● 2025年 佳作・SANMATSU社賞
▶︎ 作品名
水難救助要請ロボットタコール
▶︎ チーム名
誠(福岡大学大学院)
▶︎ コンセプト
本ロボット「タコール」は、水難事故発生時に投げ入れるだけで誰もが使える救助ロボットをコンセプトとしています。
ポイントは、8本のアームと頭部・胴体に備わっている多機能性です。胴体はサーモグラフィーやカメラなどで要救助者を捜索するための機能を持っています。4本の粘弾性アームは、要救助者に巻き付いたり、瓦礫につかまったりすることで、流れのはやい水場でも流されずに体を支えます。残りの4本の射出式アームは、要救助者の状況に応じて「浮力を得る」「地面に刺さり固定する」「酸素を供給する」という3つの役割を果たします。
特に注目してほしい点は、水害時における高度な安全確保機能です。粘弾性アームでの固定に加え、タコ頭自体がエアポンプで膨らみ、浮き輪として機能します。さらに射出式アームも浮力を得られるため、要救助者が水に沈むのを防ぎます。この状態で頭部が光と音で救助要請を行うため、捜索・安全確保・救助要請までを一台で完結できる高い対応力が強みです。
▶︎ メンバー
●橋本 謙信(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻修士1年)
池江 亮磨(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻修士1年)
井田 健太郎(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻修士1年)
今枝 那王(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻修士1年)
内山 陽斗(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻修士1年)
大川内 利来(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻修士1年)
周 智傑(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻修士1年)
田尻 凱士(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻修士1年)
安元 千隼(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻修士1年)
尾﨑 太一(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻修士2年)
白根 光樹(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻修士2年)
谷﨑 権秀(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻修士2年)
真崎 祐大(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻修士2年)
米安 哲史(福岡大学大学院工学研究科機械工学専攻修士2年)
● 二次審査講評
■ 審査委員長
筬島 修(一般社団法人 ツール・ド・九州)
誰でも使える水難救助ロボということで(その割には重いような気もしましたが)、形もかわいらしく、おぼれている人もパニックにならずに救助を受けられそうだ、というのが第一印象でした。延命措置機能までついており、これが実現できれば需要も多いのでは、と思えるアイデアでした。
■ 審査委員
田中 久生(福岡市科学館 サイエンスコミュニケーター)
機能がつまった夢のあるロボットを提案されて、私自身、このロボットが実現してほしいと思いました。
また、演劇も含めたプレゼンは、非常にわかりやすかったです。
ただ、7kgと重さを想定されているならば、投げ入れる以外にも方法を検討していただけると、より安全・安心につながるのではと思いました。
■ 審査委員
加藤 優(元自動車会社デザイナー)
溺れている人にはペットボトルを投げ入れるのが即時の対応として役に立つ・効果的であると水難事故の報道などで良く耳にします。それがタコールであれば、さらに確実に水難者の安全を確保し救助にまで繋げられるというコンセプトは、本当にあったらいいなと思う良い目の付け所だと思います。必要な機能についてもアイデアが出され、効率的な水中移動の解析とタコ足の動力学解析とともに提案はまとめられていました。しかし、①何らかの推進力で水難者までアプローチする、②水難者を確保(巻きつく)する、③水難者を浮かせる、という最初に大事な三つの大きな機能が成立するであろう躯体として、このデザインは十分に考えられたものなのかなという疑問をまず持ちました。タコからヒントを得た形状はコンセプトに合い、可愛いキャラクターも魅力的ですが、必要な機能/機構が躯体の中に成立し得るだろうかという観点での考察(パッケージングと言います)は十分だったのでしょうか。他にもボンベやエアポンプ、頭の二重構造、外側の幕が膨らみ浮き輪の機能をする、救助要請の光や音を発生する、AI・カメラ&ソナー・サーモグラフィなど、アイデアが盛り沢山ですね。各機能/機構の形状・大きさを把握しつつ全体の形/デザインを考えてゆく、そうしたプロセスを経ないと説得力のある設計/デザインは難しいと思います。ぜひ次回はトライしてみてください。
■ 審査委員
永里 壮一(メカトラックス株式会社 代表取締役)
・背景から、早期救助と二次被害の抑制までの流れがわかりやすい
・プレゼン資料は分かりやすい
・タコールの名称は分かりやすい
・価格の530100円は具体的だが、価格を出すならその価格にした根拠が欲しい
・酸素供給はなかなか難しそう
・粘弾性アームのコンセプトは面白そうだが、それらに様々な機能を持たせることができるか?
・寸劇は素晴らしい(衣装も素晴らしい)
・AIだとできるのかもしれませんが、もう少しロジックを丁寧に説明してほしかった
・理論計算やシミュレーションなど頑張ってるのは分かりますが、タコールの実現性との関連性が薄いと感じた
※やや、とってつけた感が強かった
■ 審査委員
田名部 徹朗(株式会社 SANMATSU 代表取締役)
SANMATSU賞受賞おめでとうございます。人命救助のロボット選定は本コンペでは最近にはないテーマで興味がわきました。デザイン性、命名でもわかりやすかった点は素晴らしかったです。技術的には、ちょっといろいろな機能を詰め込みすぎたため、実用化に向けてはハードルが高いのかなと感じてしまいました。AIで判断させる、溺れている人に投げて助けるなど、ところどころ無理な運用も想定されていた点など、さらなる検討課題と解決策を考えていかねばならないですね。ぜひもっと課題解決策をブラッシュアップされれば、すぐ優勝できるテーマと思いますので、めげずにがんばっていただきたいと思います。
■ 審査委員
佐藤 和明(小代商工株式会社 取締役 営業部長)
(準備中)