日々の記録。
日々の記録。
皆様、本年も大変お世話になりました。私事ですが、今年は本当に色々なことがありました。第二子が生まれたり、実家の猫が亡くなったり、父の体調が悪化したり、コロナの接触者になったり(陰性)・・・。なんといっても、一番の嬉しいことは家族が増えたことです。ただ、第一子で子育ての大変さを痛感していたので、さらに一人増えることに少しビクビクでしたが、幸いにも夜はよく寝てくれる子で、思ったよりは何とかなっています。とはいっても、赤ちゃんはすぐに生活リズムなど変わってしまうので、色々な事態を覚悟しつつ、健康第一で頑張りたいと思います。
研究に関しては、今年は論文成果もいくつか出すことが出来て、それについてはほっとしています。やはり常勤研究者として成果を出さなくては、という思いが強くあります。そればかり気にしていても面白い研究はできないと思うのですが、自分の性格的なもののようです。自分の頭の悪さにくじけそうになることも多いですが、粘り強さには自信があるので、さらに質の高い研究ができるよう、精進を続けたいと思います。もちろん育児・家事もしっかりやりながら・・・。
それでは新年もどうぞよろしくお願いいたします。
投稿論文がようやくEcosystem Servicesにアクセプトされました。「童謡・唱歌索引」というデータベースを用いて、歌詞に登場する生態系・生物多様性を評価することで、文化的サービスの新しい評価手法を提案したものです。この手法は、様々な文化的作品を扱うデータベースに応用可能であり、人と自然の関わりやその地域差をより深く理解するために役立つと考えています。
私自身のこれまでの研究とはかなり方向性の異なるもので、非常に新鮮な気持ちで取り組みました。共著者の馬場さんのアイディアが研究のきっかけであり、改めて彼の幅広い興味と知識を尊敬しています。
なお査読プロセスとしては、Major revision -> Minor revision -> Accept、とごく普通なのですが、査読者が4人もいた上に途中かなり放置されたため、結果的に丸一年かかってしまいました。ただ、4人の査読を乗り越えたことは自信になりました。改めて大切だと思うのは、study limitationsを正直に認めて、しっかり考察で明記することです(できればそのパートをつくる)。これによって自分の研究でどこまで言えるかがはっきりし、査読者の印象もむしろ良くなる場合が多いように思います。
今後はしばらく子どもと自宅で過ごすため、仕事はなかなか進まないと思いますが、子どもと沢山遊ぶ時間をもらったと考えて、一緒に乗り越えたいと思います。
投稿中の童謡論文は、査読は終わっているのですがなかなか判定が下りません。そもそも投稿から査読に回るまでに1ヶ月以上かかっており、全体的にあんまりすんなりいかない感じです。ちょっとテーマが独特なのもあるのかもしれません。気にせず、ほかの仕事をできるだけ進めておきたいと思います。タマシギ、耕作放棄、モニセン、探鳥会記録・・・色々詰まっていてやばいです。
HPを更新しました。また論文がJournal of Applied Ecologyに受理されました。投稿から受理にいたるまでを記録しておきます。
2018.8.7 Manuscript submitted -> 2018.10.4 Reject with resubmission allowed -> 2019.2.20 Revised manuscript submitted -> 2019.4.19 Minor revision -> 2019.5.2 Revised manuscript submitted -> 2019.5.18 Accept
査読自体は1年はかかっていないのか(ものすごく長かった気がする)。初稿には三人の査読者がついて、膨大なコメントとともにRejectだったので心が折れそうでしたが、三人とも研究の意義自体にはかなり好意的だったので希望が持てました。しかし本当に質・量ともに無料とは思えないコメントをもらいました。ハイインパクトファクターは伊達じゃないということか。
とにかく、なんとか上手くいってよかったです。ここ2年ほどあまり業績がふるわず、パーマネント研究者として業績を出さなければという焦りが大きかったので、正直達成感というよりも安堵感が大きいような気がします。研究は本来もっと純粋に楽しむべきだと思うのですが、最近の若手・中堅研究者の置かれている現状を見ると、なかなか心の持ちようが難しいです。ムーンショット制度といい、日本は一体どこに向かっているのか・・・。あのお金で何人の研究者が雇用できるかと思うと・・・。
それはともかく、今回の研究によって、水田の有機農法や減農薬農法に生物多様性を向上させる一定の効果があることを科学的に示すことができました。この成果は、アジアを中心に世界中に存在する水田の生物多様性保全を議論するうえで、一つの重要な知見になると期待しています。プレスリリースなども計画しているので、各方面に宣伝していきたいと思います。