今回キャンバスづくりに用意した材料、道具(写真2)
生麻布、キャンバス用木枠、粉膠、重質炭酸カルシウム、チタニウムホワイト顔料粉末
ビーカー、キャンバス張り器、ガンタッカー、タックス針、金槌、釘抜き、ハサミ、計り機、刷毛(熊毛)
大型のキャンバス(F100号1620mm×1303mm)を制作。(写真3)
一般的なキャンバスの地として、白色地塗りを行う。
木枠の組み立て → 生の麻布を張る → 布の目止め → 白色地塗り → 完成
Ⅰ.木枠に麻布を張る
木枠を組み立てる
木枠の内側から組む。金槌で叩いて、木枠の接合部に隙間が出ないようにする。金槌で叩く場合には、木枠を痛めないように必ずあて木をする。組みあがったらメジャーで対角線を確認。ゆがみがないか、確認。長方形になったら、接合部をガンタッカーの針で固定。
麻布を採寸
木枠と同じ大きさの長方形を、鉛筆を使って麻布に描く。鉛筆の芯の先を織り目に沿わせて線を引く。麻布の織り目の方向によって湾曲している場合があるが、気にせず、線を引く。(写真4、写真5)その線を木枠と同じ辺の長さで区切る。麻布を木枠に張ったとき、布の縦糸、横糸の数が均等になった方が、キャンバスのねじれやゆがみが無くなる。
3.布を裁断する
鉛筆で引いた線からさらに5~10センチ外側に線を入れ、編み目に沿ってハサミで裁断する。(写真6)
4.麻布を張る
鉛筆で引いた線を頼りに、麻布を手で引っ張り、木枠に張る。(写真7)手で引っ張った方が、キャンバスが仕上がったときに調度良い張り具合になる。キャンバス張り器で強く引っ張りすぎると、地塗り後、キャンバスの反りに大きく影響し、破損の原因にもつながる。鉛筆で引いた線が、木枠の外側に少しはみ出るように布を引っ張り、ガンタッカーを使って木枠の裏側で固定する。(写真8)布は織り目をよく見るとわかるが、織ったときの工程で縦糸と横糸の伸び方が異なる。布を引っ張ったとき、布が伸びる方向と、伸びない方向がある。まず、布は伸びる方向から引っ張り、固定する。伸びない方向は、無理に伸ばさず、鉛筆の線がそろうようにする。それに応じて針を打ち込む間隔を調整する。木枠の4つ角を先に固定すると目安になる。またこの段階で、麻布の4つ角の耳は、内側に折り込まない。(写真9、写真10)
ここまで約2時間程度要した。1日目の工程終了。