臓が悪くて、なかなか片付けも出来ないから、手伝ってくれて非常に助かった。一風変わった小屋に生まれ変わって行くのを毎日見て、面白かった。」
全壊家屋から集めた柱や梁などの⽊材は分類・ 保管し、「みんなのひろば」づくりの材料にするほか、
「素材の図書館」として整備し、「みんなのひろば」にて開催するワークショップや自発的なものづくりにおいて、⾃由に使える創作素材として開放します。