いったい、なにが起きているのでしょうか

はじめに

いま現在、ワーカーズコープが指定管理者として運営している「小山市市民活動センター(小山市まちなか交流センター)」は、その指定管理期間の満了に伴い、それに先立つ8月に来期の運営者の公募が行われました。現・指定管理者であるワーカーズコープも2期目への挑戦として手を挙げたものの、地元の大学である白鴎大学の結城教授が設立した団体「ゆめ評定」の申請した事業提案が(一般の市民が想像するよりも遥かに)優遇されて採択されました。

優遇された採択結果を、最初は市議会の常任委員会で議員の与野党のお二人が「これ、ちょっとおかしくないか?」と疑問を呈しました。そして、このことに端を発し、議員でしか知らない情報と、申請当事者しか知らない情報、そして利用者代表としてただ1人、選定委員に入った方しか知らない情報を突き合わせてみたところ、驚くほどの依怙贔屓と、なぜか虚偽を平然と書いた申請書と、また応募者の一存で定休日の設定をしているなどの異常と、しかしそれが選定されてしまっているという、目に余る不自然さが出て来ました。

申請書と事業提案にまつわる具体的事実

設立間もない、いわば実績のない団体が、実績を評価する項目を含めたほぼ全ての項目で現団体よりも優位に立ち、700満点の採点において120点近くの差をつけた結果となり、これが不自然で目に留まり、加えて審査に立つ7人の委員のうち2名が結城教授と同じ白鴎大学の教員で、さらに4名が市の幹部職員であることも、いかにも不自然でした。

また、このような大きな点差をつけた両者の事業提案が書かれた申請書を見ると、「ゆめ評定」の申請書には実績項目に2箇所の虚偽記載が見つかりました。それだけではなく両者の申請書を踏まえて小山市が作成した比較表においても「ゆめ評定」関連の記載では当該虚偽記載が虚偽であることを認知した上で注釈入りで転載され、さらに1点の不実記載があり、対する「ワーカーズコープ」については3点にわたり負の評価を招く形で転載されたり重要な事項での記載漏れがありました。

加えて「ゆめ評定」の事業提案では、口頭説明(プレゼンテーション)の場で配られた追加資料において、本来なら年末年始以外の年中無休での開館と、毎日12時間30分のサービス提供の体制を前提とした計画でなければならないのに、月曜と祝日の休館と、閉館時間に至っては毎日1時間の繰り上げを前提とした運営計画を表明しました。それに加えて、1週間前までに夜間の部屋利用の予約が入っていない時点で「夜間の開館自体を実施しない」運用を行う旨が記載されていました。

ただ、当の常任委員会の時点では、与野党の議員が疑問を呈したものの、それぞれの議員は「おかしくないか?」と感じる以上の情報も証拠もなく、まさか後になって複雑な細工がなされていたと知る事などは、その時点では想像もつかなかった状況でもあり、常任委員会での審査としては可決されてしまいました。(うち1名は棄権)

この常任委員会での討論が行われたすぐ後に、一人の議員の方から議会で起きた一部始終の情報が利用者団体の中にもたらされ、団体間での情報の拡散の中で当事者間のヒアリングの場が設けられ、その結果、上述のような3つの立場の情報を突き合わせるに至りました。

これらを受けた市民(私たち)の行動と反応

当初、登録団体(利用団体)の有志が連絡をとりあって、実態究明を呼びかけることと、それまでは議会の可決(原案通りの選定承認)を撤回や延期することを目指す署名活動を急きょ行いました。

しかし、その動きは市議会本会議での反対討論を通じて、また全議員に書面でも送られたことから、全ての議員が知るところとなったはずなのですが、常任委員会で「待った」をかけられなかったことがあだになり、その場での再考はなく、可決されてしまいました。

そこで再度集まって、選定委員長である副市長に向けて公開質問状を送りました。公開質問状を送るにあたり、有志の活動チームは記者会見を開いたのですが、市のほうも回答を返すにあたり、回答の到着に先んじて記者会見を開き、その内容は市としての選定の正当性をただ述べるに止まっていて、誠実さの見られないものでした。

三たび集まった有志の活動チームは、それならば、と署名活動を行うことでこうした問題を社会大衆に訴えかけ、事実を知ってもらい、誰かを贔屓したり、差別することのない社会の大切さを一緒に考えてもらう道を考えました。そして、先に登録団体(利用団体)の有志として集まった枠組みを基盤に、新しい小山を作るための挑戦として、市内のみならず全国にもこうした状況を訴え賛同を広めようと、小山市内外から20000人からの署名を集める活動を始めました。