帝京大学 薬学部 薬効解析学研究室
Department of Systems Pharmacology, Faculty of Pharmaceutical Sciences, Teikyo University
Department of Systems Pharmacology, Faculty of Pharmaceutical Sciences, Teikyo University
薬効解析学研究室では、脳に作用する薬が、どのようにして、効果を発揮するのかを明らかにするため、様々な技術を使って、研究しています。特に、痛みに効く薬が、どのようにして、痛みを鎮めるのか、脳の活動をリアルタイムに記録して、解析をすることで明らかにしようとしています。
痛みは、意識がないと感じることができません。これまでの多くの痛み研究は、脳や脊髄をシャーレの中に入れた状態や麻酔をかけて意識を失わせた状態で行われていました。21世紀に入り、意識のある個体の脳の活動を可視化することが可能になり、痛みを感じている状態の脳活動も記録されています。また、慢性的に痛みのある患者さんの脳の活動も観察できます。私たちは、この意識のある個体の脳活動の記録を通じて、痛みを鎮める薬の作用を明らかにしています。
具体的には、自由に行動をしている個体の脳の中の神経細胞の活動の記録や、特定の脳領域の活動の記録、神経伝達物質の記録など、これまでに達成することが難しかった、自由行動をしている個体の脳の活動をリアルタイムに記録しています。この記録を詳細に読み解いていくと、個体の痛みを客観的に評価できるかもしれません。また、読み解いた結果を別の個体にインストールすると、個体同士で辛さや楽しさの共有ができるかもしれません。
不安定な社会情勢である現代、不安なことや強いストレスなど、たくさんの苦痛が存在しています。痛みも苦痛の1つです。その発生メカニズムを明らかにすることは、心の辛さを緩和することにつながるかもしれません。私たちの研究室では、最終的に苦痛が生み出されるメカニズムを明らかにして、楽しく明るい生活が送れるような未来につながる基礎研究の知見を積み重ねていきます。
2025年 12月
帝京大学薬学部臨床薬学講座薬効解析学研究室では、一緒に研究を進めてくれる講師または助教の先生を募集しています。脳の機能解明に興味のある方、薬学部という医療系の学部で若い医療者を育てながら、一緒にサイエンスをしてくれる方を探しています。研究室では、痛み・うつ・不安障害・悪液質・がんなど、中枢神経系が関わる可能性のある疾患を対象としています。詳しくは、次のLINKのURLを御覧ください。LINK
2025年 11月
論文が出ました。LINK(豊橋技術科学大学の博士課程3年の佐々木くんが帝京大学にいらして習得した技術を使った研究です。佐々木くん、3ヶ月間、本当にお疲れ様でした。また、論文出版おめでとうございます!Chinoneさん、Kurashigeさん、実験の指導、ありがとうございました。豊橋技術科学大学の河野先生との共同研究です。)
2025年 10月
論文が出ました。LINK(ヒューストン大学のAkay教授との共同研究で、科学研究費基盤研究(B)および国際共同研究強化(B)(代表者:大澤)の支援を受けて行われました。)
2025年 10月
大澤教授が奈良先端科学技術大学院大学の客員教授に就任しました。奈良先端科学技術大学院大学 研究推進機構 次世代生体医工学研究室(太田淳特任教授)での研究活動を活発化します。
2025年 5月
論文が出ました。LINK(帝京大学薬学部人体機能形態学の道志先生との共同研究)
2025年 5月
研究室に8名の新しいメンバーが加わりました!
過去の情報はこちら。
研究室見学
・研究室見学は随時受け付けています。脳や心の研究に興味のある学生さんをお待ちしております。
・大学院生を募集しています。最先端の神経科学の技術を使って、薬の効き方を一緒に探索しませんか?