中学生のときにChopinを好きになりました。特に、『バラード第4番』が好きです。
助教のときにMahlerの交響曲を好きになりました。これは確実に人生を良くしました。高校生のとき、音楽の先生の「最も好きな曲(の1つ)」として、第9番の第4楽章を聴く授業がありました。私自身感動し、先生が最も好きな曲であり、第9番を最後にMahlerはこの世を去ったため(cf. 第九の呪い)、これがMahlerの集大成に違いないと思い込み、それ以前の番号を聴く気がなかなか起きませんでした。大学生のときに第1番と第5番を聴きます。第1番は京都大学の交響楽団の定期演奏会で聴きました。また、大学で「ドイツ文学入門」という講義を受け、トーマス・マンの『ヴェニスに死す』の映画において第5番の第4楽章がテーマとして用いられていることを知り、そして第5番を好きになりました。特に、第2楽章が好きです。それ以来、第5番ばかり聴いていたのですが、あまりに良くて、まあこれより凄い交響曲などないだろうと思っていたのですね。さて、助教になって長野県で開かれたコンサートで第9番を聴きました。せっかく聴くのだから第4楽章だけでなく、第1から第3楽章も予習しました。予習には、Apple Musicで検索して見つけたアルバムを使用したのです。それで、コンサートの帰りに第1番を久しぶりに聴いていたら、アルバムですから第1番が終わったら第2番が始まるわけです。「おやおや」っとなりました。この曲はやばいのでは(ChatGPTは「この曲には驚嘆せずにはいられないほどの魅力がありました。」の方が良いと言ってくる)。すぐに検証のため、何度も聴き返しました。第2番。これは凄い。その時点で私は第1番、第2番、第5番、第9番と聴いて、それでその全ての楽章が私にとって素晴らしい作品だったのです。すると、とある疑問が生じます。「もしや、Mahlerの交響曲は全部良いのでは?」検証すべく第3番を聴きました。良い。第4番。良い。第6番。凄く良い。第7番。凄く凄く良い。第8番。凄く凄く凄く良い。全部良い。そして、音楽についてはてんで素人のため詳しい方が見たら「こいつ何も分かってない」と思われるだろうけれども、私はMahlerの交響曲は番号順に好き度が高まり、そして第9番の第4楽章が頂点に好きなのです。結局、高校生のときの音楽の先生はMahlerの最高傑作を教えてくださっていたのだな、でもそれまでのMahlerの軌跡を知ることができて良かった。そう思って何気なくMahlerファンのブログを見ていると、「最高に美しいのは第10番である」との情報が!!なんと、Mahler最後の交響曲は第9番だと思い込んでいたら、正確には未完成の第10番があって、第1楽章についてはほぼ完成していたというのです。そして、本当に、本当に美しい曲でした。こんなご褒美があっていいのだろうかと幸せな気持ちでいた私に、東京大学の学生さんからコンサートのお誘いが来ました。Cooke版の第10番を演奏するというのです。実はMahlerは第5楽章まである程度の構想を残しており、音楽学者のCookeが演奏可能なように補筆完成させた全曲版が存在するのです。ただ、Mahler本人によって完成させられたものではないということで、なんとなく敬遠していたのですが、どうやらCooke版はMahlerの妻Almaを含め、広く受け入れられた作品のようです。お誘いもあったため、私は遂にCooke版を聴きました。私の一番好きなMahlerの交響曲は何番の何楽章かって?第10番の第5楽章に決まってるでしょう!
私がこの世で一番好きな曲はDavid Wise作曲の『とげとげタルめいろ』(またの名を『Brambles』(またの名を『Stickerbush Symphony』(またの名を『Stickerbrush Symphony』)))です。これは生涯変わらないでしょう。そして。いかなる編曲よりも(それがたとえWiseによるものであったとしても)原曲の方が素晴らしいです。この曲がこの世に存在してくれて本当に良かった。