● 2023年 佳作・福岡市科学館賞
▶︎ 作品名
はこぶね君
▶︎ チーム名
下剋上(福岡大学)
▶︎ メンバー
安元千隼(福岡大学工学部機械工学科3年)
佐藤由唯(福岡大学工学部機械工学科3年)
相濱瞭斗(福岡大学工学部機械工学科3年)
久保圭輝(福岡大学工学部機械工学科3年)
桝田有咲(福岡大学工学部機械工学科3年)
● 二次審査講評
▶︎ 審査委員長
筬島 修(一般社団法人九州経済連合会 産業振興部長)
高齢化社会を見据えた、免許なしで誰でも運転できる「移動用小型車」の提案でした。 昨今は災害(特に水害)も多く、そういった悪路にも対応できる乗り物とのこと。 着眼点はよかったのですが、少し欲張りすぎて機能を求めすぎた感がありました。 強みを絞って提案した方がよかったのではないかと思いました。
▶︎ 審査委員
田中 久生(福岡市科学館 サイエンスコミュニケーター)
高齢社会をテーマに、交通網の衰退などすでに影響が出始めている課題を分析し、解決するためのアイデアで、最高速や大きさの条件の調査や浮力計算などもされているプレゼンテーションでした。また、審査員の質問に対して、すぐに解決策を考えるとともに発表が終わっても考察する姿は、大変素晴らしく、問題を解決したいという想いを感じました。
今後は、乗り降りなどの実際に使用している場面を今以上に詳しく考察していくと、実現に向けたアイデアになっていくと思います。
▶︎ 審査委員
加藤 優(元自動車会社デザイナー)
デザインは格好良く、機能的なアイデアもたくさんで提案力がありました。 ただ位置が可変するクローラーなど実現性に疑問が湧くアイデアなど色々と盛り込みすぎとの感も受けました。 何より目的は高齢者の歩行困難への解決策でしたので、高齢者(足元がおぼつかない、杖も必要、眼も悪い、などなど)からの視点で考えると「どうやって乗り降りするの?」「運転・操作は出来る?」などの大変に重要な課題が残されていることに気がつくのではないかと思います(田中先生ご指摘のように)。
▶︎ 審査委員
永里 壮一(メカトラックス株式会社 代表取締役)
・高齢化から想起される課題(移動の問題)への説明がスムーズ、具体例も交えて良い
・道交法改正での移動用小型車の車両区分をターゲットにしたのはタイムリー
・はこぶね君のデザインがカッコよいし、機能的な印象
・オムニホイールとクローラーの併用は面白いが、ちょと機能を盛りすぎでは(水上走行は必要?)
・オムニホイールの機能説明は、実際のオムニホイールの動画などがあった方が良かった
・高齢者ターゲットだと、乗り降りが大変そうな。。。
▶︎ 審査委員
田名部 徹朗(株式会社 三松 代表取締役)
今回は伝統のパフォーマンスを削ってまでコンペに集中したことで更に注目させていただきました(笑)
まず、テーマ選定としましては、今後ますます増えてくる高齢者の課題と規制緩和で生み出されたが普及につながっていない移動用小型車を組み合わせることで、双方の課題解決を両立させているという点でもいい着眼をされたと思います。
また、すぐ導入できるバッテリー、クローラー等の技術は要素技術開発をあまり必要とせず本課題解決にすぐ適用できるということで実現性の高い発表となっていたと思います。 ただ、水中への対応など少し対応技術の領域を広げすぎアレもコレもとなってしまったために、逆に実現性を危惧する内容となってしまったことは否めず、課題解決の手段の選択をもっと絞ると良かったと思います。 最後に、来年はぜひ定番のパフォーマンスも行っていただき、優勝に花を添えるものとしていただければ嬉しいです。次回期待しています。