白保村の紹介

伝統・文化を重んじる白保村で暮らしていくうえで、白保村の歴史や文化について理解することがとても大切です。

ここではその概要をご紹介します。

白保村の歴史

白保村の歴史は古く、史実によると慶長検地(1610年)に遡ります。

1771年(明和八年)の大津波では大きな被害を受け、約1600人の住民のうちたった28人しか生き残りませんでした。琉球政府は波照間島から住民を強制的に移住させて、村を復興しました。

その後、豊かな漁場を求めて宮古島や多良間島から漁民が移り住むようになり、網などの漁具を使った漁が行われるようになったり、白保地域の住民・暮らし・文化がより多様化していきます。

1979年(昭和54年)には、住民が魚貝や海藻を採って生活の糧としていた白保の海を埋め立てる新石垣空港建設計画が沖縄県から発表されました。住民による反対運動がおこり村が推進派と反対派に二分され大いに苦しみましたが、最終的には空港は現在の位置に建設されることで決着しました。その際の海洋調査で明らかになった、北半球最大のアオサンゴ群集をはじめとする白保の海の豊かな生物多様性が世界中から注目を集めました。

白保村の暮らし

白保村は美しく貴重なサンゴが有名ですが、決して観光地やリゾート地ではなく、伝統文化を大切にする住民が静かな生活を営む農村集落です。 石垣島で最も農業が盛んな地域で、サトウキビやオクラを中心にゴーヤや芋など多種の農作物や肉用牛を生産しています。稲作も盛んで、お米は年に1〜2回収穫できます。夏には五穀豊穣を祈る豊年祭が盛大に執り行われ、多数の住民が参加して稲作をテーマとした「稲の一生」という踊りが披露されます。

また東のサンゴの海は「魚湧く海」「命継ぎの海」と呼ばれ、魚貝や海藻がたくさん採れる重要な食糧庫でした。春には「浜下り」の風習が残り、夏には「海神祭」が行われます。

このように、豊かな自然に囲まれた白保村は昔から半農半漁の暮らしを営んできました。そのため地域の環境を守りたいという強い気持ちがあります。

白保公民館では、2006年「海と緑と心をはぐくむ、おおらかな白保」を目標とした「白保村ゆらてぃく憲章」を制定しました。これは次世代に守り伝えたいものを明確にし、村をあげてその保護・継承とその活用による白保村の活性化に取り組むものです。

白保村ゆらてぃく憲章

「ゆらてぃく」とは「寄ってらっしゃい」「共に集う」という、歓迎の意味や村人の和を表す言葉です。白保人気質を表していることから、本憲章の冠名としています。

(1)村づくりの目標

与那岡から見渡す田園風景、魚湧く海、赤瓦、福木、石垣の残る集落その中で受け継がれる伝統芸能、白保村の先輩たちが守り伝えてきた豊かな自然とともにある暮らしを守り、若者たちが夢と誇りを持って次世代を担うことのできる、“海と緑と心をはぐくむ、おおらかな白保”を目標としたゆらてぃく白保村づくりを推進します。

 

(2)白保村づくり七箇条

一、白保の文化を守り、未来につなげます

一、世界一のサンゴ礁を守り、自然に根ざした暮らしを営みます

一、石垣、赤瓦、福木を愛し、きれいな街並みをつくります

一、恵まれた自然を活かし、村を支える地場産業を育成します

一、地域の教育力を高め、次世代を担うたくましい子どもを育てます

一、スポーツや健康づくりに励み、心と体の健やかな長寿の村をつくります

一、ゆらてぃくの心で団結し、平和で、安全な世界に誇れる白保村をつくります

 

全文は白保村ゆらてぃく憲章のページをご覧ください

白保村の文化・伝統

白保村は伝統文化を非常に重んじる地域です。農村集落の1年の祭事は農耕儀礼が中心ですが、海とのつながりも強く、海に関わる祭事儀礼もあります。

白保海神祭(ハーリー)

旧暦5月4日に開催される航海安全と豊漁を願う祭事です。神事の後には爬龍船競漕や余興などが行われます。

白保豊年祭

旧暦6月の3日間、五穀の豊作と来夏世(クナツユ、来年)の豊穣を祈願して行われる神事であり、白保村最大の祭事です。最終日には旗頭、白保節、弥勒(ミルク)来訪、イリク太鼓の奉納、住民総出の稲の一生の踊り、五穀の献上、大綱引きで盛り上がります。

旧盆行事

旧盆の3日間、白保獅子保存会による獅子舞が家々を回って邪気を払い、先祖供養や子孫繁栄を願ます。旧盆の翌日には、現世に残った霊たちを追い払うイタシキバラの儀式が行われます。

上記以外にも様々な神事や行事が行われています。

見学や撮影などのルールは住民に確認し、特に神事は邪魔にならぬよう敬意をもって遠くから見学ください。 

白保村の自然

白保のサンゴ礁は北半球最大のアオサンゴ群集をはじめ、120種以上のサンゴや300種以上の色とりどりの魚が棲むといわれている生物の楽園です。白保サンゴ礁海域は2007年8月1日より西表石垣国立公園の海域公園地区に指定されています。指定地域でのシュノーケリング等は、必ず白保村の事業者によるガイドツアーに参加してください。

陸上も様々な動植物で溢れており、セマルハコガメやヤシガニ、オオコウモリ、ホタル、アカショウビンなど、様々な生物と出会えます。住宅の敷地は広く、フクギやハイビスカスの生垣などで囲まれ、庭の花々にオオゴマダラ(蝶)などが舞います。

夜は暗く静まり返り、夏を中心に天の川、春を中心に南十字星も見られます。満月が静かな海に映ってできる月の道はとても美しい風景です。東向きの浜は日の出のポイントです。

集落内のガイドツアーについては、NPO法人夏花にお問い合わせください。

お役立ち資材集

白保村での滞在時に役立つ資料集です。是非ご一読いただき、村内滞在時に気を付けることや白保村を十二分に満喫していただくための情報をお持ちください。


・白保公民館指定文化財一覧

白保ゆらてぃくMAP2022

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