Sunlite Suite 3を(プリセットに存在しない)
MIDIコントローラで制御する
MIDIコントローラで制御する
2024年6月26日 ケルベロス
Sunlite Suite 3には、MIDIコントローラでSceneやSwitchを操作する機能があるが、プリセットに存在しないコントローラーの利用方法について述べたドキュメントが見当たらなかった。そこで、備忘録としてここに記す。
なお、Sunlite Suite 3にプリセットされていないMIDIコントローラは、Console Builderにて作成する必要があるが、Console Builderに関するドキュメントはネット上に散見されるため、ここでの説明は割愛する。
・PC Windows
・ソフトウェアバージョン Sunlite Suite 3 Apl 4 2024
・MIDIコントローラ iCON Platform-M
MIDIコントローラにはボタン、フェーダー、ジョグダイヤルの3つが備わっているが、それぞれ設定方法が異なる。
MIDIデバイスをアサインするためには、Console ウィンドウから登録したいデバイスを開く必要がある。
今回は、事前にConsole Builderから自作したコンソールを選択した。
アサインしたいボタン・フェーダー・ダイヤルを右クリックすると、設定ウィンドウが現れる。Console setupタブを選択することで設定を行う事ができる。
ボタンは、押下するとレベル127のNote Onメッセージが送られ、離すとレベル0のNote Onメッセージが送られるものを指す。
Console setupを開くと、初期値は以下のようになっている。
まずは、Auto setup MIDIを押し、紐づけたいコントローラのボタンを押下する。すると、CommandとChannelが変更される。これで、紐づけすることができた。
しかし、この段階では押下している間だけ反応してしまうほか、ボタンが選択されていることを示すLEDが点灯しない。そのため、以下の設定を行う
・Ignore butten velocity 0 をチェック
・Velocity sent when control is on を1に
・Feedback controlをチェック
・Feedback when control data receivedをチェック
・StatusをNote Onに
※Platform-Mでは、ChainおよびBankボタンのLEDはフィードバックしない仕様の模様
本コントローラは、フェーダーに2つのコマンドがアサインされている。
1つはフェーダーに触れたかどうかを判断するコマンド、もう一つはフェーダーのレベルを送るコマンドである。
ボタンと同様の手順でAuto setup MIDIを使用すると、フェーダーのレベルではなく触れたかどうかのコマンドで登録されてしまう。フェーダーに触れたままAuto setup MIDIを実行することで、触れた際に送られるコマンドを送らずに登録することができる。
フェーダーに触れたままConsole setupから、Auto setup MIDIを押し、アサインしたいフェーダーを操作する。
Feedback when control data receivedにチェックを入れる
これで完了である。
フィードバックの設定をしているため、Sunlite Suite 3のConsole Windowからフェーダーを操作すると、MIDIコントローラのフェーダーも動作する。
ジョグダイヤルは、フェーダーとは異なりダイヤルの絶対位置ではなく、単位時間あたりの回転量がメッセージ(レベル)として送られる。また、回転方向によってもレベルの値が異なる。
そのため、回転方向によりMidi data(増加方向)、Midi decrement data(減少方向)の両方を登録する必要がある。
Console setupを開いた状態
まず、増加方向をアサインする。Midi dataのAuto setup MIDIを選択し、時計回りに動かす。
同様に、Midi decrement dataもAuto setup MIDIを使用し、反時計回りに動かす。
また、フィードバックは不要なのでFeedback controlのチェックを外す。
これにより、登録が完了した。
押下もできるジョグダイヤルの場合は、ボタン設定を行うのも良い。
先ほど、MIDIコントローラとSunlite Suite 3を紐づける過程が完了した。
ここからは、Sunlite Suite 3の機能をアサインしていく。
今回は、ボタンを押すとRGBのBlueが押される設定をしてみる。
まず、選択したいSwitchをShift+右クリックする
すると、このようなメニューが現れる。
Link to consoleより、Button activationを選択する。これで、ボタンを押下すると青色のRGBが選択されるようになった。
同様に、フェーダー/ジョグダイヤルを各種パラメータに紐づける。
右クリックからLink to console、Page SPEED function(選択項目により異なる)を選択し登録する。
ただし、先程述べたように、フェーダーには2つのコマンドがあり、Link to consoleでフェーダーに触れると、ボタン動作が登録されてしまう。
そこで、先程と同様にフェーダーに触れたままLink to consoleを実行するか、Click on the console windowを使用することで回避することができる。
モーターフェーダーの場合は、Sunlite Suite 3上でパラメータを変更すると、モーターフェーダーにフィードバックされ同期する。
以上の設定をそれぞれ行うことで設定は完了である。
MIDIコントローラを導入することで、PC卓の最大のデメリットである物理コントローラが無い点を克服できた。もちろん操作性は専用機には叶わないが、専用機は40万~と高価であり、PC卓は価格の点で高いメリットがある(Sunlite-FCとMIDIコントローラの合計金額は10万未満)。特に放送研究部としては照明は本業ではないため、割くことができる予算も多くない。本機能を用いることで低予算でさらなるライブクオリティ向上を目指すことができた。