報告】(2024.6.18) 令和年度 日本物理教育学会東北支部 総会 及び 特別講演会 が開催されました

「令和6年度 日本物理教育学会東北支部 総会 及び 特別講演会」が、令和6年6月15日(土)宮城教育大学にて、対面12名、オンライン2名の参加のもと開催されました。青森、秋田、山形、福島からも対面で参加いただきました。参加いただいた皆様、有難うございました。

 なお、総会議案において、次の訂正・追加がありますのでお知らせいたします。

議案第二 ◎支出の部 2.刊行費 ア.印刷製本費 東北物理教育第32号 → 第33号

議案第 ◎支出の部 2.刊行費 ア.印刷製本費 東北物理教育第33 → 第34

議案第 編集理事 能代谷賢治 備考欄に「新規」を追加

     親学会関係 評議員に 赤城達弥 千葉惇 を追加


 また、特別企画の東北大学大学院理学研究科物理学専攻 吉澤雅幸 教授 による「国際物理オリンピック2023日本大会 実験課題の紹介」では、国際物理オリンピックの概要紹介2023日本大会の実験課題説明の後、参加者が実物を用いて課題を体験しました。課題の具体的な内容や課題作成上の細かな工夫などを直に感じることができる貴重な時間となりました。吉澤先生に感謝申し上げます。

 夕方には懇親会が持たれ、有意義な歓談、情報交換の場となりました。


吉澤先生の講演

キッブルバランス関連実験

輪ゴムの使い方に工夫が

複屈折を利用した厚さ測定

【お知らせ】(2024.5.31) 令和6年度 日本物理教育学会東北支部 総会 及び 特別講演会

 令和6年度 日本物理教育学会東北支部 総会 及び 特別講演会 を、下記のとおり開催いたします。詳細は支部通信第125号(5月27日発送)でお知らしたとおりです。総会の出欠・委任状及び住所・勤務先変更等を同封の用紙(次のリンクからダウンロードできます)にてFAXまたはメールでご連絡ください。(〆切:6月13日(木))

総会等参加申込書(PDF)

FAX:022(221)5628 メール:office.pesjtohoku@gmail.com

なお、総会参加につきましては対面とオンラインのどちらでも可能ですが、総会後の特別企画でもオンラインを継続するか現在検討中です。継続する場合でも、その内容の特性上十分満足いただける運用ができないことも想定されます。どうかご了承ください。


1 日 時:

令和6年6月15日(土) 13:30~


2 会 場:

宮城教育大学 理科学生実験棟2F

仙台市青葉区荒巻字青葉149

連絡先:宮城県仙台第二高等学校

井上 清


3 日 程:

13:00~ 受 付

13:30~14:20 支部総会

14:30~16:30 特別企画

「国際物理オリンピック2023日本大会 実験課題の紹介」

東北大学大学院理学研究科物理学専攻

吉澤 雅幸 教授

16:30 閉 会


4 総会議案:

(1) 議案第一 令和5年度 事業報告 (事務局)

(2) 議案第二 令和5年度 会計報告 (会計理事)、監査報告 (監事)

(3) 議案第三 令和6年度 事業計画案 (事務局)

(4) 議案第四 令和6年度 予算案  (会計理事)

(5) 議案第五 令和6年度役員について (事務局)

(日本物理教育学会関係委員も含む)

(6) その他

① 第39回東北支部研究大会(郡山大会)について

② 実験講習会について

③ その他


5 懇親会のお知らせ

総会終了後、18:30頃より仙台市内会場で懇親会を行います。事前の申込みをお願いします。

【お知らせ】(2024.4.5) 「東北物理教育」(第33号)を発行いたしました

会員の皆様にお送りいたしました。投稿いただいた皆様に感謝申し上げます。

 


【寄 稿】

量子力学の基礎から量子コンピュータの原理まで

有限会社 FIELD AND NETWORK 遠藤 理平


【研 究】

高等学校における超伝導体作製を目指して(2)

宮城教育大学大学院教育学研究科 千葉 丈翔・内山 哲治

吸水性ポリマーを用いた光の屈折実験教材の開発と実践

宮城県仙台東高等学校 能代谷 賢治

学生実験「コイルがつくる磁界」の誤差原因の究明

一関工業高等専門学校技術室 佐藤 昌也

力学の授業におけるグループワークの実践例とその教育的意義

一関工業高等専門学校 谷川 享行

検流計用1000倍アンプ

宮城大学非常勤講師 藤原 昇

Electrostatic Polarity Detector の製作

元青森県立高等学校 野呂 茂樹・宮城大学非常勤講師 藤原 昇

インストラクショナルデザインを用いた演示実験授業の設計と実施

青森県立八戸工業高等学校電子科 小野寺 力

教卓上で実施できる演示実験教材の製作

青森県立八戸工業高等学校電子科 小野寺 力

生徒の誤解を解く指導

福島県立須賀川桐陽高等学校 阪路 裕

科学とヒューマニズム ー武谷三男の思想から学ぶこと一

元福島県立田村高等学校 八巻 俊憲

v-x 連続測定器を用いた弾性力による力学的エネルギー保存の検証実験

堀込 智之


【報 告】

「青少年のための科学の祭典2023」八戸大会報告


【報告資料】 【投稿規定】 【研究発表会ローテーション】

【投稿票】 【会則・細則】 【支部役員名簿】 【入会案内】 【編集後記】

【お知らせ】(2023.12.17) 「東北物理教育」(第33号)原稿募集のお知らせ

 本会の機関誌である 「東北物理教育」(第33号)の原稿を募集いたします。会員の皆様、 奮ってご寄稿くださいますようお願い申し上げます。

1 原稿提出締め切り
令和6年3月2日(土)

2 原稿提出先
宮城県仙台第二高等学校  井上 清

〒980-8631 仙台市青葉区川内澱橋通1
TEL 022-221-5626  FAX 022-221-5628
E-mail office.pesjtohoku@gmail.com

※投稿票、様式は「投稿規定・様式など」のページをご参照ください。 

【報告】(2023.12.17) 日本物理教育学会東北支部 第38回研究大会 が開催されました

令和5年11月25日(土) 宮城県仙台第二高等学校 北陵館 発表件数7件

 第38回となる東北支部の研究大会が仙台第二高校を会場として開催されました。当初宮城教育大学を予定していましたが、事務局の確認不足により当日は会場が使用できないことが判明し、変更となりました。参加者は、会場参加19名、オンライン参加4名の計23名でした。

 特別講演として、有限会社FIELD AND NETWORKの遠藤理平氏より「量子力学の基礎から量子コンピューターの原理まで」と題してお話をいただきました。講演では、量子コンピューターの基礎原理である、「量子ビット」「量子ゲート」「量子もつれ」を量子力学の基礎方程式であるシュレディンガー方程式を用いてどのように実現することができるかを分かりやすい動画と詳細なシミュレーションを交えて説明していただきました。また、特定非営利法人natural scienceの大草芳江様にも来場いただき、起業の際の話や、東北大学を会場に開催される「サイエンスデイ」の意義や実績、「科学・技術の地産地消」という理念についてお話を頂きました。

 個人発表は7件でした。今回は、若手の学生・教員、中堅の教員に加え、長年物理教育に携わってこられたいわゆるベテランの方々からの発表もあり、年齢や経験年数に関わらずいつまでも物理教育に対する熱い思いを持ち続けることの大切さも学ぶことができたと思います。懇親会では、都合により日中に参加できなかった方も加わり、これまでにない大人数の参加者で大いに盛り上がりました。参加された皆様、ありがとうございました。


第38回物理教育研究大会日程およびプログラム

令和5年11月25日(土)

12:00 受付(12:15 zoom接続)

12:30 開会
・挨   拶  支部長  内山 哲治(宮城教育大学)
・報告、連絡

12:40 特別講演
「量子力学の基礎から量子コンピューターの原理まで」
有限会社 FIELD AND NETWORK  遠藤 理平 氏

座長 <内山 哲治(宮城教育大学)>

(休憩 20分)

14:30 一般講演(各20分 質疑応答含む)
座長 <加藤 徳善(東北大学高度教養教育・学生支援機構)>

1.学生実験「コイルがつくる磁界」の誤差原因の究明
一関工業高等専門学校 佐藤 昌也

2.力学の授業におけるグループワークの実践例とその教育的意義
一関工業高等専門学校 谷川 享行

3.Electrostatic Polarity Detectorの製作と静電気に関する話題
元青森県立高等学校 野呂茂樹、宮城大学 藤原 昇

4.科学とヒューマニズム ―武谷三男の思想から学ぶこと―
元福島県立田村高等学校 八巻 俊憲

(休憩 10分)

座長 <藤原 昇(宮城大学)>

5.V-X連続測定器を用いた弾性力による力学的エネルギー保存の法則の実験
元宮城県公立高等学校 堀込 智之

6.高等学校における超伝導体作製を目指して(2)
宮城教育大学大学院教育学研究科 千葉 丈翔、内山 哲治

7.吸水性ポリマーを用いた高校物理光学分野の授業実践
―糖度と屈折率の関係の理解を目指して―
宮城県仙台東高等学校 能代谷賢治

17:00 連絡、閉会


研 究 発 表 要 旨

1.学生実験「コイルがつくる磁界」の誤差原因の究明

一関工業高等専門学校 佐藤 昌也

 著者は、昨年度(令和4年度)から、一関高専未来創造工学科(電気・電子系)3年で開講している電気情報工学基礎実験Ⅱで、「コイルがつくる磁界」の実験を指導している。この実験では、学生に円形コイルに一定電流を流した時に発生する磁界(実際は磁束密度)を測定させている。4つの異なる直径のコイルのうち、最も大きい直径212mmのコイルの磁束密度の測定値が、理論値と大きくかけ離れていた。前任の担当教員も原因がわからず、今回、原因の調査を試みたところ、コイルの巻き数が間違っていたことが判り、巻き直して理論値通りの測定値が得られた。原因の調査は、始め、同一巻き数の各コイルの巻き線抵抗を測定し、不具合のあるコイルだけ、予測値より抵抗値が大きいことを確認した。その後、不具合のあるコイルに導線を新たに同じ回数重ね巻きし、同一電流で磁束密度を測定したところ理論値とほぼ一致し、巻き数が間違えていることを特定した。本稿では、それらの経緯について報告する。

2.力学の授業におけるグループワークの実践例とその教育的意義

一関工業高等専門学校 谷川 享行

 一関高専2年の物理(力と運動)の授業において年に3回グループワークを行っている。本発表では、初歩的な物理の授業におけるグループワークの取り組みを紹介し、その過程で得られた教育的意義について考察する。

 物理の学習過程における大きな壁として「誤概念」が知られている。この誤概念とは、日常生活の中で感覚的に自然と獲得される物体の運動に関する誤った概念であり、長時間の学習を経ても払拭するのは難しいとされている。

 そこで、学習者同士の話し合いにより誤概念を克服することを目指し、日常的だが直観と反するような誤概念を想起しやすいテーマを中心にしたグループワークを実施したので、それらのテーマや実施方法について紹介する。

 また認知心理学における「スキーマ」をキーワードとして、物理教育の過程で身につきがちな能力(知識)と実際に望まれる能力について比較・考察したのでそれを報告する。

3.Electrostatic Polarity Detectorの製作と静電気に関する話題

元青森県立高等学校 野呂茂樹、宮城大学 藤原 昇

 様々なサイトで紹介されている静電気の正負を LED の点灯で判別する「静電気チェッカー」を製作してみた。だれでもが簡単に製作できるブレッドボードタイプと LED の点灯がはく検電器の「はくの開き具合」のように動作する 2 つのタイプを紹介する。併せてこの機器を用いた静電気の実験についても紹介する。

 後半は、野呂がこれまでに HP「しげさんの科学工作&マジック」で紹介してきた静電気に関する実験のいくつかを紹介する(時間があれば)。

4.科学とヒューマニズム ―武谷三男の思想から学ぶこと―

元福島県立田村高等学校 八巻 俊憲

 武谷三男(1911~2000)は、京都帝国大学理学部を卒業後、湯川秀樹や坂田昌一等と中間子論の共同研究を行い、理化学研究所での原爆研究にも参加した。他方、独自の科学論や技術論を創出し、戦後の科学運動、民主化運動に貢献した。その思想は、自然科学や技術の分野を超えて、哲学、社会科学、政治、芸術、教育などに及び、戦後日本社会のオピニオンリーダーのひとりと目された。原水爆や原子力利用についても積極的に発言し、晩年には現代技術の問題を鋭く批判した。

 大会では、発表者が東京工業大学大学院で行った研究をもとに、武谷三男の科学技術思想について紹介し、特に彼が主張した科学とヒューマニズムの一体性について考察する。武谷は「科学者はそれ自身として本質的にヒューマニスティックなものであるといわねばならない」と述べている。科学とヒューマニズムを切り離して考えがちな現代の科学観および教育との関連において論じたい。 

5.V-X連続測定器を用いた弾性力による力学的エネルギー保存の法則の実験

  元宮城県公立高等学校 堀込 智之

 ビースピを直列に並べた速度測定器(V-X連続測定器)を使って力学滑走台上をバネによって振動する物体の速度を計り運動エネルギー、位置エネルギー、力学的エネルギーを求めたところ、きれいに力学的エネルギーが保存されたので報告する。

6.高等学校における超伝導体作製を目指して(2)

宮城教育大学大学院教育学研究科 千葉 丈翔、内山 哲治

 我々は、高等学校での課題研究のテーマの一つとして超伝導が有効であると考え、高等 学校で超伝導体を作製する方法を検討している。今回は、昨年の発表時に課題として取り 上げたアルカリ金属水酸化物(AMH)による実験器具の劣化や作成に関わる費用面の負担に 注目して、腐食耐性のあるるつぼとメッケルバーナーを用いて超伝導原料粉末を合成する 方法を試みた。その結果、温度が 850℃付近で安定するように火力を調整し1時間ほど加熱 することで、超伝導転移が見られる薄膜を作製することができた。この方法によって、消耗 品や加熱装置にかかる費用が軽減されるため、高等学校へ導入しやすくなると考えられた。 しかし、火力の高いバーナーを1時間ほど点火したままにするため、現段階で高校生が実 験を行うには危険が大きいと考えている。そのため、加熱時間を短くしたり防火できる実験環境を整えたりする必要がある。また、現段階ではゼロ抵抗が確認できていないため、更なる改良が求められる

7.吸水性ポリマーを用いた高校物理光学分野の授業実践

 ―糖度と屈折率の関係の理解を目指して―  

宮城県仙台東高等学校 能代谷賢治

 光の性質に関する学習は学習指導要領上の位置づけにおいて、中学校第1学年および高等学校 「物理」で取り扱われることとされている。しかしながら、所属校では「物理」が第 3 学年で履 修されている現状にあり、光学分野の学習には約 5 年間の隔たりがある。本実践では光の性質を 屈折率の考え方を用いて理解させるために、吸水性ポリマーを用いた生徒実験を行う授業実践を 行った。生徒実験では、水と屈折率がほぼ等しい吸水性ポリマーを水に入れたときの様子と、水 よりも屈折率の大きい砂糖水に入れたときの様子を比較した。本実践後に、上層の砂糖水から入 射された光が下層の吸水性ポリマーとの境界面で屈折する様子を図示する課題を生徒に対して提 示したところ、85%の生徒が屈折角の方が入射角よりも小さくなるように図示していた。講演では 、生徒が光の屈折現象を理解する難しさとその原因の考察を、課題の結果をもとに述べる。


【終了しました】(2023.12.11) 日本物理教育学会東北支部 第38回研究大会 発表・参加申し込みのご案内

1 日  時:

令和5年11月25日(土)
12:00 受 付
12:30 開会式(報告・諸連絡含む)

特別講演「量子力学の基礎から量子コンピューターの原理まで」
有限会社 FIELD AND NETWORK 代表取締役 遠藤 理平

      一般発表
17:15 閉 会
(懇親会(仙台市内))

2 会  場:

宮城県仙台第二高等学校 北陵館
仙台市青葉区川内澱橋通1
(オンライン(zoom)参加あり。ただし発表は会場のみ。)

3 発表申込:

【発表申請票】にご記入の上、「発表要旨」(400文字程度)と共にお送り下さい。
(発表申込期限)令和5年11月7日(火)
※発表申し込みの方も必ず参加申し込みをして下さい。※発表は会場のみです。
発表・参加申し込み様式等(Word形式・ダウンロード・Edge等をご利用ください)
発表・参加申し込み様式等(PDF形式・ダウンロード)

4 発表時間:15分(質疑応答含む)

5 発表資料:

発表者はA4判、縦長、横書きに統一したWord形式原稿を、令和5年11月19日(日)までにメール添付等にて事務局までお送り下さい。
メール添付が難しい場合にはご相談下さい。
様式等ダウンロードは投稿規定・様式などのページから

6 参加申込:電子メールでの申し込みにご協力ください。

(参加申込期限)令和5年11月19日(日)
※FAXの場合は添付の【参加申し込み票】をご利用ください。
発表・参加申し込み様式等(Word形式・ダウンロード・Edge等をご利用ください)
発表・参加申し込み様式等(PDF形式・ダウンロード)

7 申込・提出・問合せ先

事務局 宮城県仙台第二高等学校  井上 清
〒980-8631 仙台市青葉区川内澱橋通1
TEL:(022)221-5626  FAX:(022)221-5628
e-mail:office.pesjtohoku@gmail.com (変更になりました)

8 その他


問い合わせ

 事務局:宮城県仙台第二高等学校内  井上 清

電子メール:office.pesjtohoku@gmail.com

     〒980-8631 宮城県仙台市青葉区川内澱橋通1 TEL:(022)221-5626  FAX:(022)221-5628