当研究室及び学部共通ゼミに所属する学生たちで構成された「四十雀賞選考委員会」では、毎年、本邦の音楽文化に広く貢献した個人・団体を選定し、「四十雀賞」をお贈りしています。
賞の名前は、一橋大学があります国立市の鳥で、美しい鳴き声を持つ「シジュウカラ」に由来します。
【お知らせ 2025.10.29更新】
第13回四十雀賞授賞式・受賞記念イベントを開催しました。
菅原正二さまを迎え、四十雀賞史上はじめて100名を超える方々が見守っておられるなか、授賞式・受賞記念イベント「菅原正二の言葉を読む」を本学インテリジェントホールにて開催いたしました。ご来場、またオンラインでご視聴なさったみなさま、ありがとうございました。
授賞式の菅原正二氏(授与者は選考委員を代表して王涵宇)
受賞記念イベント「菅原正二の言葉を読む」
来場者のみなさまと
【お知らせ 2025.8.27更新】
第13回四十雀賞授賞式を、受賞者の菅原正二様を迎えて、つぎのとおり開催いたします。
日時 2025(令和7)年10月28日(火)15時30分〜 (17時30分終了予定)
場所 一橋大学 如水会百周年記念インテリジェントホール
入場無料。
会場へのアクセス:
中央線国立駅下車、南口から徒歩約10分です。西キャンパス、次の図のマル6が会場です。
駐車場はご用意できません。公共交通機関を使ってのご来場をお願いいたします。
【お知らせ 2025.8.16更新】
第13回四十雀賞受賞者が菅原正二氏/ジャズ喫茶ベイシーに決定しました!
【授賞理由】
1942年に岩手県一関市で生まれた菅原正二氏は、早稲田大学在学中、ハイソサエティー・オーケストラのバンド・マスター/ドラマーとして、TBSラジオ「全国大学対抗バンド合戦」で全国3連覇を果たした。1967年ビッグバンドとして日本初の米国ツアーを敢行し、「チャーリー石黒と東京パンチョス」のドラマーを務めたのち、1970年に一関に戻ってジャズ喫茶ベイシーを開店した。
「ベイシー」は、「レコードを演奏する」菅原氏による「チョイス」の集積である。氏は、聴衆に臨場感を最大限まで与える「極上のサウンド」を求め、そのこだわりはオーディオ空間全体からレコード針一本の先端にまで及ぶ。アナログレコードには、演奏されたその場の「空気」までもが記録されている。氏は単なる音源再生の範疇を超えて、その「空気」を「再現演奏」する。
菅原氏は語る。「自分でものを作るのだけが“創作”ではない。“チョイス”することで自分を表現することを我々は普段、意識するしないにかかわらずやっている」 (『ジャズ喫茶ベイシーの選択 ぼくとジムランの酒とバラの日々』)。まさにこの言葉の通り、その独自の哲学に基づいたあらゆる選択と積み重ねが「ベイシー」たる唯一無二の「作品」である。足を踏み入れる我々に強烈な個性を知覚させるこの場所こそが、日本のジャズ喫茶、ひいては世界のジャズ・シーンの玄関口として人々をコアに繋げてきた。
菅原正二氏がレコード演奏家として長年にわたりアナログの音楽文化を蓄積し、連綿と紡いできた営みの結果がジャズ喫茶ベイシーであり、本邦の音楽文化に多大なる貢献を果たしている。
以上から、菅原正二氏/ジャズ喫茶ベイシーに四十雀賞を授与したい。
2025年6月
2025年度四十雀賞選考委員会/小岩信治研究室
【歴代受賞者の方々(敬称略)】 → 各受賞者の紹介はこちら
第1回(2013年度)岡田暁生(著作『恋愛哲学者モーツァルト』に対して)
第2回(2014年度)宗次ホール/宗次德二(小規模コンサートホールの開設・運営に対して)
第3回(2015年度)村上輝久(長年にわたる調律師としての活動に対して)
第4回(2016年度)大友良英(著作『学校で教えてくれない音楽』をめぐる活動に対して)
第5回(2017年度)「ヒロシマと音楽」委員会/能登原由美(「ヒロシマ」に関わる音楽のアーカイブ化とその普及活動に対して)
第6回(2018年度)高橋管楽器(サクソフォーンを中心とする「楽器修理」に対して)
第7回(2019年度)大澤徹訓(漫画『のだめカンタービレ』における音楽監修に対して)
第8回(2020年度)映画『LISTEN』(聾者による「音楽」の表現に対して)
第9回(2021年度)デリバリー古楽/柴田俊幸(コロナ禍における古楽器による生演奏を届ける活動に対して)
第10回(2022年度)音遊びの会(マジョリティの発想を超えた自由な音楽表現の創出に対して)
第11回(2023年度)スリーシェルズ/西耕一(日本の音楽家による作品の発信、埋もれた名作の発掘と資料の保存、広報、啓蒙活動に対して)
第12回(2024年度)関口時正氏ら「『ショパン全書簡』翻訳チーム」(日本におけるショパン研究・19世紀前半を中心とする音楽文化研究に対して)