WeSCoS Colloquium
WeSCoS Colloquiumとは
数値天気予報が初めて本格的に構想された「リチャードソンの夢」から100年ほどが経過し、いまや数値天気予報は社会の維持に不可欠なインフラストラクチャーとなりました。次の100年に向けて数値天気予報とその関連技術は人類文明の持続可能性にどのような貢献ができるでしょうか。成熟期に入りつつある数値天気予報研究を次なるステージに押し上げるには、これまでの気象学の枠にとらわれない学際融合による思い切った挑戦が必要であると考えます。
具体的には、
・先端的な統計数理を用いた新しい予測原理の探求
・社会において天気予報の価値を最大化させるための社会科学/人文学との連携
・極端気象の制御可能性の観点から見た新しい気象現象理解
などが重要であると私たちは考えています。
本コロキウムでは多様な学域から講演者を招き、100年後の数値天気予報の在り方を皆様と大胆に描いてみたいと思います。
*WeSCoS はWeather-Society Coupling/Control System の略称です。
日時:2022年12月27日(火)15:00~
概要:
気候変動の影響が顕在化する中で脱炭素や適応の世界トレンドが加速しています。金融分野では、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)などの情報開示が普及、サステナブルファイナンス・ESG投資など新しいファンドが拡大しており、気候予測データへのニーズが急速に高まっています。気象関連災害や異常気象への適応を促進させるために、民間による資金提供や技術支援などにも注目が集まっています。気候変動分野において民間や金融が果たしている役割とは?気候研究やアカデミアはどのように関わっているのか?民間・金融分野の現状に関するこれまでの調査を報告し、そこから生まれる示唆や疑問を投げかけ、民間セクターが持つ可能性について考えます。
場所:Zoom
言語:日本語
参加方法:事前の参加申込が必要です。お申し込みはこちらからお願いします。URLを12月26日にお送りします。(申込締切日:12月25日)
日時:2022年11月1日(火)15:10~ ※開始時間変更
概要:
自由エネルギー原理は、2006年に脳の機能を説明する統一原理として提唱されてより更なる発展を遂げ、今ではあらゆる生命・適応システムを貫く統一原理とみなされています。自由エネルギー原理に基づくことで、社会防災・減災における二つの難問を解決できる可能性があります。一つは無意識プロセスを考慮して防災・減災における意図-行動ギャップを解消すること、もう一つは生態学的合理性に基づいて「想定外の想定」を必要としないリスク管理を行うことです。本講演ではこれら二つの可能性について簡単に紹介します。
場所:Zoom
言語:日本語
参加方法:事前の参加申込が必要です。お申し込みはこちらからお願いします。URLを10月27日にお送りします。(申込締切日:10月26日)申し込みは締め切りました。
日時:2022年9月5日(月)15:00~
概要:
物理システム(フィジカルシステム)と情報システム(サイバーシステム)とが密に結合し,情報のやり取りを行うシステムを「サイバーフィジカルシステム(CPS)」と言い,私はその内の一つである「ネットワーク化制御システム」に関する研究をしています。ネットワーク化制御システムでは,様々なモノがインターネットなどの通信ネットワークを介して制御されます。そのような制御システムでは,ネットワークの通信リソースを考慮するためにも,「いつ制御対象がコントローラを通信をするべきか」という通信方策を適切に設計することが不可欠です。本コロキウムでは,特に制御対象のモデルが未知である場合を考え,未知システムをガウス過程回帰を用いて学習し,制御・通信方策を設計するアルゴリズムをご紹介します。最後に,気象制御への適用可能性について(簡潔ではありますが)言及します。
場所:Zoom
言語:日本語
参加方法:事前の参加申込が必要です。お申し込みはこちらからお願いします。URLを9月1日にお送りします。(申込締切日:8月31日)