ビンテージフルレンジだと、日本では業務系のWallユニット(ALTECの755や409の系統)の 人気が高いようですが、ドイツ製のフルレンジスピーカーも注目されるようになったようです。ここに紹介するドイツの楕円フルレンジスピーカーはホームユースを意識して設計されたもので、家庭内で音楽を聴く為には 非常に優れた性能を持っています。
このスピーカー、テレフンケンと言う名前を聞かなければ、ただの安物に見え、 よい音が出るとは、思えないのではないでしょうか?
このスピーカーは非常に音楽性の高い、反応の良い音を聞かせてくれます。 聴感上のレンジも非常に広く、1950~60年代の古い資料を読むと、アメリカのFM放送の帯域は上が10KHz、 欧州が15KHzで設定されており、欧州のほうがワイドレンジ。 当然、ラジオ用のスピーカーもより広帯域のものが必要とされたというのが背景の様です。
非常に軽い振動系を用い、絶妙なバランスをとったスピーカーであり、 強力な磁石と頑丈なフレームの物量投入型とは違う文化の元に発達したもの。私は、究極のハイファイフルレンジスピーカーの称号を、これらドイツ系の楕円型に与える。
Telefunken, Grundig, Lorenz, Isophon などがドイツ系のスピーカーユニットの 代表的メーカーででしょう。楕円型ユニットは、英国EMIなどにも見られるが、 ドイツ系とはまったく設計思想が異なるのが面白いです。
フレーム部分を共通化して、異なる仕様のマグネットを使用したものが、異なる会社から販売されていました。相互のOEM体制があったのか、スピーカーユニットを製造し、各社に販売するメーカーがあったのか。よく見かけるDEWというのは、磁石のメーカーだったようです。