片山直樹のウェブページです。農地生態系の生物多様性の保全および生態系サービスに関する研究に取り組んでいます。
共同研究などいつでも歓迎です!農地の鳥、環境保全型農業、空間解析、メタ解析など・・・お手伝いできるかもしれません。学生さんも気軽にご相談してみてください、当センターの技術講習生として、論文執筆や調査解析を指導できる可能性もあります(連絡先はProfileを参照)。
※2025年9月からメールアドレスが変更になりました
katayama.naoki724 [at] naro.go.jp
●近況報告
2025.7.20 東京大学で開催された東アジア生態学連合学会(EAFES)に参加し、シンポジウムを主催しました。台湾や韓国、日本の研究者と素晴らしい交流ができました。
2025.6.15 ブリスベンで開催された国際保全生物学会議(ICCB)に参加し、ポスター発表を行いました。2カ月ぶりのブリスベンですが、色々な人に再開できて嬉しかったです。また会う日までお元気で。
2025.4.15 オーストラリアでの在外研究を追えて、一年振りに日本に帰国しました。素晴らしい経験に本当に感謝しています。
●研究成果
2025.3.21 共著論文:モニタリングサイト1000の里地データを用いて、過去10年間で鳥類の種数が微増していること、水田に囲まれた場所では機能・系統の多様性が高いこと、畑に囲まれた場所では種の多様性が低いこと、などが明らかになりました。
Morelli et al. (accepted) Oikos
2024.7.29 主著論文:水田の水に含まれる鳥類の環境DNAと従来のラインセンサスを比較したところ、従来のセンサスのほうが見つかる種数が多く、特に陸鳥を多く発見できました。ただし一部の水鳥は環境DNAのみで特定され、二つの手法の相補的な役割が示唆されました。同僚の山本哲史さんが共同主著者です。
Katayama, Yamamoto et al. (2024) Ecological Indicators
2024.3.11 共著論文:600人のウェブアンケート調査から、生物多様性に配慮したお米の付加価値を調べました。付加価値は0-30%と個人差が大きいですが、生物多様性保全に関する活動の経験、関心があるほど高くなりました。また、女性のほうが高い傾向になりました。
Tokuoka et al. (2024) Conservation Science and Practice
2023.8.23 主著論文:モニタリングサイト1000の陸生鳥類データを使い、47種の12年間の個体数トレンドを明らかにしました。その結果、(1)森の鳥は増えたが里山と農地の鳥が減ったこと、(2)気温ニッチの幅が狭い種ほど減っていることが明らかになりました。アンダーユースと温暖化が鳥類個体群を左右することを示唆した初めての成果です。
Katayama et al. (2023) Conservation Biology
2023.4.5 主著論文:水田の環境保全型農業(有機栽培・冬期湛水・IPM)が生物多様性(植物・クモ・サギ)に与える影響を明らかにしました。特に環境保全型の面的広がりと継続年数によって、保全効果が変化する可能性を示しました。
Katayama et al. (2023) Journal of Applied Ecology
2022.2.2 主著論文:日本の果樹園における鳥類の生息状況を、システマティックレビューにより明らかにしました。
Katayama et al. (2022) Ornithological Science
2021.9.6 共著論文:日本の農業政策が生物多様性などの環境に与える影響をシミュレーションにより検証しました。
Sasaki et al. (2021) Agricultural and Resource Economics Review
2021.6.6 主著論文:水田と放棄地が混じるモザイク景観では、水田のみ/放棄地のみの景観よりも種数が高いことを明らかにしました。
Katayama et al. (2021) Agriculture, Ecosystems and Environment
2021.4.19 作成に協力した研究開発の俯瞰報告書(環境・エネルギー分野)が出版されました。私は農業におけるEbA(Ecosystem-based Adaptation)を担当しました。
2020.12.24 主著論文:水田の生物多様性に配慮した農法の保全効果を、システマティックレビューにより明らかにしました。
2020.12.7 主著論文:鳥類の生息地としての水田生態系とその保全に関する総説を執筆しました。
2020.5.12 主著論文:童謡に登場する生態系・生物多様性を例に、文化的サービスの新たな評価手法を提示しました。
Katayama & Baba (2020) Ecosystem Services
2020.3.6 主著論文:タマシギ個体数の減少に湛水休耕田の減少が寄与している可能性が高いことを明らかにしました。
Katayama et al. (2020) Agriculture, Ecosystems and Environment
2019.8.2 主著論文:全国各地の野外調査の結果、慣行水田と比較して、有機・特別栽培水田では複数の分類群(植物、虫、カエル、魚、水鳥)の種数・個体数が多いことが明らかになりました。 農林水産省委託プロジェクトの成果です。
Katayama et al. (2019) Journal of Applied Ecology プレスリリースへのリンク