事例集【特別編】

ここでは、宮城県の初代日本新聞協会NIEアドバイザーで、長年にわたり全国各地でNIEの実践、指導をされている渡辺裕子さん(ことばの貯金箱「夢」プロジェクト代表、NIE教育コンサルタント、白鷗大学・東北福祉大学講師)が提唱している活動をご紹介いたします。

ことばの貯金箱

「ことばの貯金箱」は、新聞から自分の好きな言葉を切り抜いて、貯金箱に入れ、たまったところで台紙に並べて貼っていき、これにコメントを付けたり色を塗ったりして、自分の思いを自由に表現させるアクティビティです。

普段思いつかないような言葉を新聞から見つけたり、自分のことばを付け足して面白い表現になることに驚いたり、ことばの楽しさを味わいながら取り組むことで語彙力を豊かにし、みんなで紹介し合うことでコミュニケーション力が高まります。

・NIE全国大会(静岡):「新聞切り抜き活動を紹介 初心者向けワークショップ開く

・読売新聞:「言葉集めで自分と向き合う

・新潟日報:「ことばの貯金箱

・白鳳大学:「ことばの貯金箱(動画)

つぶやきNEWS

「つぶやきNEWS」は、新聞から気に入った記事などを1点選び、模造紙の真ん中にその記事を貼り、思った事を「つぶやき」として書き添えます。

書かれたつぶやきを読みながら、思ってもみなかった相手の考えを知ることができます。また、自分の考えに加除訂正を加え、リアルに話し合うことでコミュニケーション能力が養われるアクティビティです。

・岐阜新聞:「考え、言葉を引き出して

・白鳳大学:「つぶやきNEWS(動画)

つぶやきNEWSでSDGs

「つぶやきNEWS」と「SDGs」を掛け合わせた活動です。最初に自分の興味・関心がある記事を切り取ります。次に、その記事がSDGsのどのゴールと関連するのかを考えます。

ロゴが入ったシールやロゴを印刷したワークシートを使うことで、SDGsに対する関心を高めます。そして、「他人事」として無関心でいたた出来事を、「自分事」として考え直すきっかけとなり、新聞記事を見る目・探す目が養われます。

以下に、渡辺先生がご提案されている2つの進め方をご紹介いたします。

【二人一組編(ワークシート利用)】

①「ちょきちょき」タイム:気になる記事を切り抜き、ワークシートに貼る。

②「ペタッと」タイム:記事に関係がありそうなアイコン(ゴール)を貼る。

③「つぶやき」タイム:そのまわりに「つぶやき(ひとり言)」を書く。

④「互いに交換」タイム:隣同士でワークシートを交換し、その記事について「つぶやき」を赤ペンで入れてあげる。もし、関係すると思うアイコンがあったら赤字附近に貼ってあげる。

⑤「紹介」タイム:自分が選んだ記事を簡単に紹介し、アイコンやそれぞれのつぶやきをもとに自分の考えを発表する。

⑥「わいわい」タイム:共通のアイコンは何か、追加するアイコンはないかなど、互いに意見交換をする。

⑦「もっと知りたい」タイム:疑問に思ったことや調べたいことを書いて、次時以降の調べ学習につなげる。

四人一組・グループ編(模造紙利用)

①「ちょきちょき」タイム:気になる記事を切り抜く。

②「紹介タイム」:それはどんな記事か、なぜ選んだのか、関連するアイコン(ゴール)は何かを1~2分で紹介し合う。

③「ぺたっと」タイム:模造紙をほぼ四等分にし、それぞれの記事を貼り、下に新聞名と掲載日を書き、記事のまわりにアイコンを貼る。模造紙の真ん中にグループ名と今日の日付を入れる。

④「つぶやき」タイム:自分の色ペン(マジック)でつぶやきを書き込んでいく。つぶやきの最後は、「自分ならこんなことができそう!」と書く。

⑤「お散歩」タイム:他のグループを見て回ってつぶやきを書き込む。このときは、必ず付箋に書いて貼ってくる。

⑥「わいわい」タイム:自分のグループに戻って、模造紙のつぶやきを話題に意見交換をする。

⑦「もっと知りたい」タイム:疑問に思ったことや調べたいことを書いて、次時以降の調べ学習につなげる。

・中日新聞:「つぶやきNEWSでSDGs

・栃木県立大田原高等学校:「つぶやきNEWSでSDGs(1年)

ことばのギフトカード

定形外のはがき(縦12センチ✕横23.5センチ)の裏に、新聞から切り取った「とっておきことば」を貼り、そこにメッセージを添えて相手に送るというものです。

誰かを応援するためのメッセージや励ましのメッセージのほかにも、ご家族や友達、遠くのおじいちゃんやおばあちゃんへ贈るのメッセージとしても最適な活動です。

このアクティビティの魅力は、そこにいない相手との向き合う時間にあります。やっていくうちに新聞から切り取った言葉には、手書きとはまた違う不思議な魅力があることに改めて気付きます。

秋田魁新報心に響いた言葉贈ろう 教員ら、新聞使いカード作り