医薬品の探索における「組み合わせ」の考え方
コンビナトリアルケミストリー(コンビケム)
コンビナトリアルケミストリーとは直訳すれば「組み合わせの化学」であり, 有機化合物の骨格と各種置換基の考えられる組み合わせを高速に合成する技術である。
三輪 哲生, コンビナトリアルケミストリーと創薬(21世紀の創薬手法), 化学と教育, 49, 534–538, 2001.
医薬品の探索における「組み合わせ」の考え方
コンビナトリアルケミストリー(コンビケム)
コンビナトリアルケミストリーとは直訳すれば「組み合わせの化学」であり, 有機化合物の骨格と各種置換基の考えられる組み合わせを高速に合成する技術である。
三輪 哲生, コンビナトリアルケミストリーと創薬(21世紀の創薬手法), 化学と教育, 49, 534–538, 2001.
定義上は、組み合わせが成立すれば良いので、「変更可能な項目」が2つ以上必要です。左図のようにグループA、Bにそれぞれ複数の要素があるとき、その組み合わせの数の分子の合成を考えることができます。
オープンキャンパスでは、カルボン酸のグループとアルコールのグループの組み合わせを考慮します。用いるのは、カルボン酸5種類とアルコールを6種類です。組み合わせで得られる物質の数は30ですね。以下のカルボン酸とアルコールを用います。
カルボン酸(グループA):酢酸、酪酸、安息香酸、乳酸、桂皮酸、サリチル酸
アルコール(グループB):メタノール、エタノール、アミルアルコール、オクタノール、ベンジルアルコール
各々の物質は個別の固有の性質を持ち、例えば固有の沸点を持っています。その様な性質の違いにより気化する性質も異なります。また、エステル化合物の多くは匂い成分で植物に含まれています。特に、花やフルーツの香りを構成する成分でもあります。
実験では、これら特徴的な匂いを持つ分子を一気に合成してみます。
一般的にエステル化反応には強酸である硫酸を使いますが、ここでは安全性を考慮して酸性樹脂を使用します。反応には、蓋つき試験管を使用し、写真の装置(ブロックヒーター)を使って組み合わせの数分の反応を同時に行います。