● 2023年 優秀作品・三松賞
▶︎ 作品名
ボール収集/運搬ロボット「CAT」
▶︎ チーム名
HY(宮崎大学)
▶︎ メンバー
早川 祐輔(宮崎大学工学研究科1年)
● 二次審査講評
▶︎ 審査委員長
筬島 修(一般社団法人九州経済連合会 産業振興部長)
たった一人での参加で障がい者スポーツと地元宮崎のまちづくりに貢献したいという、プレゼンでした。 パラスポーツを活性化させるため、我々ではなかなか気づかない障壁を、ある程度軽減できるかわいいロボットで、シンプルながら好感の持てるアイデアだと思いました。 宮崎の地域にも合致した、着眼点のよい提案でした。
▶︎ 審査委員
田中 久生(福岡市科学館 サイエンスコミュニケーター)
地域の政策やイベントについて調査したうえで、地域貢献も考えられていたと思います。また、デモ機の映像などもあり、プレゼンテーションに説得力がありました。想定されている操作方法で、タブレットやコントローラーなどもいいですが、ステックなどあまり複雑でない方法も必要ではと思いました。
▶︎ 審査委員
加藤 優(元自動車会社デザイナー)
障害者スポーツでのボール回収をテーマとした、地味に思えましたがスポーツをする障害者にとっては大変に助かる良い提案でした。 ボールの回収メカニズムのアイデアを試作品を作製して種々のボールで実験して確認している点が大変良かったし、取り付け角度にも十分な検討がされたのではないかと想像します。 猫が戯れるようにボールを回収するというアイデアは楽しいですね。 ただしボールボックスの昇降は機構が良くわからず必要性も疑問です。 回収メカニズムでボールを跳ね上げるので、猫の背中に直にボールボックスを背負ったデザインの方が可動部も少なくデザインとしても可愛く、面白くなったのではないかと思います。 一人にもかかわらず資料やモデルも丁寧に作製されていました。優秀賞、おめでとうございます。
▶︎ 審査委員
永里 壮一(メカトラックス株式会社 代表取締役)
・プレゼン資料が分かりやすく、デザインされていて良い
・障がい者スポーツが盛んな宮﨑ならではの内容で素晴らしい
・障がい者スポーツの介護者、付き添い者のフォローという視点が具体的で良い
・ボールの回収機構が具体的で、対象となるボールの特徴も調べられていて良い
・実際に実験も実施していて、素晴らしい
・回収ボックスの上昇機構も実現されていて親切
・メカナムホイールの傷対策など、細かい点にも配慮されている
・しっぽや手など猫の意匠を機能に活用していて良い
・ロボットの操作は自動化できるのでは?(リスクを低減させる方策を考えても良かったのでは)
・名称がダブルミーニングで良い
▶︎ 審査委員
田名部 徹朗(株式会社 三松 代表取締役)
準優勝おめでとうございます。 お一人でここまでの研究をされたことは本コンペでも初めての快挙であると思います。本当にお疲れさまでした。 まず、テーマ選定では高齢化社会への課題解決のために介護者に焦点をあてたこと。そして、宮崎で盛んな(まったく知りませんでした)障がい者スポーツでの課題解決に絞り、それを通じて宮崎自体の街おこしにまでつなげていこうという構想には頭が下がります。 課題分析と解決に必要な技術の抽出を行うにおいても、ボッチャをはじめとしたパラスポーツの様々な参加者の競技への関与フローを分析し、介護者だけでなく利用者にとっても快適なものは何かをきちんと見極めておられることからも、かなりの手間をかけた観察やヒアリングを実施されたことがうかがえました。 それを1人で行われたことには本当にびっくりしています。ぜひ地元宮崎のために実用化し、地域おこしにつなげていただればと思います。