オンラインジオツアー

室戸の大地の成り立ちや文化的な特徴を、ツアーを通じて考えてみてください。ツアー中はぜひ、みなさんが今住んでいる場所の自然環境や文化と比べながら、「あ、ここは似てる」とか「へぇ、こんな文化もあるのかぁ」とか色々感じとるためのアンテナを立てておいてください。比べて初めて、みなさんの住む場所の特徴もわかってくると思います。

【コース1 室戸の大地と共に暮らす人々・室戸岬】

台風中継で一度は見たことあるかもしれない、室戸岬。吹き荒ぶ風、荒れ狂う波の印象が強いのではないでしょうか。近い将来には地震の発生も予測されています。またその大地の8割以上を山間部が占めているため、人が生活できる平野部はとても少ないというのも特徴的です。それだけ聞くと、「厳しい自然環境の中で生活するのって大変そう…」と思われるかもしれません。なぜ室戸の人々は、こんな厳しい自然環境の中でもこの大地でずっと暮らしているんでしょう。

室戸はすぐそこを流れる黒潮の影響を受け、温暖な気候に恵まれています。台風をもたらす一方で、亜熱帯性植物が自生する美しい生態系が育んでいます。室戸岬ではそうした亜熱帯性植物を多く観察できることがあります。室戸の気候や風土だからこそ見られる植物は、室戸の産業にも影響を与えています。

中岡慎太郎の銅像が目印!

地図上では四国の右下のとんがった場所で、太平洋に突き出たように見えます。

【コース2 人の命と生活を守る町・吉良川】

室戸岬から西に車で20分。「吉良川(きらがわ)」という町があります。この町は室戸の中でも独特な景観と文化を持つ場所です。1997年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されたこの町には、大正〜昭和にかけて建てられた土佐の伝統的な建築技法を施した家屋が残っています。地元では「吉良川のまちなみ」と呼ばれています。特徴的なのは、真っ白く輝く壁とそこに取り付けられている瓦です。でも少し別のエリアに進むと、家の造りがなんだか違ったりもします。雨風の強い室戸、台風の通り道である室戸で家を守る工夫が、この町で見られます。

「いしぐろ」と呼ばれる、砂岩で作られた壁が立ち並ぶエリアがあります。これも家も守る工夫の1つとして、吉良川ではよく見られます。壁の断面を見てみると、とても美しく石が切断されていて、機能性だけではなくデザインも考えながら配置されているようです。吉良川のまちなみをテクテク歩きながら、ゆっくりと家々や町の景観を見ていると、自然と共に生きることの意味がなんとなく感じられるかもしれません。

吉良川のまちなみ

国道55線を室戸岬から西に20分走ると、吉良川の町に到着します。ツアーで歩く場所は、国道から一本山側におりた旧国道です。