まず私たちが目指しているのは、
認知症の人だけを支える仕組みではなく、
誰もが安心して暮らせる地域です。
声をかけ合えること、
迷っても帰れること、
居場所や役割が続くこと、
そして専門職・行政・住民が協働すること。
こうした「地域社会の共生力」は、
個人の努力だけでは作れません。
地域全体で育てていくものです。
では、その土台をどう作るか。
そこで重要になるのが学校です。
私たちは、小学校と中学校で段階的に
認知症サポーター養成を行っています。
小学校では、
認知症は脳の変化であり、
人によって違い、
できることも多く残っていること、
そして困っている人に気づく視点を学びます。
「怖い」から「わかる」へ、
理解の芽を育てる段階です。
中学校ではさらに進んで、
行動の背景にある不安や混乱を理解し、
いわゆる問題行動を
「チャレンジング行動」=本人からのメッセージとして
捉える視点を学びます。
つまり、
「迷惑な人」ではなく
「助けが必要な地域の仲間」として見る
社会の見方を育てる段階です。
子どもたちは学んだことを家庭に持ち帰ります。
学校で学び、
家庭で話題になり、
家族の理解が進み、
地域の見方が変わっていきます。
この活動は、
子どもを教育する取り組みであると同時に、
地域全体の理解を育てる取り組みです。
ぜひ、
学校でのこの学びを地域でも支え、
子どもたちの気づきを受け止めていただければと思います。
学校・家庭・地域が一緒になって、
誰もが安心して暮らせるまちを
共に作っていきたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
Q&A
■Q1:子どもに認知症を教えるのは早すぎませんか?
回答: むしろ、先入観のない時期だからこそ大切だと考えています。認知症を「怖い」と思う前に、脳の変化による自然な現象として「正しく知る(わかる)」ことで、困っている人に自然に手を差し伸べられる感性が育ちます。
■Q2:子どもに対応を任せることになるのでは?
回答: いいえ、子どもに介護や直接の対応を任せるのが目的ではありません。大切なのは、「困っている人に気づく視点」を持つことです。子どもが気づき、それを周囲の大人(家庭や地域)に伝えることで、地域全体で見守る体制が作られます。
■Q3:学校でやる必要がありますか?家庭で教えればよいのでは?
回答: 学校という集団で学ぶことで、友達同士で話し合い、多様な考えに触れることができます。また、学校での学びがきっかけとなって「家庭で話す」という循環が生まれ、家族全員の理解が進むという波及効果も期待できます。
■Q4:認知症の人が増えると地域の負担が増えませんか?
回答: 認知症の方を「お世話の対象」と捉えると負担に感じますが、この活動では「地域の仲間」として捉え直すことを目指しています。一人で抱え込まず、専門職・行政・住民が協働し、居場所や役割を分かち合うことで、結果的に誰もが暮らしやすい「共生力」のあるまちになります 。
■Q5:「問題行動」を肯定することになりませんか?
回答: 行動そのものをすべて肯定するのではなく、その「行動の背景」にある本人のメッセージ(不安や混乱)を理解しようという考え方です 。これを「チャレンジング行動」と呼ぶことで、周囲が「迷惑」と排除するのではなく、「助けが必要」なサインとして捉え、適切な関わり方を探るきっかけにします 。
■Q6:地域は具体的に何をすればいいですか?
回答: まずは学校の取り組みを知り、温かく支えていただくことです。子どもたちが学校で学んだ「気づき」を地域で話したときに、それを受け止め、一緒に見守りや声かけを行っていただくことが、安心できる環境づくりに繋がります。
■Q7:事故などが起きた場合、責任はどうなりますか?
回答: この講座は、子どもに危険な対応を強いるものではありません。事故を防ぐためにも、地域全体で「声をかけ合える・迷っても帰れる」仕組み(ネットワーク)を作ることが重要です。専門職や行政とも連携し、個人ではなく地域全体で支え合う仕組み作りを並行して進めていきます。
■Q8:この活動の最終的な目標は何ですか?
回答: 認知症の人だけを支えるのではなく、「誰もが安心して暮らせる地域」を作ることです 。学校・家庭・地域が連携し、世代を超えて理解を深めることで、どんな立場の人も役割を持ち続け、居場所がある「共生社会」の実現を目指しています 。