このプロジェクトを始めた私たちは、学校が苦手な子どもを持つ保護者です。それぞれに、当事者家族会や居場所作りなどの活動に取り組む中で、同じ悩みを持つ地域の保護者と関わってきました。
多くの子どもが毎日通い、学び、人と関わり、様々な体験をする場である学校。
その学校に合わない”少数派”である子どもたちとその保護者が、多くの苦しみや悩みに直面する状況を目の当たりにしてきました。
2017年に教育機会確保法(正式名称:義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律 )が制定施行されて6年が経ちます。
この法律では、学校以外の多様な学びの場の重要性や休息の必要性などが明記され、その後、国の不登校対応の方向性は大きく変わりました。
具体的には、”学校復帰”を目標とする姿勢から、”登校のみを目標とせず中長期的に主体的に自立に向えるようになるための支援”へと変化しています。
2023年3月に発表された最新の文部化科学省不登校対策「COCOLOプラン」では、不登校でも望むときに学びにアクセス出来る環境作りや学校風土の改革が謳われています。
いま、”不登校対策”は、学校に通っていない・通いにくい子どもだけの環境改革ではなく、学校そのものの風土改革に繋がりつつあります。
それは、”不登校”が、特別な一部の子どもの問題ではなく、誰にでも起こり得ることと捉えられているからです。
ただ、ここ数年の大きな流れの変化が現場まで行き渡っているか?と言えば、残念ながらそのように感じられないのが現状です。
また、学校以外の居場所が秋田ではまだまだ少なく、学校外で育つ子どもたちの権利が十分に保障されていない状況が続いています。
この現状を変えていく為には、まず、対話が必要だと私たちは考えます。
なぜなら、当事者の困りごとや支援ニーズが十分に学校や行政に届いていないと感じるからです。本来、保護者と行政は、ともに、子どもが健やかに育つ環境を作っていくパートナーです。
ともに考えていくには、情報や認識の共有が欠かせません。
今回のアンケートで、不登校・登校しぶりの子どもを育てる家庭の声を集め、それを基に行政と話し合い、一歩ずつでも状況をより良いものにしていきたいと考えています。
一人ひとりの声は小さくても、集まれば大きな力になり得ます。
その小さな声は、価値ある意見・体験談です。
ぜひ、たくさんの声をお寄せください。
学校に合う子も合わない子も、等しく、健やかに育つ権利を持つ大切な子どもであることに変わりありません。
そして、学校が苦手な子どもとその保護者が感じていることの中には、今、学校に通っている子どもの環境をより良くするためのヒントもたくさんあるはずです。
どんな子どももいきいきと育つことが出来る秋田市にするために、みんなの声を届けましょう!
丹野寛恵
Akitaホームスクーリングファミリー 代表
藤原美紀
トーキョーコーヒー秋田代表
このプロジェクトは、秋田市で不登校・登校しぶりの家族や子どもに関わる活動をしている私たち二人が中心になって始めました。
アンケートの作成に当たっては複数の当事者保護者の方々がご意見・アイディアを寄せてくださり、それらを参考にしながらこのプロジェクトを計画してきました。
関わってくださったすべての方、これから関わってくださるすべての方に心からの感謝の気持ちを持って活動していきます。