白保村の

自治のしくみ

白保の暮らしや文化を支えているのは住民による自治組織である“白保公民館です。その成り立ちと住民同士の協力体制や各種団体を紹介します。

白保公民館とは

沖縄で「公民館」とは建物を指すだけではなく、住民が運営する自治組織を表します。白保村でも同じく「白保公民館」が石垣市と連携して、地域の生活環境の維持や防災に大きな役割を担っています。

公民館の運営に関しては公民館規約があり、運営審議委員会が議事を審議し、館長以下執行部が運営にあたります。

執行部の大きな仕事は年間20回にも及ぶ祭事・行事の執行です。また、地域の課題解決や公的な事業の実施のために、石垣市や沖縄県からの情報の周知や住民の意見集約を行う窓口の役割も行います。

執行部は生年祝いを迎えた数え49歳の方々を中心として運営しています。毎年4月頃に住民参加の定期総会が開かれ、次年度役員へと引き継がれます。

 

公民館運営の財源は住民が担う分担金、各種行事の際の祝儀や篤志(寄付)が中心で、その財源をもとに年間の祭事・行事が執行されます。一部は傘下の各種団体への活動費として支給されます。住民の分担金は下記の通りで、「年間の収支は決算報告について監査を受けた後に定期総会で承認を受けなければならない」と定められています。

<住民担金>

2023年12月現在)

公民館の運営は、住民の分担金(戸主割、生産者割)で成り立っています。徴収された分担金は、行事・祭事の運営以外にも防犯灯の設置や自主防災組織の運営など、村の安全管理にも充てられています。

分担金は各班の幹事が集金に回りますので、ご理解の上ご協力をお願いします。転居してきたことを幹事が把握できていない場合もありますので、転居について近隣に伝え幹事に連絡するようお願いしてください。

上記分担金以外にも居住区画により設定される班ごとに徴収される豊年祭費や、御嶽に所属している氏子には御嶽運営費などが発生します。

住民担金(次の金額の合計金額を毎年)

世帯割:1戸当たり3,000円

生産者割:満20歳から満72歳まで、一人当たり1,500円。

 

例)夫婦(ともに40代)高校生の子供一人、中学生の子供一人の世帯の場合

世帯割3,000円+生産者割1,500円×2=6,000円 

公民館組織と関連団体

公民館組織として、多くの団体が豊かな白保村の維持発展や伝統文化継承のために活動しています。

|白保婦人会|

満67歳までの女性で作る団体で100年以上の歴史があります。毎年選任される役員に加え、各班から2名の幹事が参加して社会教育・生活改善・環境保護・文化芸能などの面から社会貢献に取り組み、公民館活動に参加・協力して地域を支えています。石垣市女性連合会加盟団体。

|白保老人クラブ|

原則73歳以上の住民で作る団体です。お互いの親睦を図り健康・長寿を目指し、地域の知恵袋としてその経験や知識で公民館活動に貢献しています。石垣市老人クラブ連合会加盟団体。

|白保青年会|

白保在住の10代(高校生)から30代までの青年男女が中心となって作る団体です。白保最大の祭り“白保豊年祭”では旗頭の奉納を行います。公民館行事で地謡を務めるなど、文化・芸能をはじめ様々な公民館活動に参加・協力して地域を支えています。石垣市青年団協議会(石青協)加盟団体。

|白保村ゆらてぃく憲章推進委員会|

2006年に、白保村が次世代に守り伝えたいものを明確にし、村をあげてその保護、継承するための方針「白保村ゆらてぃく憲章」が白保公民館より制定されました。

そして憲章に定めた「村づくり七箇条」の実践活動を支援するとともに、地域社会の重要課題の解決に向けた事業を立案し、率先して行動することを目的とする団体として設立されました。

現在「白保村ゆらてぃく憲章推進委員会」には、白保方言を残す活動を担う「方言アヨウ部会」と、近年増加している観光客に対応し、白保地域の宿泊事業者が中心となって、白保における観光のあり方を考える「白保おやど部会」が活動しています。

しらほサンゴ村運営委員会

2000年4月WWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)が白保にサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」を建設。南西諸島の自然を守る取り組みの一環として、貴重なサンゴ礁の保全活動に取り組んできました。そして、地域住民がより主体的に施設を運用しながら、さまざまな保全・地域活動を継続実施する体制へと移行することを目指して2021年4月に、「しらほサンゴ村」の施設を白保公民館に譲渡しました。現在は、白保公民館参加に置かれたしらほサンゴ村運営委員会と、委員会より委託を受けたNPO法人夏花によって、管理運営されています。

|白保ハーリー組合|

白保の漁業者の団体です。豊漁と航海安全のお礼とその祈願のために毎年旧暦の5月4日に行われる“白保海神祭”(白保ハーリー祭)を主催しています。

|白保魚湧く海保全協議会|

公式Facebookページ→白保魚湧く海保全協議会


2005年にサンゴ礁文化の保全・継承を目指して設立され、サンゴ礁の利用ルールの策定や赤土堆積調査などの多様な環境保全活動を行っています。

|白保自主防災会|

石垣市および市消防局と連携して、白保地域の防災・減災、緊急時の対応を担う住民組織です。公民館敷地内には発電機など緊急時に必要な備品が収納された防災倉庫が石垣市の補助で設置されており、これらの管理と使用を請け負っています。元消防局員も含まれ、万が一の時に地域を守る団体です。

|白保棒術保存会|

明治時代より村の若者が棒術の型を伝承、毎年旧暦8月15日に昔の役所“オーセ”(しらほサンゴ村の向かい)で奉納を行っています。白保の棒術は真剣な組手の“ケンカ棒”が特徴です。

|白保獅子保存会|

旧盆の3日間、白保では獅子舞いが家々を回って邪気を祓い、先祖供養や子孫繁栄を願う伝統行事が行われています。宮良(メーレー)家が獅子元で、旧盆の翌日には現世に残った霊たちを追い払うイタシキバラの儀式が執り行われます。20代から40代までの住民が中心となって活動している団体です。

地域の関わり合い

「白保村の歴史」で紹介したように、白保村は古くから住民同士で助け合い、村独自の伝統文化を守り受け継いできたので、住民はこの村に対する強い誇りとい愛郷心を持っています。

近年石垣島には県外からの移住者が増え、白保村も例外ではありません。ゆらてぃく精神を持つ白保住民は、他者を受け入れるおおらかな気質を有していますが、一方でこの伝統文化を大切にする静かな農村生活という環境を変えることなく守り続けようと努力しています。

白保村で新たに開業される方、白保村に住まわれる方には地域の活動や公民館活動に積極的に参加し、白保村の風習や文化を理解し、白保村ゆらてぃく憲章に基づいた村づくりへご協力をお願いします。