日本物理教育学会 東北支部
Tohoku Branch of the Physics Education Society of Japan
ここは日本物理教育学会東北支部のウェブサイトです。
このサイトでは東北支部の活動について紹介し、お知らせや報告を掲載しています。
What's new!
日本物理教育学会 東北支部
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期 日:令和 7 年 12 月 13 日(土)
会 場:福島県立安積中学校・高等学校 高校棟物理実験室
福島県郡山市開成5 丁目25-63 TEL:024-922-4310
目 的:
物理の授業で実施して欲しい定番の実験を普及させる
実験指導のコツやノウハウを伝えることを通して自信と意欲を持ってもらう
物理教員の世代交代による若手教員の孤立化を防止する
将来物理教員を目指す学生には物理実験の基本的な考え方や技術を学んでもらう
主 催:日本物理教育学会東北支部
共 催:日本物理学会東北支部(申請中)、物理教育研究会(APEJ)、福島県高等学校教育研究会理科部会県南支部
後 援:福島県教育委員会
対 象:現職の物理(理科)教員、物理(理科)教員を志望する大学生 他
定 員:20 名(申込み先着順)
日 程:
10:30 受付
11:00 開会行事
11:15 実験開始(各テーマ45 分、5 人グループで 5 テーマ実施)
(12:00-12:40 昼休み:「物理チャレンジ」実験課題の紹介)
16:30 閉会行事
実験項目:
①電磁誘導 ②運動の法則 ③スマホの活用 ④静電気の実験 ⑤光の回折と干渉 (※実験項目は変更の場合あり)
講 師:増子 寛(元麻布中・高校)、他東北地区大学・高校物理教員
参加費:一般 2,000 円 学生1,000 円 (静電気実験材料費含む)
申し込み:10 月15日以降下記より申し込んでください。
https://forms.gle/qGiAB7cZfmj5MBuX8
その他:昼食時間を取ります。昼食は各自で用意してください。
事務局:福島県立安積中学校・高等学校内 千葉 惇(chiba.atsushiアットfcs.ed.jp)アットはアットマークに変えてください。
福島県での開催は平成 28 年(2016 年)第 4 回以来 9 年ぶりになります。講習は講義形式ではなく、参加者は小人数に分かれて生徒になったつもりで実際に実験を体験します(生徒実験の授業のように)。インストラクターも現場の教員ですので、気軽に質問や意見交換ができるように配慮しています。実験の操作だけでなく、授業の中での実験の位置づけや準備のこつや生徒の反応への対応などもお伝えします。また、昔から『定番』と云われていた実験機器が、近年 ICT 化された商品として多数販売されるようになりました。そのような実験も取り入れています。昼休みを利用して今年の「物理チャレンジ」の実験課題を物理チャレンジ委員の先生から紹介していただく企画もあります。
実験になじみの薄い先生方、若手の物理教員の方、また物理を専門としない教員で物理の授業を担当されている方、理科教員を目指す学生の皆さんも大歓迎です。多くのみなさんの参加をお持ちしております。
1 日 時:
令和7年11月29日(土)
12:00 受 付
12:30 開会式(報告・諸連絡含む)
特別企画「物理オリンピック日本委員会プレチャレンジ(豊田理研支援)に東北地区の高校生が挑む」
15:00 一般講演
17:00 閉 会
(懇親会(仙台市内))
2 会 場:
宮城県仙台第二高等学校 北陵館
仙台市青葉区川内澱橋通 1
3 発表申込:
Google フォームでの申し込みとします。
URL: https://forms.gle/W37dEgdmTYZUwhgk8
Google フォームでの申し込み後、「発表要旨」(400 文字程度)を下記申込先までお送り下さい。
発表申込期限: 令和7年11月11日(火)
発表資料:発表者は A4 判、縦長、横書きに統一した Word 形式原稿を、令和7年11月22日(土)までに メールにて事務局までお送り下さい。
様式等ダウンロードは投稿規定・様式などのページから
メール添付が難しい場合にはご相談下さい。
4 発表時間:15分(質疑応答含む)
5 参加申込:発表申込と同じ Google フォームでの申し込みとします。 参加申込期限 令和7年11月22日(土)
6 申込・提出・問合せ先
事務局 宮城県仙台第二高等学校 井上 清
〒980-8631 仙台市青葉区川内澱橋通1
TEL:(022)221-5626 FAX:(022)221-5628
e-mail:office.pesjtohoku(at)gmail.com ※ (at) は @ に置き換えて下さい。
8 その他
各種様式は東北支部のHPでダウンロードしてください。
できる限り地下鉄等の公共交通機関にて来場ください。
昼食は事前に済ませてください。。(会場から徒歩3分の場所にコンビニがあります。)
今回は大会前の理事会は開催しません。
ポスター発表はありません。
今後の連絡は、メールまたは東北支部のHP上で行います。
※特別企画について
今年度よりプレチャレンジが豊田技研の支援によって新しくなることから、詳細についてはこれから詰めていく段階となっております。おおむね昨年度の第 39 回大会のような流れになるとお考え下さい。
※予稿原稿は「東北物理の投稿原稿執筆要項」に準じてください。
A4 判(縦長)の用紙2ページ以内に、2段組で横 22 文字、縦 42 行程度、マージンは上 23mm下25mm左右 21mmの余白が出来るように作成。1段組も可とする。図、表、写真がある場合は適切に配置し MS ワード形式(または、その互換形式)の予稿原稿をメール添付等でお送り下さい。MS ワード形式が難しい場合は、事務局にご相談下さい。
※予稿原稿は11月11日(火)必着にて事務局宛に送ってください。もし間に合わない場合には予稿A4判2頁の写しを30部会場に持参してください。
※何らかの事情により Google フォームでの申し込みが難しい場合は、電子メールに、①会員番号 ②氏名 ③発表題(発表希望者のみ) ④演示実験を含むか(同左) ⑤所属 ⑥電話番号 ⑦懇親会参加希望の有無 を記載して事務局あてに送信してください。
※出来る限り Google フォームでの申し込みにご協力をお願い致します。
会員の皆様,東北支部メーリングリストへご登録いただきありがとうございます。
8月22日に事務局からメーリングリストによりお知らせメールを配信しておりますが,ある会員の方から,迷惑メールに分類されていたとのご報告がありました。つきましては,配信メールをご覧になっていない場合,迷惑メールフォルダに入っていないかをご確認ください。また,メーリングリストへのご登録がまだの会員の皆様につきましては,必ず手続きをお願い申し上げます。(下記登録用フォームでできます)
※ パスワードの入力が必要となります。パスワードは依頼文書に記載されていますのでご確認ください。
もし、上記URLにアクセスができない場合や登録ができない場合は、次の内容を支部事務局にお知らせください。
会員番号
氏名(姓と名の間を1文字空ける)
登録用メールアドレス
ご意見等
個人情報の使用について (提供いただいた個人情報は厳密に管理いたします。)
承認の有無
事務局メールアドレス:office.pesjtohoku(at)gmail.com ※ (at) は @ に置き換えて下さい。
登録用フォーム
QRコード
「令和7年度 日本物理教育学会東北支部 総会 及び 特別講演会」が、令和7年6月28日(土)宮城教育大学にて開催され、総会議案がすべて承認されました。参加いただいた皆様、有難うございました。
また、退官記念特別講演として、東北大学名誉教授 吉澤雅幸 氏に「装置開発40年 -分光研究と物理教育-」と題してご講演をいただきました。先生の生立ちやこれまでの研究、物理オリンピックや物理教育への関わりなど、示唆に富む興味深いお話でした。感謝申し上げます。
夕方には懇親会が持たれ、有意義な歓談、情報交換の場となりました。
吉澤先生の講演の様子
支部通信 第128号とともに標記の依頼文書をお送りいたしましたが、日本物理教育学会東北支部ではこの度、支部通信の発送にかかる事務作業の軽減と経費の節減を主な目的として、支部通信をメーリングリスト(以下「ML」)によるメール配信とすることにいたしました。つきましては下記のURLよりMLに登録するメールアドレスを事務局までお知らせいただくようお願いいたします。集約の進捗状況にもよりますが、次回9月頃発送の第129号よりこちらのMLでの配信を開始する予定でおります。なお、すでに東北支部のMLに登録していただいている方も改めてそのアドレスでの報告をお願いします。
お手数をおかけいたしますが、メーリングリストの活用による支部活動のさらなる活性化のため、ご理解とご協力をお願いいたします。
問い合わせ
事務局:宮城県仙台第二高等学校内 井上 清
電子メール:office.pesjtohoku(at)gmail.com ※ (at) は @ に置き換えて下さい。
〒980-8631 宮城県仙台市青葉区川内澱橋通1 TEL:(022)221-5626 FAX:(022)221-5628
2025年3月31日に発行いたしました「東北物理教育 第34号」の5番目の論文「いろいろなレールスプリッター回路」において、著者から一部訂正の依頼がありましたので下記のとおりお知らせいたします。
19ページ「 2.5抵抗で電圧を分割し・・・」の部分で使ったオペアンプがTL071となっていますが、正しくはOP07でしたのてご訂正ください。
令和7年度 日本物理教育学会東北支部 総会 及び 特別講演会 を、下記のとおり開催いたします。詳細は支部通信第128号(5月28日発送)でお知らしたとおりです。総会の出欠・委任状及び住所・勤務先変更等をメールまたは同封の用紙(次のリンクからダウンロードできます)にてFAXでご連絡ください。(〆切:6月26日(木))
FAX:022(221)5628 メール:office.pesjtohoku(at)gmail.com ※ (at) は @ に置き換えて下さい。
記
1 日 時:
令和7年6月28日(土) 13:30~
2 会 場:
宮城教育大学 理科学生実験棟2F
仙台市青葉区荒巻字青葉149
連絡先:宮城県仙台第二高等学校 井上 清
3 日 程:
13:00~ 受 付
13:30~14:20 支部総会
14:30~16:30 退官記念特別講演
「装置開発40年 -分光研究と物理教育-」
東北大学名誉教授 吉澤 雅幸
16:30 閉 会
4 総会議案:
(1) 議案第一 令和6年度 事業報告 (事務局)
(2) 議案第二 令和6年度 会計報告 (会計理事)、監査報告 (監事)
(3) 議案第三 令和7年度 事業計画案 (事務局)
(4) 議案第四 令和7年度 予算案 (会計理事)
(5) 議案第五 令和7年度役員について (事務局)
(6) その他
① 第40回東北支部研究大会(仙台大会)について
② 実験講習会について
③ その他
5 懇親会のお知らせ
総会終了後、18:00より仙台市内会場で懇親会を行います。今回は吉澤先生の退官記念祝賀会となります。事前の申込みをお願いします。
先日「東北物理教育 第34号」と一緒にお送りした「会費納入状況のお知らせ」について、一部の方に誤りがありました。該当の方には事務局から連絡をいたしましたが、まだの方は事務局までメールにて連絡を頂ければと思います。正しい状況をお知らせいたします。該当の方は「2024年4月1日~4月30日の間に郵便振り込みで会費を納入した方」です。よろしくお願いいたします。
会員の皆様にお送りいたしました。日々の教育活動等にご活用いただければと存じます。
ご投稿いただいた皆様に感謝申し上げます。
目 次
【研 究】
学生実験「電磁鋼板を用いた磁化特性(B-H特性)とヒステリシスループの測定」の紹介
一関工業高等専門学校技術室 佐藤 昌也
学生実験・探究活動に向けての実験をいかに簡便かつ安価に行うか
宮城教育大学大学院教育学研究科 内山 哲治
千分の一秒ストップウォッチを利用した計時結果の不確かさ評価
八戸工業大学基礎教育研究センター 川本 清
アマチュア無線 FT8の世界
宮城大学非常勤講師 藤原 昇
いろいろなレールスプリッター回路
元山形県立高等学校 鈴木 秀明
教科の垣根を越えて
元福島県立高等学校 阪路 裕
理科部の課題研究及び一般クラス探究活動の指導実践と改善
福島県立安積高等学校 千葉 惇
インストラクショナルデザインを用いて設計した演示実験授業における動機づけ
青森県立八戸工業高等学校電子科 小野寺 力
速度と距離から加速度を求める自由落下とアトウッドの実験
元宮城県立高等学校 堀込 智之
科学と社会を結ぶ教育とは
元福島県立田村高等学校/郡山市立桜小学校 八巻 俊憲
【報 告】
「第9回高校物理の授業に役立つ基本実験講習会in東北(秋田)」報告
秋田県立鹿角高等学校 奈良 旬平
第39回大会をきっかけに行った実験会の報告
秋田県立鹿角高等学校 奈良 旬平
「青少年のための科学の祭典2024」八戸大会報告書
【報告資料】【研究発表会ローテーション】【支部役員名簿】
【投稿規定】【投稿票】【会則・細則】【入会案内】【編集後記】
東北支部副支部長の 吉澤 雅幸 教授 の最終講義が下記のとおり開催予定ですので,お知らせいたします。
日時:2025年3月7日(金) 15:00 – 16:30
講義題目:装置開発40年 -フェムト秒レーザーから物理オリンピックまで-
関連WebページURL:https://www.phys.tohoku.ac.jp/cat_jp/post-3312/
予約なしでどなたでも聴講できます。
本会の機関誌である 「東北物理教育 第34号」の原稿を募集いたします。会員の皆様、 奮ってご寄稿くださいますようお願い申し上げます。
1 原稿提出締め切り
令和7年3月1日(土)(1月8日に発送した支部通信第127号では令和6年となっていますが、令和7年にご訂正ください。)
2 原稿提出先
宮城県仙台第二高等学校 井上 清
〒980-8631 仙台市青葉区川内澱橋通1
TEL 022-221-5626 FAX 022-221-5628
E-mail office.pesjtohoku(at)gmail.com ※ (at) は @ に置き換えて下さい。
※投稿票、様式は「投稿規定・様式など」のページをご参照ください。
令和6 年11 月23 日(土) 福島県立安積高等学校 発表件数6 件
第39 回となる東北支部の研究大会が安積高校を会場として開催されました。参加者は、会場参加23 名、実験講座参加の高校生・大学生が24 名の計47 名と大人数でした。仙台第二高校・安積高校・福島高校・東北大学・宮城教育大学の学生が参加しました。特別講演として、東京大学名誉教授の早野龍五氏より「国際物理オリンピック2023 日本大会実験課題の紹介」と題してお話をいただきました。講演では、理論問題・実験問題の作問の苦労や当日の運営における各国代表とのやりとりまで、とても興味深い話を伺いました。その後、特別企画「東北地区の高校生・大学生チームが物理オリンピック実験課題に挑む」において、実際に実施された実験課題とキットを用いて、学生と一部の教員がどちらかの課題に挑む時間を取りました。実験1「質量測定」は電磁誘導と輪ゴムによる単振動を用いた単純な装置を元におもりの質量を測定すること、実験2「複屈折」は複屈折現象を利用して結晶の厚さを測定することがテーマでした。ともに実験装置を組み立てるところから始まり、実験データのまとめ方や表現まで行わないといけないので、特に高校生にとっては新鮮であり、興味深かったようです。その後2 時間程度学生交流会を開き、実験の感想を言い合い、早野先生と東北大学吉澤雅幸先生による採点と助言をいただきました。
実施後高校生に行ったアンケートでは全員が高評価をしてくれました。来年の物理チャレンジへの思いが強まった、必要な勉強のレベルと実験のスキルを知ることができた、というコメントが多かったです。教員側も学生の取り組む様子から、物理オリンピック及び国内予選の物理チャレンジの魅力を知り、実際の授業で生かす方法について学ぶ機会となったと思います。
個人発表は6 件でした。今回も昨年に引き続き、中堅の教員に加え、ベテランの方々からの発表が多数あり、興味・関心のある分野へのあくなき挑戦の姿勢を学ぶことができました。懇親会では、特別企画に参加した学生のうち成年に達している学生も加わり、若い世代との意見交換も実現し、有意義な会となりました。参加された皆様、ありがとうございました。
早野先生の講演
高校生チーム、奮闘
大学生チームは事前準備周到
皆さんよく頑張りました
【日程及びプログラム】
日時:令和6(2024)年11月23日(土)
会場:福島県立安積高等学校
12:00 受付
12:30 開会
・挨 拶 支部長 内山 哲治(宮城教育大学)
・報告、連絡 (井上 清、千葉 惇)
12:40 特別講演 「国際物理オリンピック2023 日本大会実験課題の紹介」
東京大学名誉教授 早野 龍五 氏
座長 <内山 哲治(宮城教育大学)>
13:10 特別企画 「東北地区の高校生・大学生チームが物理オリンピック実験課題に挑む」
15:20 一般講演 (同時進行:特別企画参加学生交流会)
座長 <加藤 徳善(東北大学)>
1.速度と距離から加速度を求める自由落下とアトウッドの実験
元宮城県公立校等学校 堀込 智之
2.学生実験「電磁鋼板を用いた磁化特性(𝐵 − 𝐻 特性)とヒステリシスループの測定」の紹介
一関工業高等専門学校 佐藤 昌也
3.アマチュア無線 FT8 の世界
宮城大学 藤原 昇
座長 <藤原 昇(宮城大学)>
4.千分の一秒ストップウォッチを利用した計時結果の不確かさ評価
八戸工業大学 川本 清
5.理科部の課題研究及び一般クラス探究活動の指導実践と改善
福島県立安積高等学校 千葉 惇
6.科学と社会を結ぶ教育とは
元福島県立高等学校 八巻 俊憲
17:00 連絡、閉会
【研究発表要旨】
1.速度と距離から加速度を求める自由落下とアトウッドの実験
元宮城県公立校等学校 堀込 智之
ビースピを5 台直列に連結した装置(以後𝑣 − 𝑥連続測定器と呼ぶ)は、 6.00cm 置きに5 点の速度を連続して測ることができる。自由落下するおもりの速度と、アトウッドの実験のおもりの速度を𝑣 − 𝑥連続測定器で測り、𝑣^2 − 𝑥グラフを作成し、直線の傾きから加速度を求めた。その結果、自由落下の重力加速度は誤差−1%以内、アトウッドの実験の加速度は誤差−3%以内で測ることができたので報告する。
2.学生実験「電磁鋼板を用いた磁化特性(B-H 特性)とヒステリシスループの測定」の紹介
一関工業高等専門学校 佐藤 昌也
著者は、一関工業高等専門学校未来創造工学科(電気・電子系)5 年の電気情報工学応用実験Ⅱで「電磁鋼板を用いた磁化特性(B-H 特性)とヒステリシスループの測定」を指導している。実験の目的は、磁束計を用いて電気機器用電磁鋼板の磁化特性(B-H 特性)とヒステリシスループを測定し、変圧器、直流器並びに交流器に使用される電磁鋼板について理解を深めることである。実験は、被測定材料である電磁鋼板を積層させた環状の鉄心に、1次巻線と 2次巻線を巻いた環状試料を用いる。鉄心内の磁束は、1 次巻線に流れる電流を変化させ、その時 2 次巻線に生じる起電力を時間積分することで磁束の値が得られる。磁束計は、その原理を実装した物である。同実験では、環状試料と磁束計を用いて、磁化特性 (B-H 特性)とヒステリシスループを測定させている。本発表では、学生実験の手順に沿って実験内容を紹介する。また、著者が誤った指導をしてしまい、それを訂正するために行った実験についても報告する。
3.アマチュア無線 FT8の世界
宮城大学 藤原 昇
世界中でアマチュア無線局の減少が加速する中、今、アマチュア無線界に「革命」が起きている。2017年に開発された周波数偏移変調デジタル無線通信方式(通称FT8)というデジタルモードでの通信である。この通信モードの特徴は、ノイズに埋もれてしまうような極めて微弱な信号を拾い上げて通信を可能にしてしまうことである。そのため、これまでアマチュア無線家の『夢』であった海外との交信が簡単な設備でできるようになり、その利用者が急増して一大ブームとなっている。
4.千分の一秒ストップウォッチを利用した計時結果の不確かさ評価
八戸工業大学 川本 清
ヒトの反応速度は刺激から十分の一秒程度であることが知られているが、手動式で千分の一秒まで計時するストップウォッチが市販されている。このストップウォッチを用いて単振り子の周期の手動測定をおこなった。このように計測操作に対して十分に精度を持った計測器でおこなったデータについて不確かさの評価をおこない、教育段階での過剰な精度の計測器を利用する効果について考える。
5.理科部の課題研究及び一般クラス探究活動の指導実践と改善
福島県立安積高等学校 千葉 惇
2022年度から学習指導要領に、総合的な学習の時間に代わり総合的な「探究」の時間が明記されて以降、全校的に取り組む必要性が出てきており、各校で試行錯誤をしているところではないだろうか。著者と本校の取り組みを元に、指導の在り方を議論したい。
<1>著者の物理部での取り組み・・・課題研究、物理チャレンジ(物理オリンピック国内予選)のレポートの指導。本校着任以降徐々に結果が出始め、今年度は全国入賞も果たせた。
<2>本校の全員探究の取り組み・・・本校のSSH指定に伴い全校探究を行ってきた。全校探究については社会的な課題が中心で、文系理系全員が取り組み、かつ全教員が当たるため指導に困難があった。AO入試挑戦者の増加という成果はあった。
<3>本校の「坪倉先生の医療ゼミ」の取り組み・・・福島県立医大教授の坪倉医師に、月1回程度で医学部志望者にゼミを開いていただいている。ゼミ受講者の医学部合格率は高い。面接対策になるだけでなく、医学部を目指す意識の高まりや坪倉先生のプレゼン指導・助言によるものだと思われる。
6.科学と社会を結ぶ教育とは
元福島県立高等学校 八巻 俊憲
物理学者ジョン・ザイマンには、標題と同じ書名の著書があります(竹内敬人・中島秀人訳、産業図書1988年。原題は“Teaching and Learning about Science and Society”(1980))。論者はこの書に出会って以来、科学論(科学史、科学哲学、科学社会学)からさまざまなことを学びましたが、これに関連して1990年代に注目されたSTS(科学・技術・社会)教育導入の試みの過程を振り返り、現在の理科教育との関連について考察します。科学や科学の教育において、科学論から得られる有用な知見についても紹介したいと思います。