経営学特講（通信教育スクーリング）

2022年度　夏期スクーリング

【授業の概要と目的／到達目標】

近代社会において、我々は新製品の発明や開発を通じて豊かさを実現してきました。しかし、新製品の市場は時として独占が起こりやすく、競争がはたらかないために様々な問題が生じることがあります。良い市場には競争が不可欠であり、競争を維持するには適切なルールが必要であることが学術的にも経験的にも知られています。長年、アメリカでは、世界に先駆けて、豊かさやイノベーションの基盤として、競争ルールの在り方が模索されてきました。そして、アメリカの競争ルールの歴史は、アメリカのエンターテイメント産業の歴史とも重なります。この授業では、アメリカの競争法の概要を説明した後、アメリカ映画会社にまつわる裁判例を紹介し、エンターテイメント市場を事例に、競争の在り方について考察します。

過去の事例を通じて、良質な市場とは何か、良質な市場に必要な競争ルールの在り方とはどのようなものか、理解します。また、歴史・法・経済学の観点から、エンターテイメント産業における市場と競争について分析・考察する手法を身につけます。

【扱う事件とトピック】

1. MPPC事件（イノベーションと知的財産権）

2. パラマウント事件（垂直統合）

3. コムキャスト-GE合併事件（合併）

4. パラマウント・ラスキー事件（財の一山取引）

5. オリヴィア・デ・ハヴィランド事件（労働の一山取引）