お散歩に出るワンちゃん、外に出てしまうネコちゃん(※ 当院では飼い猫を屋外に出すことは推奨いたしません)にとって、ノミやダニはとても身近な外部寄生虫です。
近年はダニによって感染する、死亡率の高いSFTS(重症熱性血小板減少症候群)の被害が増大しています。
あらためてノミ・ダニ予防の知識を深めていただけると幸いです
ノミ:
血を吸う昆虫の仲間
暖かく湿った環境を好む
寄生・吸血による弊害
皮膚を動き回ることで痒みやストレスの原因になる
吸血
感染症(2.予防の重要性)の媒介
アレルギー性皮膚炎などの強い痒み
ダニ
血を吸うクモの仲間
暖かく、草むらや土、湿った環境を好む。
寄生・吸血による弊害
赤みや腫れ、かゆみが生じる。
感染症(2.予防の重要性)の媒介
ノミ・ダニいずれも芝生や草むらなど、湿った環境で生活します。
まずは上記の場所に近づかないことが大切です。
ノミやダニの寄生は動物だけでなくヒトにも害を及ぼす可能性があります。
ノミによる感染症
ネコノミ刺症
猫ひっかき病
瓜実条虫症
ダニによる感染症
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
犬猫での症状
食欲不振、発熱、免疫異常、黄疸
人間も感染する(人獣共通感染症)
死亡率が高い
猫 :60%
犬 :40%
ヒト:30%
ライム病
バベシア症
ヘモプラズマ症
上記の病気は苦痛を伴い、病気によっては死亡率も高く、治療費もとてもかかります。
ノミダニによる病気の予防は
①リスクを避けること(草むらを避ける、外猫にしない)
②ノミダニ予防をきちんと行うこと
の2段構えを心がけましょう。
市販品(ホームセンターなどで売られているもの)は効果に乏しいため、かならず動物病院で購入しましょう。
また、ノミダニ予防薬は獣医師の指導のもとで使用するお薬です。
インターネット等で販売されているものは違法転売や偽薬の可能性がありますので、購入しないようにしましょう。
当院で取り扱いのある予防薬は以下の通りです。
スポットオン(滴下薬)
首の後ろに塗布する液状の薬剤。
内服薬(犬のみ)
噛み砕いて食べるチュアブルタイプや錠剤。
そのほかに首輪タイプ、シャンプーがありますが、上記薬剤に比べて効果に乏しく、持続性がないため当院では推奨しておりません。
一般的に1回投薬・塗布で約1ヶ月間予防効果が持続します。
1回の塗布で3ヶ月効果が持続する予防薬もあります。獣医師にご相談ください。
(推奨)1年通して予防
秋から冬にかけて室外が寒くなる季節でも、室内はエアコンや加湿器によりノミが年中繁殖できる環境です。
ノミ・ダニによる被害は一番冷え込む1、2月でも認められます!
(最低限)3〜12月(暖かくなる春先に活動が増えるため)
言わずもがなですが、住空間を清潔に保つことも大切です。
寝具やカーペットの定期的な洗濯・掃除。
殺虫剤・散布剤の使用(ワンちゃんネコちゃんは避難させて実施してくださいね)
動物病院へご連絡ください。
普段いる場所や使っているものを掃除・洗濯をする。