構成員紹介

山田仁史 准教授

専門

宗教民族学、神話学、台湾を中心としたオーストロネシア研究

関心領域

  1. 神話学理論および神話・伝説・昔話を含む口頭伝承(口承文芸)モチーフの分布と伝播に関する研究

さまざまな民族において、口頭で語り伝えられてきた神話を含む口頭伝承は、人類にとってかけがえのない知的財産である。こうした神話のいろいろなモチーフの分布と伝播を文化史的に研究する。また、神話学の諸理論を学史的に考察し、現代における意義の再評価を目指している。


  1. 台湾を中心としたオーストロネシアの神話・宗教研究

台湾に居住するオーストロネシア系諸民族の神話と宗教的諸観念・諸習俗は、日本と東南アジアをつなぐさまざまな要素を含んでいる。そこにみられる多様性と共通性を比較考察し、東南アジア・東アジア文化史に寄与することを目指す。

略歴

1995. 3
東北大学文学部史学科 (国史専攻) 卒業

1995. 4
京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程 (文化・地域環境学専攻) 入学

1997. 3
京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程 (文化・地域環境学専攻) 修了

1997. 4
京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程 (文化・地域環境学専攻) 進学

1998.10
ドイツ連邦共和国ミュンヘン大学民族学研究所に留学

2003. 2
ドイツ連邦共和国ミュンヘン大学において Dr. phil. (哲学博士) 学位試験合格

2003. 3
京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程 (文化・地域環境学専攻) 満期退学


業績

  1. 著作

2015. 3
山田仁史『首狩の宗教民族学』筑摩書房


  1. 学術論文

1996
「盟神探湯・湯起請・鉄火:日本における神判の系譜」『東アジアの古代文化』85: 115-136, 86 (平成8年2月) : 75-92, 87 (平成8年5月) : 131-145. 大和書房

1995-1996
「太陽・蛇・海神:神島ゲーター祭の象徴世界」『法政人類学』65(平成7年12月): 3-19, 66 (平成8年3月) : 14-18, 67 (平成8年6月) : 13-19. 法政大学人類学研究会

1996.12
「湯立と盟神探湯:京都市左京区熊野神社の湯神楽神事から」『法政人類学』69: 2-15. 法政大学人類学研究会

1997. 3
「瓢箪・柄杓と巡礼者:おかげ参りにおける柄杓持参慣行の源流」『国史談話会雑誌』37: 134-150. 国史談話会

1997.10
「Vagina frontis: 性交の起源の説話」『台湾原住民研究』2: 128-138. 日本順益台湾原住民研究会

1998. 3
「太陽を射たモグラ:比較の視点から」『口承文藝研究』21: 36-47. 日本口承文藝學會

1998.12
「石井眞二と J・G・フレイザー:台湾原住民研究とイギリス人類学の出会い 素描」『台湾原住民研究』3: 230-245. 日本順益台湾原住民研究会

2001. 3
「台湾および東南アジアにおける独楽回しと豊穣」『台湾原住民研究』5: 71-100. 日本順益台湾原住民研究会

2001. 3
「鼻の挨拶について」『台湾原住民研究』5: 163-172. 日本順益台湾原住民研究会

2001. 2
「台湾原住民の神話の研究史」日本順益台湾原住民研究会(編)『台湾原住民研究概覧:日本からの視点』: 115-120. 東京:風響社

2002
Das Kreiseln und die Fruchtbarkeit in Taiwan und Südostasien. Münchner Beiträge zur Völkerkunde, 7: 261-287

2002
Paproth, Hans-Joachim & Hitoshi Yamada. Ainu-Ornamentik. In: Müller, Claudius (Hrsg.), Die Ainu. Portraet einer Kultur im Norden Japans: 56-75. München: Staatliches Museum für Völkerkunde

2002. 3
「台湾原住民に関する分子人類学の最近の動向 覚書」『台湾原住民研究』6: 12-48. 台湾原住民研究会

2002. 3
「台湾原住民の作物起源神話:オーストロネシア民族学・先史学への一寄与」『台湾原住民研究』6: 91-178. 台湾原住民研究会

2003. 7
「華南・東南アジアの洪水神話におけるヒョウタン」篠田知和基(編)『補陀落渡海 死への船出:東西の説話から』: 74-83. GRMC比較神話学研究組織

2003.12
「環太平洋における神話の共通性:研究史の素描」篠田知和基(編)『神話・象徴・文学』III: 165-182. 楽浪書院

2004. 3
「民族間の交易品としての塩:近代台湾の諸民族誌から」小泉潤二/栗本英世(編)『トランスナショナリティ研究:境界の生産性』: 201-210. 大阪大学21世紀COEプログラム「インターフェイスの人文学」

2004. 6「東南アジア・オセアニアにおける死の起源神話:《バナナ型》と《脱皮型》の分布に関する諸問題」松村一男(編)『生と死の神話』 (宗教史学論叢;9): 113-129. リトン

2004.11
「台湾原住民の地震についての諸観念」『台灣與日本及其周邊區域的地理歴史與文化 論文集』: F5.1-20. 國立台灣師範大學地理學系・日本南島史學會


  1. 翻訳・書評・事典項目など

1996. 3
(翻訳)ツィンザー、ハルトムート「神話の諸理論」山田仁史(訳)、『現代思想』24(3): 52-60. 青土社

1998.12
(書評)「李福清『從神話到鬼話:台灣原住民神話故事比較研究』」『台湾原住民研究』3: 317-320. 日本順益台湾原住民研究会

2001. 2
(以下の文献についての解題を執筆。数字は掲載頁)

『(臨時台湾旧慣調査会第一部)蕃族調査報告書』(235-236)、
『(臨時台湾旧慣調査会第一部)番族慣習調査報告書』(237-238)、
『台湾蕃族慣習研究』(240)、『生蕃伝説集』(241-242)、
Kopfjagdriten der Puyuma von Katipol (Taiwan): EineTextdokumentation(266-267)
(入門者のためのリーディングリスト)
「神話・伝説」(312-314)日本順益台湾原住民研究会(編)『台湾原住民研究概覧:日本からの視点』風響社

2002
Paproth, Hans-Joachim & Hitoshi Yamada. Taryo Obayashi 1929-2001. Zeitschrift für Ethnologie, 127: 139-146

2002.10
「『古事記』と諸神話との類似性を追う:日本神話とギリシア神話は何故似ているのか?」『古事記:記紀神話と日本の黎明』(歴史群像シリーズ;67): 154-157. 学習研究社

2003. 3
(翻訳)ヴィートフェルト、オットー「小特集・ヴィートフェルトの台湾原住民研究」金子えりか/山田仁史(訳・解説) 山路勝彦(解説)『台湾原住民研究』7: 3-95. 台湾原住民研究会

2004. 5
「アメリカ・オセアニア・アフリカ編」松村一男(編)『世界の神々の事典』(エソテリカ事典シリーズ;5): 245-260. 学習研究社

2004. 5
「人類学における王と王権」鶴見俊輔(編)『天皇』(週刊朝日百科日本の歴史 新訂増補版;100): 292. 朝日新聞社

2004. 6
(研究ノート)「カンディンスキーにおけるプリミティヴィズムと民族学」『京都造形芸術大学紀要 GENESIS』8: 206-211

2004.12
(以下の項目を執筆。数字は掲載頁)

「イェンゼン『殺された女神』」(15)、「Eberhard, W., Kultur und Siedlung der Randvoelker Chinas」(30)、「エーバーハルト『古代中国の地方文化』」(30)、「大林太良『銀河の道 虹の架け橋』」(37)、「古野清人『原始宗教の構造と機能』」(194)、「大林太良『北の神々 南の英雄』」(368)、「グラネ『中国人の宗教』」(409)小松和彦/田中雅一/谷泰/原毅彦/渡部公三(編)『文化人類学文献事典』弘文堂

主な所属学会

日本宗教学会

日本文化人類学会

日本口承文芸学会

Deutsche Gesellschaft fuer Voelkerkunde