富士山は前回の宝永噴火から300年経ち、いつ噴火してもおかしくない状況です。
前兆が捉えられるのは直前(数時間~数日前)なので今から備えるしかありません。
東京都が2024年12月に公表した「大規模噴火降灰対応指針」には詳しくで分かりやすく情報がまとまっています。更に、国では内閣府が検討会を重ね、2025年 3月21日に「首都圏における広域降灰対策ガイドライン」を公表しました。
1.避難方法は「自宅で籠城」
2.前兆が分かるのは「数時間から数日前」
3.噴火期間は前回は「16日間」だった
4.噴火の規模は大きいかも知れない
5.南海トラフ地震後に連動しての噴火はあり得る
6.首都圏の交通網はマヒする
7.停電する可能性あり
8.木造住宅に「歪み、きしみ」が出たらRC建築物へ徒歩で避難
9.年月日を指定した予想情報は全てウソ
10. まとめ:今すぐ大規模噴火に備えてください
0.マグマ溜まりの動きが噴火に影響するが富士山では捕捉困難
富士山の直下20km付近にマグマ溜まりがあります。マグマの移動を捕捉すると噴火の前兆を捉えられますが、富士山直下のマグマは深くて捕捉できないらしいです。
1.避難方法は「自宅で籠城」
噴火のタイプには爆発的噴火と溢流(いつりゅう。溶岩がどろっと流れる)がありますが、どちらになるかは噴火してみないと分からないとのこと。爆発的噴火の方でないと首都圏には影響しません。爆発的噴火の場合でも首都圏には噴石は飛んでこず、噴火の影響は降灰のみなので避難所は開設されません。首都圏の場合は避難所は開設されず「自宅で籠城する」ことになります。
富士山からの風は東の方向に向かっているので首都圏方面で降灰の影響があります。長池小地区は富士山と首都圏方面を結んだ方向の途中にあり、降灰の影響を受けます。但し、風向きが少し南や北に傾くと降灰の影響が変わるので降灰の影響度は噴火時の気象状況によります。
個人への降灰の影響は、交通、ライフライン、設備(建物、空調、家電)、健康です。
2.前兆がが現れるのは「数時間から数日前」
富士山はいつ噴火してもおかしくない状況ですが、噴火の前兆は数時間前から数日前にしか現れません。
3.噴火期間は前回は「16日間」だった
噴火が続く日数は噴火してみないと分からず、前回300年前の噴火は16日間続きました。降灰中にも復興活動は行われるので、仮に前回と同規模の噴火であっても自宅での籠城が16日間続く訳ではない様です。
4.噴火の規模は大きいかも知れない
富士山は最近5600年で180回噴火しており、30年に1回噴火しています。噴火の規模は小規模噴火が多く、大規模噴火は7回。専門家の間では、300年前の噴火以来、噴火が起きていないのは異常事態と言われています。1707年の宝永噴火では16日間にわたり噴火し、江戸にも降灰しました。
専門家が世界の噴火を調べた結果、前回の噴火から休む期間が長いほど大規模で爆発的な噴火になる傾向がありました。
5.南海トラフ地震後に連動しての噴火はあり得る
南海トラフ地震と富士山の噴火は常に連動している訳ではありませんが、前回は1707年の宝永地震の49日後に富士山が噴火しまし(宝永噴火)。南海トラフ地震が発生するまでに富士山が噴火しなかった場合、南海トラフ地震後に連動しての噴火はあり得ると専門家は指摘しています。
6.首都圏の交通網はマヒする
降灰中は視程が30m以下となり、車は走行不能。鉄道は0.5mm以上の降灰でレールの通電不良が起こり運行停止となります。
2025年3月22日の日経新聞によると、『京王電鉄は沿線で0.3センチ以上の降灰が予想された場合、非常事態を宣言し、復旧を集中的に進める総本部を設置する計画』とのこと。京王電鉄では降灰除去用のカートを3台導入している様です。
7.停電する可能性あり
東京湾を取り囲む様に火力発電所が設置されているが、火山灰により吸気フィルターが目詰まりを起こせば運転停止となります。
8.木造住宅に「歪み、きしみ」が出たらRC建築物へ徒歩で避難
降灰時の自宅待機中、木造住宅で建物の強度に不安があったり歪みやきしみがある場合は近隣のRC造(鉄筋コンクリート造)の建物に徒歩で避難。車での移動は危険。徒歩で避難する場合は必ずゴーグルとマスクを着用してください。
降灰量3~30cmのエリアでは体育館等の大スパンの大型建物は損壊の可能性が指摘されており、戸建てにお住まいの方がRC建築物に避難する場合は長池小学校の体育館への避難はリスクがあるかも知れません。
9.年月日を指定した予想情報は全てウソ
一部の週刊誌で日付を指定した噴火予想が掲載されていましたが、専門家でも予想できないので全くのウソであるとのことです。
10.まとめ:今すぐ大規模噴火に備えてください
噴火の前兆は直前(数時間~数日前)にしか現れないので国も企業も個人も今から備えるしかないと専門家が警鐘を鳴らしています。
・一週間程度の飲料水、食糧を備蓄
・ヘルメット(防災ずきん)、ゴーグル
・マスク
・自宅の換気口にフィルター
西南西風卓越(風向きが首都圏方向)の場合、長池小学校地区の降灰量は16~30cmと想定されています。30~64cmのエリアに近い点にも注意が必要です。
内閣府では、降灰の様相と対策を4つのステージに分けて説明しています。降灰の初期はステージ1で、積もり続けるとステージ2,3と進みます。長池小学校地区では最悪はステージ3が想定されますが、ステージ4(降灰量30cm以上)のエリアに近いことを考えるとステージ4も視野に入れておく必要があるかも知れません。
ステージ4では、降雨時に木造住宅が倒壊し始める目安の30cmを超えるので、倒壊を防ぐために除灰(灰下ろし)が必要になります。また、人工透析患者や通院が必要な人は生命に影響が出るため圏外避難が必要です。ステージ4では「原則避難」と表示されていますが、自宅でしばらく待機(籠城)できる人は自宅で避難し続けても良いです。
内閣府
動画 "富士山の大規模噴火と降灰の影響"
動画の5分0秒付近で相模原市付近での降灰のCG映像が流れ、「直径2mm以下の目の粗い灰が降る。砂浜の砂が降るイメージで、2日後には降灰は20cmの厚さに達する」と説明しています。
東京都
Tokyo 富士山降灰特設サイト
降灰被害、降灰対策を生成AIを使った動画で説明しています。
https://www.fujisan-kouhai.metro.tokyo.lg.jp/
鹿児島県
桜島の噴火にさらされている鹿児島県は、降灰対策の事例を紹介しています。
https://www.pref.kagoshima.jp/kurashi-kankyo/sumai/kankyo/hoshin3/theme9/index.html
国際火山災害健康リスク評価ネットワーク
降灰への備え
https://www.ivhhn.jp/2018/information/preparedness-ashfall.html
360度VR映像で疑似体験(東京都政策企画局 TOKYO強靭化プロジェクト)
YouTubeでVR映像を見る(火山噴火編を参照)
長池小学校地区 防災協議会