4年ゼミでは、各自が自分自身でテーマを決め、1年間かけてゼミ論文(目安として1.6万字程度)を執筆していきます。半期に二回、ゼミ内で進捗状況を報告することを求めるほか、2回ほどゼミ内で面談を行い、質問・相談する時間を設けています。
なお、卒論のテーマは、下記のように、必ずしもアメリカに限るものではありません。
〇前期:テーマ設定と仮序章の執筆
最初の数回は、論文を書く上で必要な知識のレクチャーを行います。具体的には、テーマ設定のための先行研究の批判的な読み方、史料・文献収集の方法、章立てのやり方、引用の方法、剽窃に関する知識など、これまで学んできたアカデミック・スキルズの復習を行っていきます。これと並行する形で、関心あるテーマに関する文献・論文を複数(5~10個の文献・論文)リストアップし、先行研究の整理と分析を行い、一度目の報告でその結果と仮テーマについて報告してもらいます。その後、さらに先行研究の収集と分析を行い、テーマの確定と仮序章の執筆に向けた準備を進めながら、二回目の報告を行ってもらいます。
また、ゼミ中に、全員と2回ほど個人面談を行い、進捗状況の管理と文献・史料収集など、質問受けを行います。そのほかの人は、個人作業を行うか、グループで進捗状況を報告しあってもらいます。
〇後期:ゼミ論の本格的な執筆
後期は、各自がゼミ論を完成させていきます。そのために、2回の進捗状況報告とともに、2度の個別面談の機会を設けています。各自、夏休みにも少しずつ文献や資料の整理、分析を行ってもらい、12月の提出に向けて作業を進めていきます。
例年、年明けの最終週に、3・4年生合同でのゼミ論文発表会を行っています。
〇これまでのゼミ論のタイトル(一部です)
【2024年度】
「相互依存とエネルギー安全保障-ウラン貿易を通じたアメリカ・カザフスタン関係をみて」
「教育および言語が移民のアイデンティティに及ぼす影響-日系二世2人のオーラルヒストリー分析」
「ジェネレーションXから見たアメリカとその影響」
「ディズニー作品にみる女性表象の変遷」
「現代の対中関係改善の策をニクソンの対中政策から考える」
「イヌイットの言語復興と継承」
【2023年】
「ドブス判決における政治イデオロギー的争点と宗教的争点、およびヒスパニック系移民の増加するテキサス州に見る今後のアメリカの中絶問題の行方」
「サイバー戦と法」
「ジョージ・H・W・ブッシュの政治戦略と協調外交の真意―ドイツ再統一から見る欧米諸国との友好的な対話を通して―」
「カナダ先住民に対するカナダ連邦政府の責任範囲の分析―ウィリアムズレイクバンド対カナダ連邦政府の判例をもとに—」
「日本のインドネシアに対する開発援助-インフラ整備の課題点と今後について」
「アスリートによる黒人差別抗議活動の変化」
【2022年度】
「第二次世界大戦期におけるプロパガンダアニメーション映画―ディズニーの役割と国民への心理的効果を通して―」
「CIE教育映画「公民館」に見る占領期日本に求められた民主主義」
「米軍占領期、琉球大学での教育が沖縄県民のアイデンティティに如何に影響を与えたか」
「ブッシュ政権の「思いやりのある保守主義」に基づく政策立案の考察—クリントン政権との政策の継続性—」
「日本の歴史教育と戦後の教育改革」