活動趣旨と目的
活動趣旨と目的
世界全体で急速に沙漠化が進行し、陸地面積の25%が沙漠化し、全人口の17%がその影響を受けているといわれています。中国の沙漠化は年間約7万haの勢いで急速に進み、すでに国土面積の30%が沙漠化し、約5億人がその影響を受けています。沙漠化の原因には、乱開発、乱伐採、過放牧、地球温暖化、人口増加などがあげられます。
また、モンゴル国でも国土面積の90%近くが沙漠化の脅威にさらされ、さらには温暖化の影響で草原の下の永久凍土が融け、洪水被害や温室効果ガスの大気中への大量放出に拍車をかけています。モンゴル国では、気候変動と沙漠化の対策に最適な方法は植林であると考え、2030年までに「10億本植樹国民計画」を始動させました。しかし、10億本の目標達成には遥か遠く、多くの民間ボランティア等の協力を必要としています。
モンゴル沙漠化防止植林の会では、設立以来、中国内モンゴルおよびモンゴル国において、地域住民・動物・植物の多様性を考慮に入れた共生モデル林づくりを行ってきました。共生モデル林とは、現在荒漠化や沙漠化が進行しつつある土地に、地域住民の利益に資する樹種を選んで植林して植生の回復に努め、さらに植林地周辺に豊かな草場を建設することで、本来の生態環境を回復させるだけでなく、地域住民が過放牧を抑止しながら効率的に伝統的遊牧文化を継続させるだけでなく、果樹園等の経営なども可能な管理体制を築くものです。あわせて、地元住民の環境意識向上も目指し、様々な企画を現地政府、教育機関および住民とともに実行しています。
この共生モデル林造成事業をモンゴル国および中国内モンゴルにおいて広く展開して、多くの人々が豊かな自然環境の回復に喜びを見出し、自然や将来世代と共生できる社会づくりに貢献したいと願っております。