担ぎ手集合→「みこしおろし」の儀式→みこし運行「表みこし」→「黄金剣の儀式」→みこし運行「裏みこし」→あとの祭り
説明
全ての担ぎ手が出発地(通称おろし)に集合したら「みこしおろし」の儀式がはじまります。
それが済むと担ぎ手達は中間地点(通称 返し)を目指し、みこしの運行を行っていきます。(表みこし)
みこしが中間地点(通称 返し)に到着すると「黄金剣の儀式」が行われます。
そして再び担ぎ手はみこし運行をはじめて、終着点(通称 あげ)を目指します。(裏みこし)
みこしが終着点(通称 あげ)に到着すると引き続き「あとの祭り」が行われ祭りはフィナーレを迎えます。
ここでは、小倉みこしの本祭りの流れを舞台のように複数幕に分けて詳しく説明していきます。
祭りは担ぎ手それぞれが自宅からでるところからスタートします。
担ぎ手は小規模な集合場所で他者と合流して小さな部隊となります。そして大きな部隊の集合場所へと向かい、そこでまた集合します。
そのとき彼らは隊列を組み「集合の掛け声」と呼ばれる声をかけあって進みます。
その部隊が「通称 おろし」と呼ばれる全部隊の集合場所に到着すると「誓いの手打ち」が行われます。
この手打ちは「小倉手打ち」と呼ばれていて、祭り中何度も行われます。ちなみに「よーパパン パパン おい!」というリズムです。
「誓いの手打ち」は各部隊順番に行われていきます。それが完了して各部隊が所定の場所に着くと、いよいよ「みこしおろしの儀式」が始まります。
担ぎ手は会話をやめ集中し、会場は静寂に包まれます。
そして総代が担ぎ手の隊列の先頭へ歩みでます。
そしてゆっくりとしゃがみこみます。
それに引き続き担ぎ手も順番にしゃがみこんでいきます。
彼らは静寂の中、集中力と士気を高めていき、天からみこしをおろします。
しばらくすると総代が立ち上がり、空に向かって雄たけびを放ちます。続いて担ぎ手も立ち上がり、腹の底からの声で雄たけびをあげます。
総代の合図で担ぎ手は再び静寂して「みこし運行のかまえ」をとります。
この時、緊張は極限に達しています。
数秒間の静寂のあと、勇ましい掛け声とともにみこしの運行がはじまります。
みこしの運行が始まると、担ぎ手は「表みこしの掛け声」と呼ばれる掛け声をはじめます。
「パンパンみこせ、パンパンみこせ」と掛け合いながらみこしをかつぎ進んで行きます。もちろん(みこしは心の中にあり)見えてはいません。
そして、そのみこしは先頭の部隊がかついでいます。みこしの担ぎ手を交代する為に部隊は運行しながら順番に入れ替わっていきます。
その様子も祭りの見どころの一つです。
みこしは「通称 返し」と呼ばれる「黄金剣の儀式」の場所へと進んでいきます。
ここで豆知識。出発から「黄金の剣の儀式」までを「表祭り」と呼びます。その間、担ぎ手は観客の存在を認識しないものとなっています。彼らは一心不乱に前をむき運行していきます。その勇壮さが表祭りの特徴で、それは日本古来の美を想起させます。
みこしが「通称 返し」と呼ばれる折り返し地点に到着すると「黄金剣(悪鬼退散)の儀式」が始まります。
到着後、担ぎ手達は隊列の真ん中を割り、道をつくります。
静寂の中、総代が黄金剣を手にして、その道をゆっくりと進んでいきます。
総代は隊列の先頭にたつと黄金剣をふりあげ構える。
担ぎ手はそれと同時にみこしを肩にかつぐ。
総代は勇ましく掛け声をはなち黄金剣をふりおろす。
担ぎ手もみこしを勢いよく頭上にかつぐ。
「ヤー!」
これで黄金剣とみこしの力によって悪鬼を退治できました。
総代は振り返り、担ぎ手の方を向きます。
総代が両手を広げると「勝利の手打ち」が行われます。
「よーパパン パパン おい!」
これにて「表みこし」は終了となります。
総代と、周りの担ぎ手達で「みこせっみこせっ」という掛け合いがはじまります。
それはすぐに他の担ぎ手達に広がっていき、担ぎ手全員の掛け声となります。
これは「裏みこしの掛け声」と呼ばれるものです。
表みこしの武骨で勇壮なイメージに対して、裏みこしは風船がパンと弾けたように明るく楽しいイメージに変わります。
そして担ぎ手も見物客を意識し、それを巻き込み運行していきます。
これは(戦に向かい士気を高めていく表みこし)と(それに勝った喜びを表現する裏みこし)という設定の違いがあるからです。
「みこせっみこせっ」と見物客との掛け合いもしながら、みこしは「通称 あげ」と呼ばれる終着点に向かっていきます。
(ここで豆知識)表みこしの際、みこしそのものは「担ぎ手の肩の上にある」とされています。
そして裏みこしの際は、それは担ぎ手から離れ、頭上にぷかぷかと浮かんでいるとされています。
みこしの隊列は次々と通称「あげ」と呼ばれる終着点に到着していきます。
最後尾の総代が到着すると、裏みこしもそろそろ締めの時間です。
総代が両手を広げると「ねぎらいの手打ち」です。
「よーパパン パパン おい!」
それに合わせて担ぎ手は手を大きく上にかざし、みこしを「天」に返します。
みこしが「天」に無事にあがっていき、裏みこしは終了です。
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