将来的なビジョン
Oshikane Science Labとしての将来的なビジョン・理想をハッタリかもしれませんが書き綴れればと思っています
Oshikane Science Labとしての将来的なビジョン・理想をハッタリかもしれませんが書き綴れればと思っています
日本が真に科学技術立国を標榜するのであれば、それを支える人材育成への投資は不可欠です。しかし現状、日本における教育投資はOECD諸国でも最下位水準であり、大学の学費値上げや研究費削減が現実味を帯びてきています。このような環境では、「おもしろい」と感じたことに本気で打ち込む若者の頭脳が失われていくのではないかと危機感を覚えています。
私は、教育と研究開発が循環する、新しい仕組みを構築したいと考えています。学生が教員と共に産業界にも貢献しうる研究開発に携わり、その成果によって得られる収益を学校運営に還元する。理想的には学費をゼロに、さらには学生から学費を取るのではなく、むしろ事業による収益に応じた報酬を支払えるシステム。そんな実学と実益が両立する教育機関を目指しています。
この構想の原点には、私自身の「学費」に対する疑問があります。世界最古の大学のひとつ、ボローニャ大学のように、学びたい人が教えを乞いたい人に直接アクセスできる、そんなシンプルな教育の形に立ち戻りたいのです。もちろん、現代社会においては一定の組織化も必要ですが、学生が「自分に合った小さな学びの場」を選べる、そんな学びの選択肢がある未来を実現したいと考えています。
私たちはこの理想を、単なる理念で終わらせず、実際の研究活動・事業活動によって裏打ちされた持続可能な教育モデルとして社会に示していくことを目指します。この構想にご賛同いただける企業様、学術機関の皆様と共に、未来の「学び」のかたちをつくっていきたいと考えています。
私たちの研究開発の出発点は、「おもしろさ」を起点にした知的探求にあります。ここで言う「おもしろさ」とは、「なぜ?」「どうしてこうなるの?」という素朴な疑問や、「こんなことができたら面白いのでは?」 といった知的な驚きや楽しさを意味しており、「おもしろさ」を誰もが分け隔てなく共有できるような形で社会に投げかけていくことを目指しています。「おもしろさ」に裏打ちされた「実学」の追求を通じて、未来の技術や知見を持続的に提供していくことを目標としています。
たとえば、人類共通の財産と云える文化財に対する非破壊的な分析法の開発といった基礎研究から、水に頼らない"濡らさない"洗浄法の社会実装といった産業応用まで、私たちは専門分野を横断した課題解決型の研究を進めています。これらのテーマは一見するとニッチであっても、社会に対して確かな価値を提供できる力を持っていると信じています。
また、私たちは研究と教育を切り離しません。研究所での開発活動は、将来的に設立を目指す「学費タダの学校」の運営資金となり、学生たちは実際の研究開発に従事しながら、社会と密に接続した学びを得ることができる、と期待しています。すなわち、研究成果が教育を支え、教育がまた次の研究を駆動するという循環型の知的エコシステムを構想しています。
研究開発のスタイルも、従来的な専門性やプロジェクト縛りによる縦割り構造から脱却し、小回りの効く柔軟な体制と越境的な発想を重視しています。現場のニーズを即座に反映し、小さな試行錯誤を何度も重ねながら改良を進める、という研究スタイルを大切にしています。この特長により、大きな組織では時間がかかるような実験や実装も、柔軟な体制でスピーディに形にしていきます。
さらに、私たちは企業・行政・他の教育研究機関(産官学)との協業を積極的に行うことで、「共創」の場としての機能も持ち合わせている、という特長を有しています。研究成果を閉じた知にせず、社会全体で共有・発展させていくことで、持続可能で豊かな知的社会の構築に寄与したいと考えています。
このように、私たちは知ること・創ること・学ぶことの「おもしろさ」を誰もが享受できる未来を実現したいと切に熱望しています。