2) 脊椎動物種における高温センサーの機能的な進化
2) 脊椎動物種における高温センサーの機能的な進化
脊椎動物の温度感受性センサー分子の起源と進化過程
現生の脊椎動物種が持つ温度感受性TRPチャネルの多くは、脊椎動物の祖先種において新たに獲得された。この時期に、無脊椎動物型から脊椎動物型への遺伝子レパートリーの再編成が起こったと推測される。
高温センサーの機能的な進化過程
哺乳類において低温のセンサーとして報告されるTRPA1は複数の脊椎動物種や無脊椎動物種において高温の温度のセンサーとして機能している。そのため、TRPA1は動物の初期の進化過程において高温センサーとして誕生したが、進化の過程で温度感受性が変化したと考えられる。
一方、TRPV1は脊椎動物種の祖先種で高温センサーとして新たに獲得されたため、種によってはTRPA1とTRPV1の二つの高温センサーを保持している。
参考文献