呼びかけ人からのメッセージ

廣瀬純(龍谷大教員)

社会における大学の役割が見失われて久しいなか、大学は、高校と就職とのあいだに関所のように介在して人々から通行料を(サラ金を利用させてでも)巻き上げる暴力団体(暴力団)として存在している。それでも、もしその化けの皮がどうにか剥がされずに済んできたとすれば、それは、ただひたすら、人々が各大学の空間に、ホテルやリゾートと同じような類いの価値を見出してきたからにほかならない。人々が京大生になったり、京大界隈へと足を運んだりするのは、今日では、何よりもまず、吉田寮があって立て看に溢れたような空間で数年間、数日間、数時間を過ごしたいとの欲望ゆえのことだ。京大空間を失った京大にはもう誰も寄り付かないだろう。嘆かわしいのは、そのような商売のイロハを運動が当局に教えてやらなければならないという今日の馬鹿げた状況なのだ。

戻る