島州一独自の遠近法「触覚的遠近法」でトレースされた椅子をモチーフにした作品。対象物に触りながらトレースすることで情報処理の方法を提示した
そのコンセプトは現実の描く行為と違い、椅子という描くべきモチーフに触りながら椅子の下に敷かれた紙に描くというものであった。従来のものを見て描くのとは違って、モチーフに触れ実在を確認しながらモチーフの輪郭を描いていく手法であった。
なぜ触れながら描くかと云うと、情報は私の外部からやってくるが、モチーフを見る行為も、私との空間を隔ててあり、單に見ることもつまりは情報の一部に過ぎない。モチーフを私に引き寄せ手や身体で確かめながらその存在を2次元に変換したいと考えた。