Sawada Group

数理水害科学研究グループ

Department of Civil Engineering School of Engineering, The University of Tokyo


東京大学 河川/流域環境研究室 数理水害科学研究グループ(澤田研)では、気象・水象といった自然現象と、交通・経済といった社会現象の双方を含む社会空間全体の今を観測し、未来を予測し、未来予測に基づいて社会インフラを自在に制御することで、災害等に対して頑健な社会をつくることを目指して研究を進めています。コンピュータシミュレーションと現場の観測データを統合する数理を探求し、現実に起こっている自然-社会現象の本質に迫ります。基礎科学と社会問題が出会うエキサイティングな工学研究の現場にようこそ! 

東京大学 河川/流域環境研究室 澤田グループのHPにようこそ!

Members

准教授

yohei.sawada [at] sogo.t.u-tokyo.ac.jp

略歴: 澤田は2016年に東京大学で博士号(工学)を取得したのち、理化学研究所 計算科学研究機構に特別研究員として就職。その後2017年から2019年3月まで気象庁気象研究所で研究官を務め、数値天気予報に関する研究に従事。2019年4月からは東京大学 准教授として社会空間における観測ー予測ー制御の技術革新により水文気象災害に強い社会づくりを目指して研究をしている。

研究分野: 水文気象災害予測, シミュレーションと観測データの統合

Le Duc

助教

leduc [at] sogo.t.u-tokyo.ac.jp

https://sites.google.com/view/le-duc/home 

略歴: Le Ducは2008年にベトナム国立大学で博士号(気象学)を取得し、ベトナム国立水文気象予報センターに勤務。2011年から2020年まで海洋研究開発機構の研究員を務める。前職は気象庁業務支援センターの研究員。2011年より気象庁気象研究所の客員研究員を務める20216月からは東京大学 総合研究機構助教として複雑系を理解する為の数学と計算科学の適用を研究している。

研究分野: 気象学、データ同化、数値予報 

Md. Rezuanul Islam Fahim

特任研究員

fahim.islam[at] sogo.t.u-tokyo.ac.jp

https://sites.google.com/view/md-rezuanul-islam-fahim/home 

略歴: Md Rezuanul IslamFahimは、2014年バングラデシュのチッタゴン工科大学で学士号(都市・地域計画)を取得し、2016年の来日前まで国際機関(アジア防災センター、アクションエイドバングラデシュ)で研究及び地理情報システムのアシスタントを務めた。東京工業大学で2018年に修士号(リスク・災害科学)2021年に博士号(リスク・災害科学)を取得。東京工業大学大学院在学中に、日本政府(文部科学省)国費外国人留学生奨学金を受けた。2021年12月からは東京大学総合研究機構特任研究員として、科学・工学・人文科学の統合による複合的な水文気象学的ハザード評価の進歩と早期警報の改善について研究している。

研究分野: 自然災害とリスク分析、環境データ分析と傾向調査、耐災害性とリスク管理

Sneha Shrinivas Kulkarni

特任研究員

sneha.kulkarni[at] sogo.t.u-tokyo.ac.jp

https://sites.google.com/view/snehakulkarni/home 


略歴: Sneha Shrinivas Kulkarniは、2022年にインドのインド工科大学ボンベイ校で資源工学の博士号を取得し、博士課程在学中にFulbright-Kalam気候博士フェローシップを授与され、米国ネブラスカ州国立干ばつ軽減センターで客員研究員として勤務。オランダのITCでジオインフォマティクス修士号、インドのプネ大学で地理学(気候学)修士号を取得。オランダでの修士課程では、オランダ・フェローシップ・プログラム(NFP)を受賞。リモートセンシングとGISを用いた生態・水文・社会気象学的応用に関心を持ち、社会におけるレジリエンス(回復力)の構築に取り組んでいる。また、ジャーナリズムのディプロマを取得し、科学の普及に情熱を注いでおり、研究とは別に、科学を社会に届けるためにブログや雑誌の記事を書いている。

 

研究テーマ: 気候変動、干ばつの監視と予測、ハザード・リスク・脆弱性分析、地理空間技術



日比野 研志

特任研究員

kenshi.hibino[at]sogo.t.u-tokyo.ac.jp

略歴: 日比野は2013年に京都大学で博士号(理学)を取得したのち、筑波大学生命環境系研究員として就職し、文部科学省創生プログラムのもとで気候変動の影響評価を行う。その後2016年10月から東京大学生産技術研究所に特任研究員として務め、衛星データを用いた水文データベース作成作業(Today’s Earth)に携わる。2018年10月からは助教になり、台風などの激甚化災害の将来変化をマルチモデル・マルチ初期条件で予測する研究にも従事する。2023年5月からは東京大学 総合研究機構 特任研究員としてデータ駆動型の台風の精度向上に取り組んでいる。

研究分野: 台風予測精度の向上、気候変動影響評価

奥川 伸一 

特任専門職員 

海野 聡子

特任専門職員 

関根 愛子 

特任専門職員 

五三 裕太

博士課程 

青木 慧 

修士課程 

日浦 直紀

修士課程 

八木 亮多

修士課程 

久保 亘

学部生

過去にメンバーだった人々

小谷 仁務 (助教--> 京都大学)

金井 琳 (学部生)

野村周平 (学部生)

三輪 哲大  (修士課程)

君塚 貴之 (学部生)

影山雄哉 (特任専門職員 --> 土木研究所)

冨澤風翔 (修士課程)

廣瀬 郁希(学部生)

AdarSha NEUPANE(修士課程)

Pavithra Neelangi WEERASINGHEE(修士課程)

Juyoung JO(修士課程)

Research

業績等は、achievements を参照してください。

シミュレーション・観測データ統融合の数理

コンピュータシミュレーションと観測データを統合する統計数理学的な手法を追求しています。コンピュータ上に仮想的な地球や人工物を作り上げる数値シミュレーションは気象学や土木工学の分野では研究でも実務でも非常に多く用いられます。支配方程式さえあれば何でも計算でき、未来を予測することもできることがシミュレーションの強みですが、多くの場合現実を完璧に再現するシミュレーションは難しく、シミュレーション単体で高い精度を上げることは難しいです。一方で観測データは精度は高いものの、広大な地球システム全体を観測することは難しい上、観測単体から未来を予測することは難しいです。そのため両者を統合して相乗効果を引き出すことで実務にも耐える水災害予測の技術を探求しています。具体的にはデータ同化および不確実性定量化と呼ばれる統計数理手法の研究をしています。

特に陸域の水や生態系のダイナミクスを扱う陸域モデルに、人工衛星による観測データを統合するデータ同化・不確実性定量化研究を集中的に行ってきました。さらには大気と陸域の結合系のデータ同化、人々の避難行動や防災意識といった社会ダイナミクスを扱うモデルへのデータ同化研究も行っています。最近では機械学習を有効活用した新しい数理手法の開発も行っています。

生態水文情報学とその干ばつ監視技術への応用

干ばつは世界各国で甚大な人的・経済的被害をもたらしており、その監視と予測は喫緊の課題です。干ばつは降水量の減少による気象学的干ばつ、土壌水分の減少による農業的干ばつ、河川流量や地下水の減少による水文学的干ばつに一般的には分けられ、多様な時空間スケールをもって様々なセクターに影響を及ぼす複雑な災害です。私たちは水不足だけでなく、干ばつによる陸域生態系への影響を直接計算することで、よりリアルな干ばつの描像(生態水文学的干ばつと呼んでいます)を得ることを目指し研究を続けています。また、アフリカの途上国等を中心に、前述したデータ同化の技術に基づく干ばつ監視・予測システムをリアルタイム運用する社会実装を進めています。

社会気象学の開拓とその水害対策への応用

激甚化する傾向のある水害から人々を守るためには、その正確な予測と、予測を利用した市民とのコミュニケーション能力の向上が不可欠です。非常に短い時間に急速に発達する積乱雲群がもたらす豪雨とそれがもたらす洪水・浸水は、数値天気予報において予測が困難な現象の一つです。これは現象の時空間スケールが小さいことおよび非線形力学に支配された現象であることが主な原因です。私たちは高頻度な衛星観測をはじめとした多様な観測データをフルに活用して、全球規模に適用可能な豪雨災害の予測手法を編み出すことを目指しています。またこの予測の不確実性を効率よく推定し、不確実性情報をうまく利用することで人々に適切な避難行動をとってもらうための方策も模索しています。シミュレーション・観測データ統融合の数理を基盤として、このような自然科学と社会科学の結合系を解く領域を「社会気象学」と名付け、激甚水害に対する社会の頑健性を高める基礎研究に注力しています。 

Recruit

東京大学工学系研究科社会基盤学科の卒論生、社会基盤学専攻の院生を受け入れております。どんな学位論文が書けそうかは、achievements を参考にしてください。研究テーマは自由です。興味のあること、やりたいことを私に教えてくれればそこからうまく研究になるように一緒に考えていきましょう。やりたいことがうまく見つからない人は私からとりあえず研究テーマを与えますので、それをやっていく中で自分なりの興味・関心が特定できるといいなと思います。東京大学以外の大学からの進学や社会人からの進学も大歓迎です。ご興味のある方は澤田 (yohei.sawada [at] sogo.t.u-tokyo.ac.jp) までお気軽にご連絡いただければと思います。

Access

浅野キャンパス 工学部9号館 東京都文京区弥生2-11-16 

7階710号室

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