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品種(種)
風土(環境・土壌・標高・気候)
製茶工程(製法)
品種は風土に適していなければならず、無理な生育や無理な季節での製茶は避ける必要があります。
台湾には約100種程度の茶樹品種が存在。
台湾の茶業は歴史的に大陸からの茶樹導入、品種改良、自然交雑などで発展。
台湾烏龍茶は学術的には「半球型包種茶」とされることが多く、市場では烏龍茶と呼ばれる。
日本統治時代から品種改良計画が開始。
四大名種: 青心烏龍、青心大冇、大葉烏龍、硬枝紅心
現在、行政院農委会・茶業改良場による公式発表品種は25種類(台茶1号~25号)
代表的な人気品種:台茶8号、台茶12号(金萱)、台茶13号(翠玉)、台茶18号(紅玉)
大陸からの伝統的な品種:鉄観音、青心烏龍など
日本統治時代にはインド・アッサムから大葉種導入 → 台茶8号誕生
台湾中南部山岳地帯で原住民が発見
科学名:台湾山茶(Camellia formonsis)
例:台茶18号(紅玉)は野生茶樹とミャンマー大葉種の交配
茶の実生から繁殖
例:四季春(自然変異で発見され、挿し木で繁殖・固定化)
※全ての茶樹は「有性繁殖(種子)」「無性繁殖(挿し木)」で増やされ、品種の確立と維持が行われる。
青心烏龍:最長歴史、広範囲栽培、晩生、蘭や桂花の香り
青心大冇:中生、甘味が強く、虫害で香気が増す、管理しやすい
鉄観音:晩生、小葉種、独特の品種香「鉄観音韻」、生産量低い
梅占:鉄観音に似るが製茶困難
武夷:福建・武夷から導入、発酵強めで甘い香り
佛手:柑橘系香気、少量高級品
水仙:中葉種、樹勢高く、香り豊か
大葉烏龍:中葉種、果物香と黒糖香
白毛猿:白毫烏龍茶用、少量生産
大慢種:晩生、白毫烏龍用、独特香気
肉桂:小葉種、肉桂香、少量
奇蘭:小葉種、福建平和原産、絶滅寸前
金萱(台茶12号):青心烏龍×硬枝紅心、早生、甘味・ミルク香、栽培面積2位
翠玉(台茶13号):硬枝紅心×台農80号、甘味・ジャスミン香
碧玉(台茶19号):横張型、日照に弱い、19号より普及少
迎香(台茶20号):早生、青心烏龍系、近年急速普及
白文(台茶14号):小葉種、花香・果物香、栽培少
四季春:自然変異、極早生種
台茶8号:インド・アッサム大葉種由来、凍頂烏龍などに利用
品種ごとに適応する標高や気候が異なる
栽培面積・収穫量・香気の特徴に応じて品種選択
青心烏龍など優良品種は収量が少なく病害に弱いため、多品種栽培でリスクヘッジ
1990年代、台湾で「ミルクやバターの香りがする金萱茶」が人気になりました。しかし、人気が高まりすぎて茶葉の供給が追いつかず、一部のメーカーは香料を使って「金萱茶のような味」を人工的に作るようになりました。
現在、市販の金萱茶を使ったシェイクティーや飲料は増えていますが、必ずしも「天然の金萱茶」とは限りません。多くの茶好きの専門家は、市場で流通する茶飲料の多くを「香料入りの金萱茶」と批判しています。
金萱茶は、1981年に台湾で改良された茶樹「台茶12号(別名:27仔)」から作られるお茶です。
「硬枝紅心」と「台農8号」の交配種
包種茶、烏龍茶、紅茶に向く
葉は大きく、単位生産量も高い
金萱茶の特徴は、淹れた後にあっさりした「ミルクの香り」が漂うこと。この香りは茶葉本来の発酵によって生まれるもので、茶の専門家はこの独特の香りを「金萱韻」と呼びます。
金萱茶のミルク香は、ひとつの成分ではなく、ラクトン、ジアセチル、ネロリドール、リナロールなどの複数の香り成分の組み合わせで生まれます。そのため、天然のミルク香はとても控えめで、丁寧に味わわないとわかりません。
天然の金萱茶のミルク香を出すには、良い茶葉を使い、製茶工程も厳格に行う必要があります。しかし市場では需要が高いため、供給が追いつかず、一部のメーカーは合法的にミルクやバニラの香料を添加して「金萱茶風味」を作ります。
香料入りの金萱茶は、
見た目や淹れた時の香りは金萱茶に似る
消費者に告知されないことが多い
安価で出回ることが多い
そのため、本物の金萱茶が誤解され、正しく評価されない問題も起きています。
多くの場合、青心大冇など別の茶葉を使い、製茶工程で香料を加えます。
揉捻中に香料を加える方法
香りが自然で模倣効果が高い
コストは高い
乾燥工程で香料を吹き付ける方法
香りは強く濃い
茶葉に近づけると強いミルクやバニラ香がする
コストは低い
天然金萱茶と香料入りの見分け方
茶を口にしたとき
濃いミルク香がする場合、香料入りの可能性が高い
茶葉の香りを嗅ぐ
乾いた茶葉を鼻に近づけて強いミルク香がある場合は香料入り
値段で判断
安すぎる金萱茶は香料入りの割合が高い
天然金萱茶は通常、四季春や青心大冇より単価が高い
香料入りの茶は「乳香烏龍」や「金香牛奶青茶」など、商品名で誤解を避けるべき
本物の金萱茶を作る茶農の立場も尊重する
こうすることで、台湾茶の国際化と茶産業の発展に貢献できる
要するに、「濃いミルク香がする金萱茶=必ずしも本物ではない」ということです。天然金萱茶は控えめで上品な香りしかありません。購入する際は、茶葉の香りや値段、販売者の説明を確認することが大切です。
以下の図解は各茶種の第二葉の葉長と葉幅をトレースしたものです。
品種の遺伝子が根本的な影響を与える以外に、お茶の大きさは栽培環境、施肥条件などの要素によって、摘取り時の成熟度も影響し差がでます。あくまで外形の特徴を覚えることで、茶園観察の参考や、品種判断のヒントとなれば良いと考えています。
一番スタンダードな品種でありながら一番判断しにくい品種でもあります。なぜならば家ごとに近親種を自家繁殖させる場合があり、形質が変わっているものがあります。また育てられる海抜によっても厚さが変化します。
樹形はやや小さく開張形です。
樹形は小さく葉の色は濃緑、新芽は紫色がかっています
葉脈の色が淡く表から見ると凹んでいます。
主脈と側脈の角度が40℃ほどの鋭角です。
葉の輪郭の鋸歯は細密です
樹形は横張形で樹勢が強いです。茶葉は濃緑で光沢が強く、芽は苔毛におおわれ若干紫がかっています。
輪郭の鋸歯は比較的大きく外向きに反っており、歯の側面を上から見ると実際ののこぎりのように交互に前後しています。
主脈と側脈の角度がほぼ直角に近い鈍角で、茶葉は楕円形です。
葉の先端が欠けけたように凹んでいます。
成熟した葉は青心烏龍に比べると小さく、生葉の手触りもややゴワゴワしています。
葉の前後の両端がやや尖った菱形のような形をしています。
芽や未成熟な若い葉はやや黄色を帯びています
茶葉の輪郭の鋸歯が小さく密生し尖っています
樹形は中型で横張型です葉の真ん中の主脈が明瞭で側脈が細く不明瞭です、
葉は暗緑色です。
新芽がとても大きく苔毛が密生しており、赤紫色をしています。
葉の左右が対称形になる特徴があります。
茶葉の輪郭の鋸歯の間隔は荒く角度も鈍角です。
台茶12號の茶葉と非常に似通っています、強いていうと13號の方が葉先が鋭角です。
樹形は高く上方向に枝を張ります、但し枝はそれほど密生しません。
葉は暗い緑色で、芽は大きく毛茸が多く淡い赤色をしています。
葉の先端部分が突出しているのが大きな特徴です
茶葉の輪郭の鋸歯の間隔は荒く角度も鈍角で根本に近い1/3は特に明確ではありません。
大葉種茶樹に属し、紅茶を作るのに適しています。
樹勢が直立しており、新芽は垂直方向に伸びます。
淡い黄緑色の茶芽があり、茶芽にはほとんど柔らかい苔毛がありません。若い蛍光色にも近い鮮やかな黄緑色で波打ったような葉で一般的ではないため、遠くから見ても18號の茶園は一見して判別できます。
茶葉の外観は大きい卵形で、葉縁が波打っています。葉先は明確に突き出ています。
鋸歯は細くて、鈍角です。
葉肉は柔らかいです。
小喬木型の大葉種茶樹に属し、紅茶を作るのに適しています。
外観は、「台茶8号」は茶の芽が大きく、芽と葉は淡い黄緑色です。
葉縁の鋸歯が大きくてまばらで鈍角で、葉は大きくて柔軟でわずかに波打った大きな楕円形です、
側脈間の葉面がポコポコと突き出ています。
葉の縁が波打っているのが18號、葉の中の側脈同士が腹筋のように盛り上がって波打っているのが8号の特徴です。
灌木型、小葉種の茶樹に属します。
高山で育成した場合、見た目の形質は大きく変化します。
外観は、「鉄観音」の茶芽が赤みを帯びて黄色く、葉色深い緑色で、葉形は長楕円形に属しています。主脈と側脈の角度は約45°です。
鋸歯がやや大きく、葉縁側はやや縮れています。
葉の中の側脈同士が腹筋のように盛り上がって波打っています。
茶の主脈から葉末まではややねじれて歪んでいます、茶芽の赤さと合わせて、俗に「紅心歪尾桃」とよんでいます。
灌木型の小葉種で早生種の茶樹に属します。
茶芽は緑で白毫が多く、葉面は深墨緑色で光沢が強いです。
茶葉の外観は楕円形で、両側の葉縁は明らかに葉面側に曲がってカールしています、
葉の先端には凹みがあります。
灌木型、小葉種、早生種の茶樹で、烏龍茶に適しています。
葉の形は長い楕円形で針状に先端が尖っています。
葉の触感は硬く、厚いです。
鋸歯は鋭利ですが、大きさはまちまちです。
茶芽は太くて柔らかく、毛茸は密生しでいます。
お茶の芽と若葉は成長期には一般的には赤紫色になり品種の特徴が現れます。
台湾では、茶の需要や消費者の嗜好に合わせて、茶業改良場で新しい茶の品種(新品種)が次々と開発されています。これらの新品種は、まだ市場には出回っていませんが、将来の台湾茶産業の発展や観光茶園、飲料産業などに大きな影響を与えることが期待されています。ここでは特に注目の4品種を紹介します。
台湾の消費者は若者を中心に、低中海抜の茶園でも高品質な茶を求めています。
青心烏龍は高地向きで低地では育ちにくく、低地では四季春や金萱が主流でした。
台茶22号は、低中海抜でも栽培しやすく、成長が早く害虫にも強い茶樹として開発されました。
父本:青心烏龍、母本:台茶12号(金萱)
早生種で春茶の発芽は台茶12号より早く、収穫期間は長い
芽の色は黄緑で淡い紫色を帯びる
単季の生産量は台茶12号より多い
害虫・病気に強く、少量の農薬で管理可能
茶の香りは高く、包種茶や軽発酵茶、紅茶など多様な茶に適する
収穫時期を他品種と分散させ、労働負担を調整
観光茶園の体験茶としても適しており、若者や海外の消費者に人気
台湾の紅茶産業復興のために、小葉種の紅茶で高品質な品種を育成
若者や新しい消費市場に受け入れられる味を目指した
成長が早く、病気・干ばつに強い
大葉種紅茶のように渋みが強くなく、甘い花香がある
水色は鮮やかな橙紅、香りは優雅で味は濃厚
小葉種で作った紅茶として、世界的にも魅力的な味わい
四季を通して安定した高品質の紅茶を生産可能
台湾の紅茶の新しい柱となる品種
台湾の山林で発見された原生山茶を19年間かけて育種
台湾固有の野生茶を商品化することで、地域特色茶の発展を目指す
外観・DNAともに既存品種と異なる台湾原生山茶
独特な香り:キノコ、アーモンド、コーヒー
紅茶にすると高級日月潭紅茶に匹敵、緑茶は柚子のような香り
カフェイン含量が低く、睡眠への影響が少ない
花東地区の特色茶をさらに豊かにする
健康志向や新しい味覚体験の提供
将来的な市場価値の高い品種として期待
台湾茶の多様化と飲料・観光需要に対応
紫色の芽を持つ特別な茶樹として、30年かけて育種
若芽と葉が紫紅色で、1か月近く色が持続
生育旺盛で収量が多く、乾燥・病害虫に強い
紅茶・緑茶・飲料に適し、観賞・造園にも活用可能
紫色の芽には通常の茶葉の50倍以上のアントシアニン含有
シェイクティーなどの飲料で色鮮やかな商品開発が可能
観光茶園や家庭での体験茶にも適用
健康機能や抗酸化作用を活かした新商品開発が期待
紫芽茶は世界でも注目されており、ケニアや中国、日本でも品種登録されている
栽培は高山向きだが、商品化はまだ難しい
台湾の新品種茶は、
消費者の好みや市場ニーズへの対応
栽培のしやすさや害虫・病気への耐性
観光・飲料・健康志向など多様な用途
を考慮して開発されています。特に「台茶22号」「23号」「24号」「25号」は、既存品種の弱点を補い、台湾茶の未来を支える品種として大きな期待が寄せられています。