0000 はじめに
旅先で自転車に乗ろう。とっても面白い。
私の方法は2つ。車に自転車を積んでいく。あるいはレンタサイクルを借りる。
0000 はじめに
旅先で自転車に乗ろう。とっても面白い。
私の方法は2つ。車に自転車を積んでいく。あるいはレンタサイクルを借りる。
私の自転車はクロスバイク。スポーツサイクルではあるが、街乗り用である。
ドロップハンドルのロードタイプではない。山道も走れるマウンテンバイクでもない。
デザイン優先で選んだが、車体はちょっと重いし、タイヤもちょっと太い。変速は後ろの7段だけ。
2015年に買った。
本当は10万円くらいのロードバイクが欲しかった。県境を越えるようなツーリングもしたかった。しかし家族に大反対されて断念した。
そこでブリジストンのクエロ70というのにした(今は廃番)。5万円くらいだったが、あまり自転車に詳しくない人には、それでも「高い自転車に乗っているんですね」と驚かれる。
ちなみにその前は、友人から1万円で譲ってもらったクロスバイクに乗っていた。とても良い自転車だったが、長く乗りすぎてメーンフレームが折れた。これには引き取った自転車屋さんもあきれていた。
我が家はけっこう急な坂の上だ。仕事で週に一度くらい自転車に乗っていたが、行きは良い良い帰りは怖い。
私はスポーツをしていたわけではないし、体力も脚力もそれなりだ。家までの坂はムキになってこいでいたが、その時の顔は人に見せられるものではなかった。毎回息荒く、汗でドロドロになって帰宅した。
その仕事が終わった今は、自転車に乗るのは月に数回で、しかもせいぜい30分だ。そして、やはり家の前の坂は厳しい。
それでもスピードにのると、自転車は楽しい。自分の足の力で前進する充実感もある。ランニングに比べて、膝やかかとへの負担も小さいと思う。
車は以前、ホンダのフィットに乗っていた。後部座席を倒すと自転車が入る。
日帰りで色々なところに出かけ、自転車を降ろして走ってみた。楽しい。
海辺が走りたくて、仙台市の海岸公園によく行った。野球場がある岡田に車をとめて、震災後に再整備された自転車歩行者専用道を走る。海は堤防の向こうで見えないが、貞山堀のすぐ脇なのは良い。
しだいに距離を伸ばし、七北田川の河口から名取川の河口まで(岡田から藤塚浜まで)を往復するようになった。
その後、やはり海を見ながら走りたいと思い、堤防の上を走るようになった。
禁止されているわけではないが、縁石などはなく、転落したら自己責任である。けっこう凹凸もあるため、タイヤの細いロードバイクではちょっと走りにくいだろう。その意味ではクロスバイクで良かった。
名取市閖上(ゆりあげ)の「名取市サイクルスポーツセンター」に泊まって、翌朝早くに、やはり堤防の上をさらに南へと走ったこともある。ここは部屋から海が見えたり温泉があったりして最高だ。施設内のコースも、ロードバイクを借りて全力で走ってみた。
自転車で山を登る趣味はないが、山中の湖や沼の周りを走るのは楽しい。
私がよく行くのは、大和町の七ツ森湖(南川ダム)だ。中央を渡る橋も良いが、管理事務所の橋を使って一周するともっと良い。ただし南西部は湖から離れるし、けっこうなアップダウンがある。
新車で買ったフィットに13年乗って、2022年にスズキのアルトに替えた。今度は3年落ちの中古である。
一つ前の型で、デザインも色もとても気に入っている。しかし今売られている新型と比べても、明らかに小さい。これには自分の自転車は入らないだろう、と思った。
いちいち前輪を外して積み、行った先でまたはめるか…。いっそ自転車も買い換えて、輪行に適したロードタイプにするか。あこがれではあるが、お金はかかる。折りたたみ自転車も、今は多段変速でスポーツタイプのものがあるようだ。心は千々に乱れた。
ところが無理を承知で後部座席を倒し、助手席も背もたれを前に倒して一番前方にずらすと、何とクロスバイクが入ったのである。本当にギリギリだ。
ただし言うは易く行うは難し、ではなく、入れるのは易く出すのは難し、である。軽くはない車体を持ち上げるたびに「ううっ」と声が漏れる。
お金もないし、還暦を過ぎて、体力や気力の衰えもはっきりと感じる。
「いつまでできるかな」と時々思う。
車道を走っていて、「事故に遭う前にやめなきゃな」と思うこともある。
でも今は、できるからやる。
北は青森県から南は福島県まで、車に自転車を積んで泊りがけで出かけ、海辺や山の中、時々は街なかを走る。
さらに遠くに行く時は、クロスバイクのレンタルがある所を選ぼうとする。しかしこれがなかなか無い。
シティサイクルや電動アシストも悪くはないが、少しはスピードも楽しみたいし、まだ行ったことがない場所に、自分の足でペダルをこいで、たどり着くのがうれしいのだ。
旅先で自転車、楽しいですよ。