受講生インタビュー
受講生ごとの項目をクリックするとインタビューが確認できます。ぜひ実際のプログラムの様子をのぞいてみてください。
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百代さん:学校でNAIST STELLAのポスターが貼られてるのを見つけたのがきっかけでした。私は文系を選択しているんですけど、将来理系にもふれるようなことをやってみたいなと思っていて、ポスターを見て「文系でも理系の研究ができる!」と思ったことと、それを高校生からやらせてもらえるという点にすごく魅力を感じました。
あと、NAISTが家から近い距離だったのでそれもいいなと(笑)
百代さん:やっぱり文系なので正直「ついていけるのかな?」という心配はありました。応募前に学校の先生やにも相談をすると、「やってみたら?」と応援してくださって。両親も私がそういうことをやりたいというのを知っていたので、「いいやん!NAISTなら近いし(笑)」と応援してくれたので、「まぁなんとかなるでしょ!」と応募にふみきりました。
あと実は、私の高校からの応募は私1人だけだったんです。前年の参加者もいなかったので私が初挑戦者でした。友達にも声かけてみたんですけど断られちゃて(笑)でもまぁ、1年生の時にSSHのプログラムに1人で参加した経験もあったので、「1人でもきっとなんとかなる!やってみよう!」と飛び込んでみました。
百代さん:自分が興味を持っている心理学と科学を絡ませたいという思いがまずありました。私は聴覚過敏を抱えているんですが、そこでの困り事を混ぜ合わせて、自分だからこそできることやってみたいなと思っていたんです。
NAISTのサイバネティクス・リアリティ工学研究室では、人間の知覚・認知・心理・身体機能をテーマに科学技術を取り扱っていると知り、まさに「ここだ!」と思って 指導メンターも清川先生を第一希望にさせていただきました。
百代さん:元々本を読むことが好きだったんですが、中学1年生の時にちょうど自粛期間があって、この機会にたまたま手に取った心理学の本がきっかけなんです。その本には、普段自分がしている行動は実は科学的なものに基づいていると書かれていて、それがすごく面白くってどハマりしました!!そこからは脳の本を読んだり、AIの本とか読んだりするうちに、なんか楽しそうだなって思って。
百代さん:正直大学の研究者の方ってちょっとかたい感じで怖いのかなって思ってたんですが、まず指導メンターの清川先生がすごく優しくて安心しました。「ドリアンの飴食べる?」って差し出してくださったりして(笑)
学生メンターさんも研究のことだけじゃなくって、大学選びの進路相談に乗っていただいたり、互いの推し活の話で盛り上がったりしてみなさんとても接しやすかったです。
百代さん:9月には「音源分離」のテーマで進めたいとほぼほぼ固まったので、月に1回、忙しい時は2,3ヶ月に1回程度NAISTに伺って、メンターと面談しながら細かい方向性を決めていました。それ以外の作業は自宅で、自分のペースで進めていきました。
私が部活に入っていて、夜遅くまでや土日の活動があったりして、なかなか時間の確保ができず、特に大会前などは取り組むことができなかったのですが、臨機応変に先生方も対応してくださったのでうまく両立できました。
百代さん:私の場合は、プログラムを書く作業です。プログラミングはscratchや、学校の授業、AIの本を読んだことがあるレベルだったのですが、わからない部分はメンターさんに助けていただきながら専門的なものに取り組んでいきました。部活の関係でオンラインMTGの開催もなかなか難しかったので、基本はメッセージでやり取りをさせていただきました。その分、月に1回開催されるNAIST STELLA全体での特別講義はできるだけ現地参加する!と決めて取り組んでいました。
百代さん:やっぱり一番最初のスタートアップ合宿です。知らない方達といきなり2泊するということなんてなかったので、結構ドキドキしながら参加したのを覚えています。でも皆んなすぐに打ち解けて、1日目の夜に女子陣で集まってカードゲームしたりしてました(笑)普段の学校とはまた違う空間で在籍校や学年関係なく交流できて本当に楽しかったです!
サイトビジットでも普段なら行けないような工場や研究施設に行けて感動しました。結構盛りだくさんの内容だったのですが、合宿中はずっと楽しくってワクワクしていました!
百代さん:最後のポスター作成です。ポスター発表を行うラップアップ合宿は3月末だったんですが、2月末までは学校のテストがあったので、春休み期間に追い込みをかけていきました。集中のスイッチが入ると抜け出せなくなって合宿2日前ぐらいに寝たのが4時なんてこともありました。(笑)
百代さん:ポスター発表の練習は特にしなかったのですが、自分が絶対にこれだけは伝えたい、ということをメモしておいて、あとはその場で出てきた言葉で伝えていきました。発表後に質疑応答の時間もあったのですが、高校の先生方や教授から質問をいただくことが結構怖くて(笑)というのも、自分の中で、ちょっと不十分だったなという点をまさに質問されて、ドキッとしたのですが、でもなんとかやり遂げられたので、それも含めてすごくいい経験になったなと感じています。
百代さん:まさか選んでいただけるとは思わなくて、かなりびっくりしました!でも自分なりに頑張って本当によかったなって。研究内容もそうですが、特にポスター内の図表の見やすさを意識していました。これは清川先生にもアドバイスをいただいた点だったのですが、美術部の意地もありました(笑)取り組みの中でいただいたアドバイスは全部自分のものにするぞ!というマインドで進めさせていただいたことも良かったのかなと思います。
百代さん:正直なところ2年目も取り組めるとは思ってなかったんです。やっぱり受験のタイミングなので研究が疎かになってしまって難しいのかなと思っていました。でもプログラム主催の松本先生に「受験があってもできる範囲で取り組んでいけば大丈夫だよ」と言っていただいて、「あ、じゃぁ頑張りたいな」と思いました。両親も「やりたいなら頑張ってみたら」と応援してくれて「やります!」と決めました。
百代さん:学会発表に挑戦してみたいと考えています。早速1つ応募を進めているんですが、せっかくの機会なので、やるからには精一杯やっていけるところまでいきたいです。
その結果として、自分の研究や取り組みが誰かの役に立ったり、後輩たちに「自分もやってみよう」と思ってチャレンジしてもらえるとすごく嬉しいなと思っています。
百代さん:もし迷っているならやった方が絶対いいです。迷っているということは、やりたい気持ちがある ということなので。今しかできないことを、やった方がいいかなって思います。自分が、「大丈夫かな?」と思う部分は意外とどうにかなります。実際に私もそうでした。普段の高校生活から外に踏み出してみたり、違う世界を見てみたいと思われているなら、ぜひトライしてみてほしいです!!
— 実は今年度は「探究・研究テーマリスト」があってそこからテーマを希望することもできるんですがその点いかがでしょうか?
百代さん:えぇ!そうなんですね!それはすごくやりやすいと思います。何かしらの研究に興味あるけれど、実際に自分が気になってることが研究になるのかって思われてる方もいらっしゃるんじゃないかな。こういう例があると研究のイメージもわきやすくて取り組みやすいと思います。私も色々やってみたいなと思うテーマがありますね・・・もう1回第3期生として1年目参加したいですね。でもまずは第2段階と受験頑張ります(笑)
百代楓さん:優秀ポスター発表
千秋さん:学校でプログラム紹介がされて、その時にはじめてNAIST STELLAを知りました。元々プログラミングに興味があったので、せっかくだから応募してみようかなと思ったんです。当時は高校1年生でしたが、私の在籍校は中高一貫校なので、学校生活にも既に慣れている状態だったので、そこも大きかったかなと思います。
千秋さん:私は普段からわりと楽観的なので、正直なところ、あまり不安はなかったんですけど、研究活動にちゃんと取り組んだことがなかったので、そこが少し不安ではありましたね。
千秋さん:いや、実は全然なかったんです(笑)元々ゲームが好きで、それに関連してプログラミングなんかは好きではあったんですが、何か特別に研究してみたいこととかは、正直なかったです。でもプログラムに参加することで、何かしらやってみたいことが見つかるかなぁという感覚はありました。NAIST STELLAのテーマ(1年目)が「探る」だったし、この中で色々やって見れたらなぁと。
千秋さん:お会いする前は、大学の教授ってちょっと怖いイメージがあったんですけど、実際にお会いしてミーティングをさせていただいて、、、あの、、言葉選ばずに、そのままお伝えすると、「めっちゃオモシロそうなおっちゃん!!」という感想で、いい意味で裏切られました(笑)
学生メンターの方々も、高校生の私の目線に合わせてお話しくださったりしたので、すごくお話ししやすかったです。
千秋さん:そうですね、やっぱり「研究」っていうと、明確な意義があって、何か小難しいことをしなくてはいけないイメージがあったんですが、私の場合は、自分が好きな分野である【猫】と【ゲーム】を組み合わせた研究ができたので、「あ、案外自分の好きなことを研究に取り込むこともできるんだな」と感じました。
千秋さん:まさに、そうなんです!正直、研究のポスターとかって、「ちょっとよくわからないな‥」と感じるものも多かったんですが、NAIST STELLAの中では、とにかく自分が楽しめる研究をさせていただけたと感じています。それがポスターを見てくださった方にも伝わっているなら、とても嬉しいですね。
とはいえ、実は、私自身も当初、【猫】をテーマにするという考えはなかったんです。一番最初は、Minecraftのような世界観をVRでできると楽しそうだなぁと思っていました。そして、そこに何かしらの意義をつけていかないといけない、と思ってたんです。でも、進めていく中で、なんだかうまくいかなくって。そんな私の状況を見て、毎度毎度メンターの方々が、「もう、好きなことやったらいいんやから、ホンマにどんどん好きなことやりって!」とアドバイスをくださって(笑)とはいえ、すぐに切り替わったわけではなく、少しずつ、少しずつ、「あぁ、自分が好きで、楽しめること、それでいいのか・・・!」と感じながら研究にしていくことができるようになったんです。
千秋さん:私の場合は、メンターさんと1週間に1回程度、30分〜1時間のオンラインMTGをしていただいていました。その中で、やってみたい方向性を伝えた上で、「じゃぁ、こういうのがいいんじゃないかな?」というアドバイスをいただき、次回までにさらに自分でそこを調べてみる、というような繰り返しで進めていっていました。
部活には入っていなかったんですが、学園祭で模擬店部長などさせていただいていたので、結構忙し時期もありました。ただ、テスト期間など含めて、メンターの方々が配慮してくださったので、両立は全く問題なかったです。
研究場所としては、基本的に自宅でプログラムを書いて、猫の本体を作る作業は大学にお邪魔して、その際にプログラムのアドバイスをいただいたりしていました。ポスター発表の直前は追い込みになってくるので、その際は頻繁に大学にお邪魔させていただいていましたね。特に2年目は外部発表もあったので、「間に合わない!」と焦ったこともありました(笑)
千秋さん:あの、あまり研究関係ないかもしれないんですけど(笑)、一番楽しかったことは、一番最後のラップアップ合宿ですね。当時2年目に進んでいた1期生メンバーが12名だったんですが、もう皆んなですごく仲良くなって、お菓子パーティーしたり、解散後に皆んなで一緒に遊びに行ったりしました。
普段、自分が所属している高校だけでは関わることができないメンバーなので、例えば、高専生とか、私の普段の高校生活とは違う視点での話が聞けたりして、本当に面白くって、とても貴重ないい出会いになりました!
千秋さん:正直あんまり大変だったということはないんですが、強いていうなら、1年目の特別講義の中で課題提出があって、苦手な分野に出会うと「 うっ‥ 」ってなってましたね(笑)元々プログラミングに興味を持って参加させていただいたものの、私の好きなゲーム作りに関連するプログラミングとはまた違う言語でのプログラミング講義の際は結構頑張りました(笑)
それ以外は、もちろん大変な部分もあったんですが、楽しみながらできたというのがすごく大きいです。ポスターに関しても、確かに最後は発表用にきちんと整える作業があったものの、今までやってきたことの記録として仕上げることができた感覚があるので、そこまで大変ではなかったですね。
千秋さん:1年目の初めから決めていたわけではないんですが、いざテーマが決まって、1年目の終わりにポスターまで作成していると、「途中までやったなら最後までやり切りたいな」という思いが湧いてきたので2年目も応募させていただきました。2年目に進むからといって、何かこれといった大きな目標などあったわけではなかったんですが、「一旦ちゃんと形として完成させるぞ!」という気持ちで自分のテーマに取り組んでいましたね。
千秋さん:大会については指導メンターの神原先生から教えていただき、エントリーしてみました。会場で、他の方のポスターを拝見すると、すごく真面目でしっかりした内容だったので、「私、こんな研究でよかったのかな?」というのは正直なところずっと思っていましたね(笑)
ただ、いざ発表してみると、皆さん楽しく聞いてくださっているのが伝わってきたので、良かったのかなと。そして、まさか特別賞に選んでいただけるとは思っていなかったので、発表されたときは、「え?ネタ枠で選んでくださったのか?」と思ってしまいました(笑)でも改めて考えると、自分が楽しく取り組むことができた研究内容で、聞き手の皆さんにも楽しんでいただきながら、このような結果に繋がったことはとても嬉しいです。
千秋さん:本当にいろんなことを学ばせていただいたなと感じています。もちろん、普段の学校生活だけでは学ぶことのできなかった、研究の仕方、大学の先生方とのやりとりもそうですし、他校生との出会いや交流、人脈といった意味でも広げられたいい機会だったと思います。
あとは、「純粋に自分が面白いと思ったことを追求していく楽しさ」を、身をもって実感しながら学べる貴重な経験になりました。
私は将来やりたいことのために、今後は海外の大学進学を目指しているんですが、今回、NAIST STELLAに参加させていただいたことで、やっぱり自分が好きなのはこの分野だなという、再確認ができたなとも思っているので、本当に参加させていただいてよかったです。
NAIST STELLA2025の応募を検討している皆さんへのメッセージ
千秋さん:自分が、楽しい!と思ったことや、少しでも興味を持ったことには、ぜひビビらず、貪欲に挑戦していただけたらと思います。
よく言われる言葉ではあるんですが、やって後悔するよりもやらずに後悔する方が嫌だなと個人的に思っていて。特に学生である今のうちは、失敗したって結局なんとかなるし、周りにも助けてくれる人たちがいる状況の方が多いんじゃないかなって思うんです。だったら、今のうちにできるだけ多くの経験を積みたいなと私は思っています。ぜひ皆さんもやってみたいと思ったのなら、やってみてください。
千秋奏美さん
KEDAMA -Kitten Emulated Device by Adaptive Multimodal Actuation-
石谷くん:僕の所属する奈良高専では、独自の教育プログラムがあるんですが、そこに参加する中でのイベント紹介という形で、NAIST STELLAプログラムを知りました。高専では卒業研究があるので、「研究」というものにふれてみたいな、という思いから応募しましたね。プログラムの受講申込期限ギリギリに知ったということもあって、即決しました。他にも高専から参加しているメンバーがいることは知らなくって、スタートアップ合宿ではじめて知りました(笑)
石谷くん:不安だったのは、部活との両立や、ちゃんとテスト勉強できるかな?といった点でしたね。でも担当メンターさん達も、学業優先で柔軟に調整、対応してくださいました。テスト前はミーティング休みとか。なので、受講中の2年間は問題なく進めることができたのでよかったです。
石谷くん:はい。僕の場合はわりと明確というか、ビジョンがあって、ずっと陸上をやっていたので走りに関係することをテーマにしてみたいなと思っていました。実は当時、僕が怪我をしていたということもあって、自分の走りを解析したりできるといいなぁなんて思っていたので、いいタイミングだと思いながら応募しましたね。
石谷くん:指導メンターの神原先生は、思っていたよりもかなり愉快な方(笑)、フレンドリーな方だなっていう印象が強かったですね。やっぱり大学の先生というと、なんだか、かたいというか、専門の先生ってわりと真面目な方が多くてちょっと怖い感じなのかなと思っていたら、めちゃくちゃフレンドリーに接してくださって、とても安心しました。
学生メンターさんにもすごくお世話になりました。特に、1年目に担当してくださった方のお一人が、陸上経験者だったので、僕が取り組みたいテーマに沿って、研究の方針を決めていく際にも有益なアドバイスをいただけたりとありがたかったし、僕自身も非常に楽しく取り組めました。
石谷くん:週に1回Teamsを使ってのミーティングを行うことをベースにしていました。特に1年目はNAISTで研究するというよりは、自宅で作業を行っていたので、何かわからないことがあったりすると、チャットでやり取りさせていただきながら進めていました。
僕の場合は、既にやってみたいテーマが決まっていたので、じゃあそれを実際に解析していく時に、どんな解析の仕方がいいのか?例えば、もっと高度な測定方法があるであったりとか、このやり方で、どういった新規性をみいだすことができるか、といった点を詰めていくことに時間をかけていた記憶があります。1年目から、実験に近い形で活動ができたのもよかったなと思っています。
あとは、研究に使用する目的で、自分の走りの動画や写真を結構たくさん撮っていったんです。今までは自分の走りを動画に撮る、ということ自体あまりしてこなかったのですが、改めて自分のフォームを客観的に見るいい機会になりました。その中で、実際のフォームを改善することも多少はできたし、順当にタイムを伸ばせたことは嬉しかったですね(笑)
石谷くん:そうですね。NAIST STELLAは、ちょうど僕が2年生の時に始まったプログラムで、僕は1期生でした。普通の高校だと、2年目が3年生のタイミングになるので、受験で継続は難しいのかなと思っていたんですけど、僕は高専生で受験がなかったので。そういう点でもどうせなら2年間参加したいな、なんていうふうには思っていましたね。
石谷くん:2年目の電子情報通信学会の総合大会参加は、やっぱりすごく印象深い経験でしたね。学会に参加するということもそうですし、1人で東京に行く経験も初めてだったので、ドキドキした記憶があります(笑)現地では、多くの研究者の方々や、僕より世代が上の大学生の方々と交流を持ってたので、非常に貴重な機会になったなと感じてます。
あと、個人的には1年目の終わりに実施されたラップアップ合宿も印象に残っています。
当時は淡路島に行かせていただいて、大学の先生方をはじめ、色々な方のお話聞くことができたという点と、1年目はプログラミングなどの特別講義の課題があるんですが、その課題やポスター発表の全てで賞をいただけたことがとても嬉しかったですね。
特にプログラミングに関しては、高専の授業で多少C言語はさわるかなというところと、あとは同じく授業でロボットを動かす際に少しプログラミングを使用したかな?というレベルで、実際の研究で使用したPythonや、課題で出たR言語はこのプログラム内ではじめてふれていきました。実際に他の言語にふれてみると、C言語をかじっていたおかげで、意外と言語のハードルが高くなく、スイスイ楽しみながら進められたし、プログラミングはやっぱり1つ知っていると、他の言語とも繋がっていくということを今回身をもって体感できましたね。
石谷くん:そうですね、ポスター作成はやっぱり一番苦労したなと思います。A0サイズのポスターを作るという経験がなかったので、文字サイズをどのくらいにするのか、そもそも伝えたい文章をどう置くか、実際にポスターを貼り出した時にどう見えるか、という点を想像するのが難しかったですね。
僕の場合は、研究内容が自分ごと、というか、完全に自分メインにフォーカスさせていただいていたので、「じゃあ、この研究でどういった利点があるのかというか?」という部分を混ぜ込んでいくことも大切にしていました。例えば、1年目のポスターには、僕自身の靴裏が変な削れ方をしている画像を入れ込んだんですが、今抱えている課題を、見てくださった方にも、いかにわかりやすく伝えていくか、という点は意識していました。
あとは、僕が高専でレポートを書くことが多かったからなのかもしれないんですが、たくさんの文章で説明する癖がついてしまっていて、ポスターも最初は文章盛りだくさんの内容で書いてたんです(笑)でもそんなポスターを見て、神原先生をはじめメンターさんから、「もっと、もっと、もっと、文章減らしていこう!」とアドバイスをいただいて。そこから、できる限り、図や画像だけで表現するっていうところは意識しましたね。研究内容だけでなく、どう伝えていくかの観点もすごく大切なんだと勉強になりました。
石谷くん:実際に、研究というものに取り組んでポスターを作ったという経験は、これから先、大学に行ったり、高専の卒業研究や大学編入の際にも絶対に役立つだろうなと感じています。でも、それと同じくらいに「得られてよかった」と強く思う部分は、NAIST STELLAを通じて1期生のメンバーと出会えたということです。もちろん所属の研究室は違うし、直接交流する機会といえば、半年に1回の合宿など、限られたものにはなりましたが、やっぱり同じくらい、「研究をしてみたい」というモチベーションで参加している方たちなので、合宿で会った際にも波長が合うというか、温度差が少なく、目に見えない団結力のもとに仲良くなれたと感じています。それぞれが、それぞれの目標に向かって、突き進む、テーマは違えど、研究活動を通じてできた大切な仲間です。
また、もともと高専卒業後の大学編入は考えてはいたのですが、今回のプログラム参加によって、それがより明確になりました。今は、大学院まで進んで研究する道に進みたい、と強く感じています。方向性としてはNAIST STELLAで情報系の研究に挑戦することができたので、情報系への編入か、機械系への編入を考えています。
石谷くん:NASIT STEALLAは、自分のやりたいことや興味のある研究にとことん打ち込める、貴重な環境です。また、「研究」という共通点の中で、同じ熱量を持った仲間と出会える貴重な場でもあります。もし迷っているなら、ぜひ思い切って飛び込んでみて、そして、参加したならば、できる限り、大学院の方々や同期の仲間たちと、たくさん交流してほしいです!
石谷仁さん
2023年度 第一段階 優秀ポスター発表賞
陸上競技(中長距離)でのけが防止・パフォーマンス向上のための映像解析によるフォーム改善
2024年度 第二段階 ポスター発表
スマホの定点撮影動画の解析による 中長距離走のフォーム改善・自己評価システム
藤原くん:きっかけとしては、在籍している奈良高専の掲示板で知りました。タイミングとしては入学してすぐでしたね。当時は、いわば中学卒業したてで、何ができるわけでもない状態ではあったんですが、ずっと研究活動や研究者という仕事自体には興味があり高専に入学したという経緯もあったので、とりあえず参加してみようかな、と思い応募した記憶があります。
藤原くん:そうですね、正直あまり不安にはならなかったです。僕はNAIST STELLAの1期生でしたが、結構ウェルカムな雰囲気だったこともあって、どうなるかわからないけど、とにかく知らない世界を覗いて見たいという気持ちが大きかったですね。
あとは、NAISTって他の大学とは違う大学院大学じゃないですか。ちょっと字面からになっちゃうんですけど、「NAIST」、「JAIST」、「OIST」みたいに、「IST」で終わる大学院大学って、歯切れが良くてかっこいいなと思ってたんです(笑)もちろん字面だけじゃなく、大学院大学っていうのは、「すごい研究者集団」という印象があって、そういう点もやっぱりかっこいいなぁっていう憧れの部分も大きかったので、不安になることはなかったですね。
藤原くん:ここ数年、興味を持っている分野は特に変わっていない状態なんですが、具体的な研究テーマとして、当初は自動運転や、ロボットのソフトウェアを作りたいと思っていました。応募書類にもそれを記載したんですけど、実は今やっていることと全然違う内容なんです。今は、人間が絡むロボットや、人間が用いるインタフェースやロボットという、主に人間側の研究をしています。なので、興味としては少し動いていった感じですね。
実は、僕の場合、もともとは希望していた研究室に配属になったんですが、実際に取り組んでみると、アイデアがなかなか思いつかないというか、ロボットのソフトウェアまわりってすごく進展が早い分野で、ちょうどその頃は生成AIが出始めた時期でもあったんですけど、正直なところ、そのスピードに16歳の自分がついていくには、ちょっときつい感覚があったんです。それに加えて、具体的に「これが作りたい」というものもなかなか出てこなくて。そのタイミングで実施担当の先生やコーディネーターの先生に相談させていただいて、研究室自体を変更させていただくことにしたんです。今思い返しても、当時としては無理を言ってしまったかなとは思うんですが、せっかく参加させていただいている中で、ズルズルと進んでしまうのはよくないなと思って、研究以前に自分の素直な気持ちを伝えさせていただくことが大事だと考えて相談させていただきました。
藤原くん:研究室を変更させていただいたタイミングには、自分の中で「これがやりたい!」がはっきりしていたので、あとはどんどん手を動かしていくフェーズでした。その為のノウハウや、コツ、ネット検索では出てこない情報など教えていただくために、最初は週1回のペースでミーティングをさせていただいていましたね。その後は、実際に進めていく中で、自分での作業や調べ物が中心になった際は2週間に1回、学会投稿直前などは週に3回など、希望するタイミングでフレキシブルに対応いただいてました。
僕は部活には入っていなかったので、NAIST STELLAでの研究が部活のような感覚はありました。放課後2、3時間やるとか、もちろん全然やらない日もありますし、逆に土日にやるとか。やりたい時は思いっきりやればいいし、ちょっと気が乗らないなという時は焦らずに、普通に高校生を過ごすことを大切にしていました。
もちろん、研究をやりたいからやっているんですが、そこを変に焦って成果を出そうとか、周りに負けそうとか、そんな焦燥感を抱くよりかは、目の前の研究とは違う、「高校生としての時間」というものを大切にするべきかなって思っています。
藤原くん:研究から少し離れてみると、高校生として過ごしている今だからこそ見える世界があるな、って感じるんです。その日常の一コマに研究としてのタネを見出して、それを研究のステージに昇華できるのって、高校生・高専生である自分たちにしかできない経験だと思っていて。だからこそ、研究だけじゃなくって、純粋に「高校生としての自分の時間」も大切にしたいなと思うようになりました。
実は、そう思えるようになったのも、このプログラムの中で、研究者の方々と、研究以外の部分でも深く関わらせていただいたことが非常に大きいんです。もう本当に、これが一番の学びだと思っているくらいの収穫だったんですけど。
NAIST STELLAでは、指導研究室の先生方や、学生メンターさんはもちろんのこと、他大学の先生ともつながることができて、皆さん本当に親身に相談に乗ってくださったり、機会があれば一緒にご飯に行ったり、とてもカジュアルに接してくださいました。それこそ親戚のような距離感ですね(笑)その関わりの中で、もちろん研究の話もするんですけど、研究以外に私生活の話もたくさんさせていただいて。その結果、“研究者と学生”として研究の世界だけに、どっぷり浸かるというより、一人の人間どうしの関わりの中で、先生方の、日常でのモノの見方や、日々の思考法、その片鱗にふれさせていただく機会もすごく多くて、それが僕自身にとってすごく大きな財産になりました。
そうやって過ごす中で、僕の日常でも「あ、これって研究につながるかもな」というシーンが増えてきて。研究データとしてはまだちょっと昇華できてるものは少ない、というか、ほとんどゼロなんですけど(苦笑)、日常の小さな発見を見逃さずに、それを持ち帰って深く考える、という思考の癖をつけることができたのは、研究者としてだけではなく、人と人として先生方と関わることができたおかげだなと感じています。
藤原くん:はい(笑)実は、2年目の夏休み、国際学会の締め切り直前の10日間ほど、NAISTの中にあるゲストハウスに滞在していたんです。
もう目の前に締め切りが迫っている中、普段は放課後の3時間とかしか研究できないんですけど、朝から晩まで研究室に入り浸って、研究が終わった後は皆さんと一緒にご飯に行かせていただいたり、まるで院生かのような気分で、同じ環境の中で濃い10日間を過ごさせていただきました。
その時期が一番大変でもありましたね。先生に相談させていただく中でも、「ここ直した方がいいよ」と何度もアドバイスをいただきながら、本当に直前までそんなことをしていて。でも、確かに大変ではあったんですが、その時に、自分のタガが外れるというか、「あ、自分はここまでできるんだ」って、自分の限界を突破して1つ上に行けたような感覚を得たんです。すぐに院生や先生方に相談にいける環境で、ひたすら研究に没頭できたっていうのは、やっぱりすごい楽しいというか、大変さを上回って自分の経験値になった部分が大きくて、高校2年生、最高の夏の思い出になりましたね。
藤原くん:正直、「賞を取るぞ」なんていうことは思っていなくて。学会という場所は、大人の方もたくさんいらっしゃって、博士の方、修士の方、いろんな方がいらっしゃる中で、いわば無差別級格闘技のような感覚でした。そこで高校生が発表するって、やっぱりすごくチャレンジングなことだと思っていて。個人の感覚としては、雲の上だったような場所で、どこまで自分自身を試せるのか?という意識が大きかったですね。
その中で、研究って人と違うことをしないといけない、さらには、その違いそのものの価値をきちんと説明しないといけない、ってなったときに、自分の言葉でどう語れるようにするかとか、いかに自分の個性が出せるかとか、そういう、どうやって自分色を研究の中であらわしていくか、という点に注力していた気がします。そう思って取り組んでいると、いつの間にか、今まであった自分の限界を超えていけたような感覚ですね。
藤原くん:高校生・高専生が「研究活動」を体験できるのはもちろんなんですけど、それに付随する人間関係とか、個人の成長というのが、実は本質的な価値かなと思っています。
研究活動自体のクオリティうんぬんではなく、例えば学会発表をゴールにしたら、自分の中で、逆算をしながら、「ここまでに実装して、実験して、論文書いて」という段取りを組んだり、メールを書く際は、こういうフォーマットで書くといいとか、学会に行った際は、懇親会で人と交流するとか、研究者としてのしきたりのようなものを学べることが、まず個人の成長としてあるかなと思います。それらは別に研究者としての特定の能力というわけではなく、社会人として大切なことだと思うので、そこを得られるのがまず一つ大きいかなと。
あとは、やっぱり人とのつながりの価値ですね。繰り返しになりますが、本当に関わってくださった方皆さんにすごく良くしていただいて。お世話になったサイバネティクス・リアリティ工学研究室は、もう第3の居場所のような感覚です。僕はNAIST STELLAとしては修了生ですが、今でもつながりがあって、院生の方の就職の話をうかがったり、カジュアルに人生相談ができることはやっぱりすごくありがたいですね。正直、高専の中だけにいたら、6、7年先の未来のことなんて知る機会が全くなかったと思うんですけど、自分の興味がある分野での就職体験談とか、生の声が聞けることも本当にありがたいです。
改めて考えてみても、僕は、たくさんの恩を受けてばかりいる状態なので、いただいた恩の中で、自分ができることを精一杯やって、将来的には下の年齢層の方々に還元していきたいなと思っています。
藤原くん:そうですね、博士号の取得までは目指したいと思っているんですが、その先、大学の先生になるのか、企業の研究職に進むのか、あるいは一般企業に就職するのかは、正直まだ決めていません。今は、将来の選択肢をあえて狭めずに、そのときの自分が見ている景色や感じていることを大切にして決めていけたらなと思っています。
もちろん、研究に早い段階から取り組むことには、いいことがたくさんあると思っています。ただ、研究って、顕微鏡の倍率をどんどん上げて、ただただ一点を、深く掘り下げていくような作業でもあって。そこから得られる発見や面白さもある一方で、視野が狭くなってしまうこともあると聞いています。だからこそ、今の自分の段階では、できるだけ広い視野を持っていたいと思っていますね。
そして、本当にいい研究をしていくためには、あり得ないような分野どうしを掛け合わせることが大切かなと思っています。たとえば、文系の哲学分野と情報のVRを組み合わせるような、もっともっとあり得ないところでの点と点を繋いでいくためには、まずは自分自身が持っている点、そのもの自体を増やしていく必要があると考えています。なので、今は文系・理系にこだわらず、純粋におもしろいと思ったことには触れていたいし、本を読むことも、技術に触れることも好きなので、この瞬間の学生生活そのものも大切にしながら、自分の心に素直に従って、自分の世界自体も自然と広げていけたらなと思っています。
藤原くん:1期生、2期生がこうだったからこう、という枠におさまるのではなく、僕や先輩たちが作った前例を、どんどん壊して欲しいなと思いますね。
NAIST STELLAは、手を挙げればすごく応援してくださる環境です。それは先生方も、事務職員さんも、受講生の熱量を汲み取って、引っ張り上げてくださるので、その環境を使い倒して、自分が行けるところまで突っ走ってみることが、最高におもしろいんじゃないかなと思います。せっかくなら、「これできますか?あれできますか?」を貪欲に聞きながら、楽しんでください。その中で、僕みたいに迷惑だったかなと反省するタイミングがあるにせよ、応援していただけることに感謝しつつ、自分の熱量や、実績、自分が生み出したもので恩返しできることが一番幸せかなと思っています。
そして、今の16、17、18歳、それぞれの高校生としての自分を大切にしてほしいです。高校生でいる自分とNAIST STELLAで研究してる自分っていうのは表裏一体であるとともに、その互いが影響し合いながら成長していくと思うので。研究の中で得られた知識が、もしかしたら私生活に活かされるかもしれないですし、私生活で経験したことが、研究に昇華される場合もあると思います。これに限らず、高校生としての自分とか、若者としての自分の感受性みたいなものは絶対に失わない方がいいと思います。
NAIST STELLAの受講生は、研究にひたむきに取り組みつつ、ちゃんと高校生をしている人がたくさん集まってくるので、ぜひその関係性も大切にしながら、今だからこそ挑戦できる環境で、全力で突っ走ってみてください!
藤原安路さん
2023年度 第一段階 最優秀ポスター発表賞
拡張現実感を用いた機械工学の視覚的学習のための三次元可視化の検討
2024年度 第二段階 国際学会 SIGGRAPH ASIA 2024東京
Thermiapt: Sensory Perception of Quantitative Thermodynamics Concepts in Education