※この記事は、放送研究部員向けの内容です。
2024年6月20日 執筆:ケルベロス
オープンキャンパスでは、最初にオープニングセレモニーが開催される。
オープニングセレモニーとは全学科向けの説明会であり、入試課や学長による大学の紹介が行われる。
このセレモニーを教室外でも見れるように行っているのが、オープンキャンパス配信である。
オープニングセレモニーは5号館で開催される。
5号館には、教室の設備として別の教室へ映像を送出する装置が備わっているが、これには以下の問題がある
①登壇者の顔を見ることができない
教室の設備は、カメラとHDMI入力映像のどちらかを送ることしかできない。大教室では2系統の受信が可能のため、スクリーン1は資料、スクリーン2はカメラといった受信選択が可能だが、中教室では1系統のみのため必然的に資料のみの選択となり、登壇者の顔が見れないまま視聴することになる。
放送研究部が配信を行うと1つの画面にカメラと資料の両方を組み込むことが可能となり、視聴者の視聴体験が向上する。
②5号館教室以外で視聴することができない。
既設の映像送出設備は5号館の教室間を接続しているため、5号館内であっても教室外(スチューデントプラザ等)では視聴することができない。特に、スチューデントプラザは5号館の玄関口であり、ここへ投影したいという要望があった。また、視聴場所に囚われないという点は遠隔地からセレモニーの進行状況を確認できる等のメリットがある。
一般的なオープニングセレモニーの概要を以下に示す。
・本会場 5-203教室
・ワイヤレスマイク2本 (司会、登壇者)
・開演前に動画再生
・発表資料に音声あり
・視聴場所 5-104、スチューデントプラザ
配信機材構成は毎回更新しており、効率化・映像品質の向上を行っている。
ここでは、初期の構成から現在の構成まで紹介し、それぞれの特徴・欠点などを述べる。
■前提
・本来資料PCのみの予定であり、急遽開演前動画PCが追加された
■特徴
・資料の音声を3.5mmジャックから取り出し、ミニ卓で調整後配信・放送している
・ミニ卓から設備への音声は設備のマイク入力を使用しているため、HPFがかかっている
・動画PCは配信に組み込まず、教室設備で送出
■欠点
・開演前動画を5号館教室外で視聴できない
・資料の音声にHPFがかかる
■特徴
・初期に対し、動画PCの入力を対応させた
■欠点
・資料の音声にHPFがかかる
■特徴
・ミニ卓の音声をHDMI入力に重畳、会場のマイク入力を使用しないため、音声が高品質
■注意点
・OBS Studioの設定で音声モニタリングデバイスをHDMI出力に、ATEM Mini・HDMIキャプチャ・ミニ卓の音声モニタリングをONに
・ATEM Miniの音声ミキサの設定を、動画PCのみONに
■欠点
・システムのほとんどをOBS Studioに依存するため、OBS Studioに対する知識が必要
・ATEM Miniの音声ミキサを使用するため、機材知識が必要
・PAもOBS Studioを介しているため、音声に遅延が発生する
■特徴
・現行に対してミニ卓から設備マイク入力を接続することでマイクの遅延を除去
■注意点
・OBS Studio の音声モニタリングデバイスをHDMI出力に、ATEM Mini、HDMIキャプチャの音声モニタリングをONに、ミニ卓の音声モニタリングをOFFに
・ATEM Miniの音声ミキサの設定を、動画PCのみONに
■欠点
・現行同様、OBS Studio、ATEM Miniの設定が複雑になる
配信する映像の画面配置の例を示す。(資料の画面比率が16:9の場合)
講演資料・カメラ映像は上に寄せることで、プロジェクター投影された場合の視認性が高くなる。