Seminar
後期ゼミー概要
2024年度に後期ゼミナール(3年)の学生を募集しました。現在,河内山ゼミには13名の4年生,11名の3年生が在籍しており日々活動をしています。下記ゼミの概要になりますので,ご確認のうえ,興味がある方は応募ください。
質問事項などがある方はメールにてご連絡ください(t.kochiyamaアットr.hit-u.ac.jp)。
ゼミの概要
河内山ゼミでは,①会計学,②コーポレートファイナンス,③統計学によるデータ解析の3つを柱に研究活動を実施していきます。
会計学と聞くと,「簿記」「仕訳」「会計士」などのイメージを持ちがちですが,会計は資本主義経済の根幹を成す重要な情報装置です。企業が公表する利益や財務諸表などに基づいて投資意思決定や融資判断が日々行われており,また,これによって企業活動も大きく変わっていきます。たとえば,会計情報がなければどこに投資・融資していいかわからなくなってしまい,そもそも資本市場が成立しなくなってしまいます。また,定期的に会計情報を開示させることで経営者がきちんと経営したかどうかを確認することが可能となり,健全な経済社会を促したりもします。さらに,近年では,企業評価をめぐる考え方がどんどん多様化し,ESGや人的資本など非財務と呼ばれる情報開示も拡充されはじめています。
河内山ゼミでは,このように多種多様かつボリュームのある企業の財務・非財務情報を解析し,その意義や役割,問題点などについてアカデミックに検討していきます。
ゼミの運営方針
3年生の春夏学期は,会計学とコーポレートファイナンスの基礎を学ぶと同時に,グループワークのもと企業分析を実施してもらう予定です。テキストをインプットして終わりではなく,そこで学んだ内容が実際の企業行動や経済現象と合致しているか等について検討し,自分たちなりのオリジナルなアウトプットを作成してもらうイメージです。
3年生の秋冬学期では海外のトップジャーナルに掲載された論文に目を向け,「最先端の研究でどんなことが行われているか」「何がどこまで分かっているか」について理解することを目的とします。また,これと並行しながら統計学や統計ソフトの使い方等についても学習します。
4年生は各自テーマを決め,卒業論文に向けた研究を進めてもらいます。テーマ自体は自由です。「少し修正したら,国内の学術誌に投稿してもおかしくないよね」という水準を目標にしたいと考えています。
求める学生像
当たり前ですが,ちゃんと勉強する学生。大学は学費を払って自らが自発的に望んでくるところであり,自分の市場価値を高めるための時間を購入しているという側面があります。
学問にちゃんと向き合う姿勢がある学生。学生の少なくない部分は就職活動を意識して,実務志向あるいは実利的な活動を好む傾向にあると思います。しかし,小手先のテクニックやスキルはキャリア形成において長期的な競争優位を築く武器にはなりえないものと考えています。きちんと学問に向き合い,そこで蓄積されてきた叡智を読み解き応用する力を,是非,身に着けてほしいと思います。
社交的で意見発信を躊躇しない学生。ゼミ活動なので,学生が主体となって議論を行ってほしいと考えています。間違えたりすることを恐れず,恥ずかしがらずに率先して議論に参加してくれる学生が嬉しいです。
河内山の考えるウリ・おすすめポイント
会計学やファイナンスは,絶対と言っていいほど,みなさんのキャリア形成にプラスに働きます。会計は「事業の言語」と呼ばれ,これが分からないと企業経営も投資判断もできません。また,ファイナンスの知識は,金融コミュニティ(多くの場合,高収入)でのキャリア形成には必要不可欠です。最近では,日本企業におけるCFO人材の不足も叫ばれており,財務リテラシーをもって事業戦略を立案・実行できる人材は貴重な存在です。
河内山ゼミでは(おそらく)多くの学生がデータ解析を実践しますが,こうした経験もキャリア形成において重要になるものと考えています。データアナリストの専門家を育成するわけではありませんが,大量のデータを解析する際に,どのようなデータセットを構築し,どのようにその特徴をつかみ,どのように自分の仮説や想像していることを検証するのか,について一通りやっておくことは,情報化社会において極めて重要な素養になるものと思います。
卒業生の卒論テーマ(一部)
第三者割当増資の決定因子および株式リターンへの影響
利益調整手法の選択優劣:会計発生高 vs. 実体的利益調整
日本企業における資産売却の決定要因
監査上の主要な検討事項(KAM)の情報有用性
MD&A情報の可読性と財務訂正の関連性
CSR情報の有事価値関連性
のれんおよび減損損失の将来キャッシュフロー関連性
個人投資家の存在と企業のショートターミズム