設 立 趣 意

現在の沖縄県域は160の有人島・無人島からなり、奄美群島を含めると170を超える島々が存在します。これら島々は、広く東アジアや東南アジアの地域と、さらには、北米や南米の地域との関わりやつながりを通して、多様で独自の文化を形成してきました。その過程において、琉球国の成立と消滅、近代沖縄、沖縄戦、米軍統治、施政権返還による日本復帰など、世界や時代の影響を受けながら、さまざまな歴史を経験してきました。また、いまの沖縄や奄美を考究していくうえで、琉球沖縄の持つ多様性や独自性を歴史学の視点から追求していくことはますます重要になってきています。そこで私たちは、琉球沖縄およびその関連地域の歴史を研究する関連諸学問領域の発展を目的に、本学会の設立を企画しました。

本学会では、歴史学に限らず人類学・考古学・民俗学・歴史教育などの関連諸領域において研究するメンバーを広く募り、歴史研究の総合的な発展を目指します。具体的には広く琉球列島上とその周辺・関連地域で展開した歴史や琉球沖縄の人びとと関連した多様な歴史を総括的・全体的に捉え究明します。

また、本地域で行われる歴史研究を支援し、議論の場を提供するとともに、さまざまなフィールドで活動する人びとが集う開かれた場とすることで、学術交流の発展に寄与していきます。さらに、教育(歴史教育や社会科教育)の場とも積極的に連携・実践し、研究成果の社会的還元や教育普及に努めます。

以上の趣旨に則り、私たちは本学会を設立いたします。ご賛同いただけるみなさまの積極的なご参加とご協力を、心よりお願い申し上げます。


2018年8月1日

琉球沖縄歴史学会設立発起人

麻生伸一・新垣力・池上大祐・大里知子・神谷智昭・神山英・近藤健一郎・里井洋一・下地治人・新里亮人・菅原広史・鈴木耕太・瀬戸哲也・高江洲昌哉・高良由加利・照屋理・豊見山和行・野添文彬・平川信幸・深澤秋人・藤波潔・前田舟子・前田勇樹・宮城徹・宮城弘樹・山口剛史・山田浩世・山本正昭・屋良健一郎・渡辺美季