あらゆる芸術が集まる場所。そして、唯一芸術を楽しめる場所として、CMRAの管理下の元に作られた人工都市でもある。
ノブレスは、かつては何の変哲もないのどかな町だった。
この時から汚染地帯に近い場所で魔物の被害が多かったため、自警団のような組織が存在していた。
そこまでしてでも、自然豊かな土地でもあるのを理由に、人々はこの町を守り続けたそう。
時は経て現代。 魔法規制機関によって、大っぴらな芸術がキャンバス全土で厳しく取り締まられるようになる。
しかし、ただ禁止するだけでは、大陸の民からの反発を買うことは当然予想される懸念事項であった。
そんな折、機関はノブレスに目を付ける。この時には、さすがに町だけの資金力では自警団も維持するのが精いっぱいな状況であった。
そこで、機関とメトロマギア政府が街を買い取り、ノブレスを一大都市に再開発し観光地化=経済を回すことでキャンバス大陸のバランスを保つことを画策。そして、”組織&政府公認”という形で自由に芸術を行える場所を提供することにする。
それが現在のノブレスで、芸術家を一か所に集めることで管理もしやすくなった。
その後、元居た住民には資金やポストを用意し街を管理させ「観光都市ノブレス」として独立、自警団には手厚い援助を行い「パルチザン」として都市の警備を一任させる。一定の利益をメトロマギアに還元するようにすることで、機関と政府はほぼ人的負担を抱えずに莫大な利益を生むことに成功するのである。
この政策に納得した芸術家たちが、今現在ノブレスにいるわけだが、そのかわり、一度ノブレスの市民になると、芸術の拡散を禁止している以上、基本的にはノブレスから出ることは認められない。認められるとすれば、芸術を完全に捨てることを迫られるだろう......
もっとも、わざわざ出る必要が芸術家たちにはないわけだが。
逆に、それでも完全な自由を求めて抗議し続ける人々もいる。それがメトロマギアを中心に活動を続けるレジスタンスたちである。
ノブレスの芸術家たちと、それ以外の”違法な”芸術家たちとでは明確な隔たりがあると言ってもいいだろう。
ノブレスに隣接するのは死滅地帯。ここでは危険な魔物や人外化した生物が闊歩し、時にノブレスに近づいてくる。
そのため、自警団なくしては街の安全は成り立たない状況でもある。