2025年12月16日更新
2025年12月16日更新
物忘れが始まった時どうする?
「認知症になっても、地域で安心して生きるとは何かを一緒に考える」
「当事者の生の声に耳を傾ける」
「地域支援の現場がどのように応えているかを共有する」
今回のフォーラムでは、
認知症当事者の下坂 厚さん(京都府認知症応援大使)の語りに、
堀田聰子さん(慶応義塾大学) が聞き手として寄り添い、
そこから
中京区がこれからどんな地域をめざすのか
を皆さんと考えていきます。
いま、『認知症予防』という言葉は、これまで以上に強く語られています。けれど、認知症を防ぐ手立ては昔も今もありません。世界の専門家は『予防』というより、“リスクを減らす”――risk reduction という考え方を大切にしています。
私たちはかつて、プリコグ(preventive care for cognitive decline throughout life)という言葉を紹介しました。ここでの preventive は、“防ぐ”ではなく、生涯にわたる認知機能の変化に**“前もって備える、環境を整える”**という意味です。ただそれは、個人の努力では負えないスケールを持っています。ですので、プリコグは、今後、社会が実装すべきスキームです。
リスクを減らすのに大切なのは、
「人の変化を前提にした地域づくり (プリコグ)」と
「関係を通じて人の存在を支える力※1リエゾナ」
「多様な組織が共通の目的で協働する力※2コレクティブリンク」(※脚注参照)
という三つの力が地域の中で働くことです。
今回のフォーラムでは、
“認知症を避ける話”ではなく、
“認知症があっても、あたりまえに生きられる地域をどうつくるか”
を、皆さんといっしょに考えられたらと思います。
自身の生活・変化・支えられた出来事を語っていただきます。
語りから気づきを引き出し、地域の支援の視点にする時間
聞き手が当事者の語りを受けて、「地域としてできていること・
課題・これからの支援」を語る時間です。
【語り手】下坂 厚氏(認知症当事者、京都府認知症応援大使)
【聞き手】堀田聰子氏(慶応義塾大学)
診断前後に感じたこと
自分らしさを取り戻したプロセス
つながりが支えてくれたこと
地域の中で「やりやすかったこと・難しかったこと」
→その人らしさを支える関係づくり ※脚注1
初期集中支援チーム
社会福祉協議会(居場所・参加支援)
地域包括支援センター(高齢サポート)
→ 下坂氏の語りを受けて、地域としてどう応答できるか※脚注2を語る時間
→ 今日の語りと応答をもとに、参加者間で感じた気づきを共有します。
認知症のある人生を“生きる力”の視点でとらえること
当事者の語りが地域に何を問いかけているか
人と人のつながりがもたらす、予想以上の変化
地域のまなざし(環境)と関係のちから(つながり)が
どちらも欠かせないという気づき
Q. 専門的な知識がなくても大丈夫ですか?
→ はい。内容はどなたにもわかるように進行します。
Q. 認知症の家族がいます。参加してもよいですか?
→ もちろん大歓迎です。
Q. 当事者ですが、人前だと緊張します。参加しても良いでしょうか?
→ 大丈夫です。聞くだけの参加でも問題ありません。
Q. 当日、途中参加・途中退出はできますか?
→ できます。ご自身のペースでどうぞ。
Q.初めて参加 でも何を聞けばいいか分からない
→ まずは“感じたこと”をだれかと共有することから始めてください
Q.専門的なことばが理解出るか不安
→ 専門用語はほぼ使わずに進みます
※1 仮にリエゾナ(Lia-zona)とします。人と人の関係が回復をつくる意味の造語です。
人と人の関係性によって、自分らしさを取り戻し、地域で生きる力を育てる“関係の力”のこと。
音楽療法で見える「生のリズムと響き(ソノリティ)」がうみだす「つながり(リエゾン)」をイメージしています。
※2 これはコレクティブリンクと呼ぶことを提案します。行政、企業、NPO、市民など、異なるセクターの組織が**共通のアジェンダ(目的)**のもとに結集し、複雑な社会課題の解決を目指すアプローチで、コレクティブインパクトとも言います。インパクトをうみだす連携のありようという意味でご理解ください。中京区認知症連携の会は、その一つです。