day 4
高雄 Kaohsiung → 恆春 Hengchun
高雄 Kaohsiung → 恆春 Hengchun
10月7日。高雄から出発します。今日の目的地の恆春は台湾最南端付近の地域で、西海岸沿いを走っていきます。
今日は自らを激しくは追い込まないと決めていました。というのも次の日に難所を迎えているためです。本当は台湾最南端まで寄り道したかった(※)のですが、そのために30km追加で走るのもリスキーかなと思い今回はパスすることにしました。
※実はこの年の1月にほぼ同じ経路で台湾最南端に到達しています。しかしその日の晩に食した牡蠣のスープで当たったのか、夜に体調を酷く崩すという苦い経験をしています。なんとなくやり直したかったのです。
走り始めて数十分、同様に南に向かってライドする男性に声をかけられました。
彼「お前台湾一周中か?」僕「そうだよ」
「何日目?」「4日目だよ」
「今日はどこに行ってるんだ?」「恆春だよ」「え?」「恆春」「ああOK」
残念ながら「恆春」がうまく伝わりませんでした。日本人には難しい発音な気はします。
途中でこの男性は右折したのでお別れかなと思ったのですが、彼はまた数十分後に追いついてきました。そこで開口一番、
彼「また会ったね、そういやお前台湾人?」僕「ああ、ちがう、日本人だよ」「おお日本人か〜」ここで彼のわだかまり(なぜこのオタクはこんなに中国語が下手なんだ?)が解けたように思います。ここからは英語で会話をしていました。大きめのサドルバッグを身に付けてるから如何にも台湾一周中の人に見えたんだ、と楽しそうに話していました。
どうやら彼も自転車による長旅をしていたようです。彼の今日の目的地は墾丁、この日の僕と全く同じ方向でした。そこで一緒にサイクリングをすることにしました。
高雄の隣には東港という港町があります。マグロの引き揚げで有名な漁港です。ここで海鮮の昼ご飯を食べました。刺身が大変おいしかったです。日本の美味しい刺身に匹敵すると思います。これに加えて炒飯や魚のスープ、空心菜を食べていたら満腹になりました。この間、さまざまな話をしました。山形出身だという話をすると「おしんを知ってるぞ〜」と快く答えてくれました(僕は見たことがないのは内緒)。
高雄から恆春までの道は右手に海、左手に山が見え、枋寮を超えてからは多少のアップダウンが続きます。
一緒に走っていた彼ですが、結構速かったです。恥ずかしながら途中で置いてかれてしまいました。そうこうしているうちに、二人で行こうと話をしていたかき氷屋さんを通り過ぎていることに気づきました。わぁー最悪や。彼が先に進んでいるのか、かき氷屋さんに向かったのか、わかりません。
運命の二択、かき氷屋さんに向かいました。彼はいませんでした。もう行ってしまったのかなと思ったら、メールが来ていました。
「恆春についたら姿が見えなくなってしまったので、先に行ってるね、良い旅を!」
二択を外してしまいました。やってしまった。せっかくの出会いなのに無言で別れることになってしまった。写真も上の刺身のやつしかない。なんとまあもったいないことをしてしまった。。。
残念ですが、一期一会は刹那なものなのでしょう。切り替えて緑豆のかき氷を食べ、最後の10kmを走り恆春に向かいました。
恆春は台湾最南端の町といっても過言ではありません。この先にある町は墾丁というリゾート地で宿泊代も食費も高いですし牡蠣に当たるリスクもあります(1月の反省)。また次の日に走る道は手前の車城以北から繋がっているため、車城か恆春で泊まることにしました。さらに、次の日のためにしっかり体力を回復させる、他人の目を気にせず休むために、この日は個室の民宿を予約しました(https://maps.app.goo.gl/xx79Y3g6W81yphtn8)。1200NTDだったので特段高いわけではないうえ、部屋の内装は綺麗でリゾート宿泊にはもってこいの宿でした。
前日の晩御飯で失敗していたのでこの日はいいものを食べると意気込んでいましたが、妙に暑くてハイペースなライドで疲れていたので、夜市でてきとうに済ませることにしました。120NTDの羊肉炒麵をむさぼりました。地元のおじちゃんが作ってくれた温かいご飯は大変美味しいです。支度をして、数日ぶりの個室ダブルベッドに寝っ転がりました。