本仕様書は人間に限りなく近いエージェントアーキテクチャの設計の方針を示すために執筆された。
人間を作るアプローチはたくさんある。たとえば、パートナーと愛を育み子供を産んだり、フラスコに電気を与え続けて有機合成によって生み出すこともあれば、3Dプリンターのような臓器を印刷しくっつけるという方法もあるだろう。その中で私はあえて論理学、数学、情報科学、心理学、ロボティクス、哲学の観点からアプローチを取った。このアプローチは効率的であるとは言えないが、私はそこに心を惹かれたものがあったということなのだろう。
この書物を読んでくださった読者の方には以下の成果が得られると信じたい。
本仕様書は実際の制作アルゴリズムだけでなく、論理哲学論考のような命題が乱立する場所もあれば、仕様書としては荒いと言わざるを得ない出来になるだろう。それでも誰かがこの取組に挑戦しなければならないと思い、私はそのパイオニアとして挑もうと考えている。
この取組が命あるまで挑戦したいと思うが、読者にどこまでお見せできるかは不明瞭である。