事例集【英語編】

ここでは、NIEアドバイザー部長が実践してきたお手軽な事例を紹介いたします。

すぐできる英字新聞活用法

読ませたい記事を生徒に示し、以下の問の答えとなる語句にマークさせるか下線を引かせるだけです。

・アルファベットの数:「冠詞以外で一番短い単語(一番長い単語)をマークしなさい。」

単語の理解:「△△の反意語同義語)をマークしなさい。」

品詞の理解:「形容詞副詞・助動詞・接続詞・関係代名詞等)をマークしなさい。」

・文構造の理解:「文の動詞をマークしなさい。」

・文の内容理解:「ファクト(事実)とオピニオン(意見)に下線を引きなさい。」

日本語見出しの英訳

英字新聞の記事活用はハードルが高いと思われる場合には、無理して使う必要はありません。日本の新聞を使っても十分に英語のアクティビティは可能です。

ここでは、「見出し」を使った簡単な英作文アクティビティを紹介します。ところで、見出しは本文の要約なので、見出しを英訳する際には、必然的に本文を読むことになります。ここがミソです。生徒は必要に迫られつつも、読んでいるうちに興味・関心がくすぐられて読んでしまいます。そうなれば、この活動は成功です。

1.例えば、新聞の第一面に「詐欺で逮捕の○○容疑者」とあったします。

2.本文を読むように指示しますが、強烈な見出しが気になり、生徒は抵抗なく読んでくれます。

3.次に、「○○は【主語】/詐欺の容疑で【理由】/逮捕された【述語・受動態】」とヒントを出します。

4.生徒は、「詐欺」、「容疑」、「逮捕する」等を調べ、英作文に取り組みます。

5.何人かの生徒を指名して板書されるのもいいでしょう。恐らく、「○○ has been arrested on (the) suspicion of fraud.」程度の英訳を作ると思います。

6.記事の長さにもよりますが、授業の最初に5分程度で終わらせ、通常の授業に入れればと考えています。

天気予報(日本編)

新聞の第一面には「日本の天気」が載っています。これを使って次のような活動ができます。最初は、先生から質問することで「早押しクイズ」的に答えさせるといいでしょう。

その後、それがモデルとなるので、生徒に質問を作らせて、ペアで、グループ内で質問し合うのもいいでしょう。質問することで、尋ねたいことを言語化し、疑問文の作り方を復習できます。また、コミュニケーション活動が苦手な生徒でも、話題が同じということで安心して尋ねることができます。

1.東北(日本)で一番暑い(寒い)はどこですか?

2.東北で(全国で)午前中(午後・夜)晴れる(雨が降る)県名を言いなさい。

3.東北で(全国で)雨が降る確率が一番高い(低い)県名を言いなさい。

4.宮城県の雨が降る確率は何パーセントですか?

5.仙台と福岡の最高(最低)気温の差は何度ですか?

天気予報(世界編)

新聞の中ほどには「世界の天気と気温」が載っています。質問の内容は「日本の天気」と同じですが、次のような、地理に関連するような用語を使いながら(教えながら)「プラスα」の質問もできます。

例えば、「世界で一番暑い(寒い)都市はどこですか?」の生徒の答えに続けて、以下のように質問します。

1.それはどこ(国)の首都ですか?

2.そこはどの大陸にありますか?

3.それは北半球、南半球のどちらにありますか?

4.日本から一番遠い都市はどこですか?

また、「理由」を尋ねられることが、自分の意見を言う絶好のチャンスとなるので、「それはなぜですか?」とオープンエンドな質問を付け足しましょう。

例えば、日本に一番近い(遠い)都市どこですか?」の生徒の答えに続けて、以下のように質問します。

1.あなたはそこに行ってみたいですか? それはなぜですか?

2.(「いいえ」と言われたら)では、行ってみたい都市はどこですか? それはなぜですか?

四コマ漫画

四コマ漫画は、絵が生徒の好奇心を掻き立て、前後関係やパンチライン(落ち)を考えながら読むので、論理的思考力が育つといわれています。いくつか実践した事例をご紹介します。

【並べ替え】

1.グループを作り、机をくっつける。

2.クリップ挟んだ四コマ漫画を一コマずつばらしたものを渡し、筋が通るように並べる(5分程度)。

3.グループの代表が前に出て、マグネットを使い、黒板に順序良く並べる。

4.なぜそのように並べたのかをグループの生徒が説明する。話し合いの結果を説明させることで、グループ内でのコミュニケーション(自己主張、意見の擦り合わ、質疑応答等)が自由にできる環境が育つと考える。

【会話の英作文】

1.【並べ替え】がおわったら、「2コマ目のセリフを英語に訳してみよう!」と問いかける。

2.グループ内で話し合い、できた英文を板書させる。

3.板書された英文を(できれば)ALTが添削する。添削されることで、自分の間違いや誤解が訂正され、正しい文を記憶しやすすくなる。

テレビ欄

生徒が新聞を利用する目的とは何でしょうか? おそらく、その上位に入るのが「テレビ欄」で、帰宅後に見たい番組の確認だと思います。そこで、「過去形」や「未来時制(形)」という時制を使ったアクティビティをさせます。

なお、3番目には「理由」を尋ね、4番目は「その前後で何をするのか」のように、生徒に自由に質問文を作らせるのも楽しい活動になると思います。

【昨日の新聞を渡して「過去形」】

1.昨日見た番組は?

2.それは何時に始まって、何時に終わったの?

3.なぜそれを見たの?

4.そのあと何時に寝たの?/そのあと宿題やった?

【今日の新聞を渡して「未来時制(形)】

1.今夜見る番組は

2.それは何時に始まって、何時に終わるの?

3.なぜそれを見るの?

4.そのあと宿題はやるつもりですか?/そのあと電話してもいいですか?