言語実証プロジェクト

Scientific Research Project on Languages

プロジェクトの

目的と使命

目的―実証研

 これまで記述的アプローチで言語的特徴が直観的に研究されてきました。直観的な言語的特徴の記述は「仮説」として極めて貴重です。しかし,それが実証されないままで放置されたり,別の仮説が提唱されたり,さらにまたその仮説が放置されたりする傾向があるように思われます。言語研究を着実に進展させるためには,言語的特徴に関する仮説を実証的に証明・反証することが必要です。このプロジェクトの目的は,そのようなアプローチをとるための実験・調査による研究方法と分析方法を紹介することです。

使命―情報提供

 インターネットとAIは,私たちの日常生活に欠かせないツールとなりました。かつては会場まで足を運ばなければ聴くことができなかった講演会や講習会も,オフィスや自宅で聴くのが当たり前になりました。このプロジェクトでは,このような時代の変化に対応し,講演や講習会を電子的にお届けします。また,実証研究のための技術や分析手法のビデオをインターネット上で公開し,いつでも聞けるようにします。

News

1.2023年7月に玉岡賀津雄『決定木分析による言語研究』(くろしお出版)が発売されました。

開催情報

第7回 言語実証プロジェクト講演会ZOOMでの開催

日時:2024年3月30日(土)20時ー21時(日本時間)

テーマ:「漢字を知っている中国語母語話者にどういう知識があれば日本語理解が促進されるか?

講師:玉岡賀津雄(名古屋大学・名誉教授)

要旨:中国語母語話者は,日本語を理解するのに母語の漢字知識を活用することができます。そのため,日中の漢字使用が多少異なっていたとしても,漢字で表記された日本語語彙を容易に理解できるようです。それなら,中国語母語話者にはどんな日本語知識があれば日本文の理解が促進されるのでしょうか。この問いについて考えるために,人を表す接尾辞の派生語の理解(大和・玉岡・初,2015)と日中同形同義語を目的語とする和語動詞の連語習得(黄・玉岡・小森・毋,2019)の研究を紹介します。これら2つの研究は,いずれも『小出記念日本語教育研究会論文集』(https://koidekinen.net/から無料ダウンロード可)に掲載された研究です。決定木分析を使った研究ですが,『決定木分析による言語研究』(くろしお出版)には含まれていません。

 

[文献]大和祐子・玉岡賀津雄・初相娟(2015)「中国人日本語学習者の人を表す接尾辞の派生語習得に影響する要因」『小出記念日本語教育研究会論文集』23, 33-44.

黄叢叢・玉岡賀津雄・小森和子・毋育新(2019)「中国人日本語学習者による連語習得に関わる背景要因」『小出記念日本語教育研究会論文集』27, 53-67.

 

[決定木分析に関する参考文献] 2023年7月10日に,くろしお出版から『決定木分析による言語研究』というタイトルの本が出版されました。この本では,いろいろな決定木分析を使った言語研究を解説しています。ご購入いただければ幸いです。

本プロジェクトのイベント情報の受け取りを希望された方には参加登録情報をメールでご案内いたします。

新規の方はポスターのQRコードからご登録ください。

参加はすべて無料です。

本プロジェクトの構成メンバー

早川 杏子(Hayakawa, Kyoko)

一橋大学・准教授

事務局長

プロフィール

玉岡 賀津雄(Tamaoka, Katsuo)

名古屋大学名誉教授

プロジェクトリーダー

プロフィール

張 婧禕(Zhang, Jingyi)

宮崎大学講師

〔広報部長〕

プロフィール