現在,河内山ゼミ(早稲田大学)には5名の3年生(1期生)が在籍しています。
下記ゼミの概要になりますので,ご確認のうえ,興味がある方は応募ください。
質問事項などがある方はメールにてご連絡ください(t.kochiyamaアットwaseda.jp)。
ゼミの概要
河内山ゼミでは,①会計学,②コーポレートファイナンス,③統計学によるデータ解析の3つを柱に研究活動を実施していきます。
会計学と聞くと,「簿記」「仕訳」「会計士」などのイメージを持ちがちですが,会計は経済の根幹を成す重要な情報装置です。企業が公表する利益や財務諸表などに基づいて投資や融資が日々行われており,また,これによって企業活動も大きく変わっていきます。たとえば,会計情報がなければどこに投資・融資していいかわからなくなってしまい,そもそも資本市場が成立しなくなってしまいます。また,定期的に会計情報を開示させることで経営者がきちんと経営したかどうかを確認することが可能となり,健全な経済社会を促したりもします。さらに,近年では,企業評価をめぐる考え方がどんどん多様化し,ESGや人的資本など非財務と呼ばれる情報開示も拡充されはじめています。
また,河内山ゼミでは,会計学のみを学ぶのではなく,周辺領域や関連学問も応用しながら,イシューベースの研究活動を志しています。実際の経営課題や経済課題の多くは複合的で,単一の学問領域だけでは十分な答えを得ることが難しかったりします。多角化企業の良し悪し,企業は誰のものか,株主還元はどの程度実施すべきか,経営者は過度にリスクテイク or リスク回避するのか,企業買収の高値掴みなど,いろいろな課題があります。こうした論点についても分析できるようコーポレートファイナンスやコーポレートガバナンス,そして,分析手法としてのデータ解析も併せて学んでいきます。
会計を企業を見る「眼」として活用しながら,いろいろなイシューに関心を寄せ,自由に有意義な研究活動をしていくことに,河内山ゼミの特徴があるかもしれません。また,ストックリーグや懸賞論文など,学生の興味関心に応じていろいろなことにチャレンジしていく予定です。
ゼミの運営方針
ゼミのコンセプトは「アットホームな知的集団」です。僕は学生自体にスタバでバイトしていたことがありますが,その際に「Third Place」という考え方を教わりました。「自宅」,「職場・学校」に次ぐ,「第3の居場所」を提供する,という意味です。大学は講義を受けて単位を取るだけの場所ではなく,仲間や先輩・後輩をつくる環境でもあります。みなさんにとっての「Third Place」になるようなゼミにし,卒業後も「電話一本・メール一本」でみんなが気軽につながれるようなコミュニティをつくっていきます。
おおまかなゼミのスケジュールは以下のとおりです。
3年生の春夏学期は,会計学とコーポレートファイナンスの基礎を学ぶと同時に,グループワークのもと企業分析を実施してもらいます。テキストをインプットして終わりではなく,そこで学んだ内容が実際の企業行動や経済現象と合致しているか等について検討し,自分たちなりのオリジナルなアウトプットを作成してもらうイメージです。
3年生の秋冬学期は,学術論文にも目を向け,「最先端の研究でどんなことが行われているか」「何がどこまで分かっているか」について理解すること,また,分析手法や統計解析についても学習していきます。ストックリーグなどに参加する場合には,レポート作成に注力します。
4年生は個人あるいはグループでテーマを決め,卒業論文に向けた研究を進めてもらいます。テーマ自体は自由です。「少し修正したら,国内の学術誌に投稿してもおかしくないよね」という水準を目標にしたいと考えています。
求める学生像
河内山ゼミに細かいルールやしきたりはなく,学生の「自主性」と「成熟さ」を重視しています。一方,3つだけプリンシプル(原則)があるので,これをしっかりと守れる学生を歓迎したいと思います。
「尊敬と礼儀」:挨拶,メールの返信,言葉遣いなど極めて基本的なマナーを大事にしましょう。教員だから偉い!ということは全くなく,僕もみなさんに対して敬意を持って接するので,みなさんも敬意をもって教員・先輩・同期・後輩と接しましょう。
「報・連・相」:とても当たり前ですが,教員のみならず学生間でもちゃんと報・連・相をしましょう。些細な連絡ミスや音信不通の積み重ねが不信感を生み,この結果として雰囲気が悪くなってしまうことが多々あります。
「Contribution」:これは,所属先への貢献を意味します。コスパを気にしがちですが,所属するチームや組織に自分がどのように貢献できるかを献身的に考えることもとても大事です。コスト・ベネフィットを超えたContributionを期待します。
なお,よく「これまでの成績や会計に関する事前知識を重視しますか?」という質問をもらいますが,僕はあまり重視しません。ゼミ面接では,「自分の考えを,自分の言葉で,自分なりに表現できるか」を確認し,これを通じて個々人の「核」を見たいと考えています。ゼミ選考は,お互いの相性を確認する場なので,「合格したから優秀/落ちたからnot優秀」ではないということに注意ください。
河内山の考えるウリ・おすすめポイント
会計学やファイナンスは,少なからず,みなさんのキャリア形成に役に立つものと思います。会計は「事業の言語」と呼ばれ,これが分からないと企業経営も投資判断もできません。また,ファイナンスの知識は,金融コミュニティでのキャリア形成には必要不可欠です。最近では,日本企業におけるCFO人材の不足も叫ばれており,財務リテラシーをもって事業戦略を立案・実行できる人材は貴重な存在です。
河内山ゼミでは(おそらく)多くの学生がデータ解析を実践しますが,こうした経験もキャリア形成において重要になるものと考えています。データアナリストを育成するわけではありませんが,大量のデータを解析する際に,どのようなデータセットを構築し,どのようにその特徴をつかみ,どのように自分の仮説や想像していることを検証するのか,について一通り経験しておくことは,現代では極めて重要な素養になるものと思います。
アットホームな知的集団(になるはず)なので,みなさんにとって居心地が良く,かつ,ちゃんと勉強できる環境になるものと思います。遊びと勉強は表裏一体だとも思うので,ゼミ活動を通じて,生涯の仲間や友人が見つかるものと思います。
ゼミ卒業生の過去の卒論テーマ(一部)
買収企業による経営資源的貢献が取得対価の過払いに及ぼす影響
従業員志向の組織文化と企業パフォーマンスの関係性
環境センシティブ産業における環境報告の充実度と企業特性
日本企業におけるMBOと企業価値向上:ケーススタディを通じて
日本市場におけるグリーンボンドの発行理由とその効果
製造業における国際化と企業パフォーマンスの関係性
第三者割当増資の決定因子および株式リターンへの影響
利益調整手法の選択優劣:会計発生高 vs. 実体的利益調整
日本企業における資産売却の決定要因
監査上の主要な検討事項(KAM)の情報有用性
MD&A情報の可読性と財務訂正の関連性
CSR情報の有事価値関連性
のれんおよび減損損失の将来キャッシュフロー関連性
個人投資家の存在と企業のショートターミズム