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左の写真のゾイドが「レドラー」である。
ゼネバス帝国のゾイドでモチーフはドラゴン型
え゛、翼竜とかじゃないの!?と言いたくなるが違うらしい。
プラモとしてはゼンマイ駆動で平成基準では中型ゾイドに分類される。
(昭和基準でも中型)
最高速度マッハ3
武装(平成基準)
ストライククロー×4
可変レーザーブレード
と初期装備は全ゾイド中最も武装が少ないゾイドの一体だと思う。
ZAC2045年にロールアウト
中央大陸戦争後期のゾイドで初の戦闘機型ゾイドであり、ロールアウト直後のレドラーは空戦最強のゾイドと言われていたほど。
あくまで戦争の勝利に直結するゾイドではないものの、そのコンセプトは画期的で恐れられており、共和国は対レドラー用のゾイドとしてレイノスを開発したりしている。
レイノスの登場で最強の飛行ゾイドの看板はすぐに下ろすことにはなったものの、それだけ戦闘機型のレドラーが恐れられたといえるだろう。
※ここはメチャクチャ主観が入っています!
そもそもモチーフはドラゴンって言っているのに別に戦闘機型って何だよ?と思うかもしれないが、正確には初の対飛行ゾイド特化型のゾイドという意味だと思われる。
今までの飛行ゾイドは全て飛行した上で対地攻撃・爆撃に特化しており、そのための飛行の安定性・ホバリングを重視したものばかりであった。マグネッサーシステムとかはその最たるものである。
しかし、飛行ゾイド同士の戦いになった時には、飛行の安定性や爆撃能力は決め手にはならず、先に見つけてミサイルを打った方が勝ちみたいな戦いを続けていたと思われる。
そこにある意味一石を投じたのがこのレドラーである。レドラーは飛行ゾイドを倒すために設計されており、ホバリング能力よりも最高速度や運動性能を高めてある。
さらに、従来の飛行ゾイドと違って格闘武器を搭載。避けられる可能性のあるミサイルや機銃よりも確実にダメージを与えることができたと思われる。(というより、通常レドラーは本当に格闘武器しかない)
最高速度・運動性能を追い求めた結果、飛行ゾイドには当たり前になっていたマグネッサーシステムもあんまり使っていないと思われる。
この対飛行ゾイド特化の能力を持つレドラーは、おそらくロールアウト時にはいたはずのサラマンダー相手でも互角以上の戦いをしたのではと思われる。もちろん、プテラスは敵ではなかったようだ。
対飛行ゾイド用のゾイドという意味では「シュトルヒ」の方が先に作られているが、シュトルヒは空対空ミサイルで対応という、従来の戦闘体系の仕様になっている。そういう意味でも空で格闘戦という発想は画期的だったのだろう。
マグネッサーシステムはないが、脚部をランディングギアにして垂直離着陸自体はできたらしい…それはそれですごいが。
とはいえ、戦闘機型というのも弱点も存在し、初期装備のままでは対地攻撃ができないという弱点が存在する。飛行ゾイド相手に運動性を上げようとした結果、火器がほとんど装備できないのである。
実際には全くできないというわけではないのだが、ウェポンラックが少ないのは事実な他、つけすぎると運動性が下がる問題もあり相手飛行ゾイドにやられやすくなるという本末転倒な状態になってしまう。
また、地上ゾイドに格闘攻撃もできないことはないと思うが、常識的に考えてマッハ3で地面に急接近して敵にかすめるように攻撃するのは無謀だと思う。(地面に衝突して爆散しそうである)
このことから、他のゾイドに圧倒的に強い飛行ゾイドには強いレドラーだが、だからと言ってレドラーだけ作っても対地攻撃・爆撃ができないので戦争には勝てない、というジレンマがあるのである。
飛行ゾイドはプテラスやレイノスのような翼竜型のゾイドが結構多く、レドラーもそのあたりと形が似ているため翼竜のように思いがちだが、モチーフはドラゴン型である。
ドラゴンには見えないよな…と最初は思いがちだが、翼竜にはないしっかりした4本足や頭部のデザインを見ると、なんだかんだドラゴンとしか言いようがない絶妙なデザインをしていると思う。
ゾイドは恐竜モチーフは多いものの幻獣モチーフはあまりおらず、登場したゾイドでは実は最初の幻獣モチーフだと思われる。モチーフの点でも画期的なゾイドだったのである。
暗黒大陸戦争の頃になるとゾイドのインフレ的に活躍できなさそうだが、飛行ゾイドのライバルだけ上げると、レイノス以降は「オルディオス」と「バトルクーガー」くらいしか共和国にはいないはずなのでそれらのゾイドに気を付けたら十分戦えたと思われる。
惑星Zi大異変後
多くの大型ゾイドが絶滅する中、レドラーは数を残しており、ゼネバス帝国を吸収したガイロス帝国が主力機として再生産を行った。性能面での大きい変更はないがカラーリングが紫になっているのが特徴。
西方大陸戦争初期では空戦ゾイドが共和国がプテラス、ダブルソーダ、帝国がレドラー、サイカーチスしかいなかったので、再び空戦最強のゾイドとして君臨することになった。
だが、無敵だったはずの西方大陸戦争初期は何故か活躍があまり書かれておらず、明確に描かれたのはステルスバイパーに撃ち落されているときくらいだったりする。もっとあるだろ…
そして、西方大陸戦争中期以降では最強のライバル(というか天敵?)である共和国の空戦ゾイド「ストームソーダー」が登場。久々の空戦最強時代はあっけなく閉じることとなった。
一応、ゾイド世界なのでストームソーダー相手でも勝てないわけではないのだが、戦力比なだいたい5対1くらいの戦力比があるらしい、相当絶望的な性能差である。
実はその後の描写では、最新鋭のゾイドである「ハンマーヘッド」を倒しているカットもあったりする。まあ、ハンマーヘッドは空も海も行ける万能型のゾイドなので比較するのもおかしいが、ストームソーダー以外から見たレドラーはどの時代も十分脅威だったといえるだろう。
有名な改造パターンにブースターキャノンを搭載したレドラーBCが存在する。火力と最高速度を上げた改造であるが、運動性能は犠牲になってると思う。※
また、「レドラーインターセプター」という改造ゾイドも存在する。通常レドラーは直進性能が長所だが、インターセプターは旋回能力を高めたタイプで、ドッグファイトを得意としている。その性能で帝国の領空を守っていたらしい。
余談だが通常レドラーには火器がないため、とりあえず火器を追加したバージョンが結構多かったりする。爆撃仕様もあるっぽいなど、ゾイドでは珍しく通常タイプが少なそうなゾイドである。
※明確には記載なし、ただ、運動性能が上がったという記載もないためあくまで推測
西方大陸戦争以降での忘れちゃいけないバリエーションにブラックレドラーというタイプがある。これはエースパイロットが愛機を黒く塗ったレドラーである。
エース用の黒いレドラーというとすごく強そうであり実際強いのだが、このタイプが出たのは天敵であるストームソーダーが暴れまわっていたころであり、レドラーでは正直無謀な戦いであった。
それでもレドラーで戦わなければならなかったのは、この当時のガイロス帝国にはレドラー以外の空戦ゾイドがいなかったため、無謀とわかっていても空戦ゾイド乗りはレドラーを飛ばすしかなかったのである。
ブラックレドラーはパイロットごとに軽量化や重武装などのピーキーなカスタムが施されており、あくまでストームソーダーに勝つために出撃していったらしい。こう思うと無謀というより勇敢なパイロットたちだったのだろう。
後で語るが、ここでのブラックレドラーはアニメ版とは違うので注意。アニメ版のブラックレドラーをバトルストーリーでも大量配備できたら戦いの行方は変わった…かもしれない。
アニメ「ゾイド(初代)」でも登場。
盗賊団「デザルト・アルコバレーノ」の紅一点「ヴィオーラ」の愛機として初登場。帝国所属じゃないことを示すためか、カラーリングが赤基調なのが特徴。※
バトルストーリー設定なら空戦ゾイドは圧倒的に地上ゾイドに強いはずだが、アニメでそういうわけにもいかず、最初はバンのシールドライガーを苦戦させるものの、3~4回戦い結局全敗してしまっている。
余談だが、このヴィオーラ仕様機に関わらず、アニメでのレドラーは標準装備のように機銃が付いていたりする。まあ、格闘だけという仕様だと活躍させづらかったのだろう。
※昭和ゾイド世代だとゼネバスカラーなので逆にややこしくなっている気もするが…
のちに、帝国仕様のレドラーも登場。もちろん色は紫である。が、すぐ「ジェノザウラー」に落とされていたりと扱いは散々である。余談だが、ゾイドが死んだら石化するを最初に見せたのはこのやられたレドラーである。
その後も、帝国に飛行ゾイドがレドラーしかいない都合、皇帝用のプライベートジェットタイプ、リルガ?という対人探査ゾイドの輸送タイプなどいろんなパターンが登場した。
また、ブラックレドラーも登場。というか実はアニメの方が搭乗は早い。アニメのブラックレドラーはバトルストーリーとは違って運動性能、火力、装甲全てが強化されたカスタム機で、目に見える強化としてミサイルポッドを付けていた。
実際、ブラックレドラーは従来のレドラーとは違う!という活躍を見せるものの、初登場だった「ストームソーダー」にサクッと落とされてしまった。ぶっちゃけ、ストームソーダー用のかませ犬扱いである。まあ、しょうがないけどさぁ…
ブラックも含め初代アニメでは、大活躍?のレドラーだが、その後のシリーズではまともに出ていない…と思う、正直うるおぼえなので出てたかどうか教えてほしいです。(モブ的には「スラッシュゼロ」「フューザーズ」に出てたような出てないような…)
アニメではブラックレドラーがブースター全開のブレードライガーに追いつけないこともあった。マッハ3より速いライガーっていったい…。
初代の漫画でもある「機獣新世紀ゾイド」にも登場。
盗賊団が使うゾイド(デザルト・アルコバレーノではない)として登場。アーバインのステルスバイパーと何度も交戦した。あの「スネークツイスター」を最初に食らったゾイドである。(要するにやられているが…)
その後も、バトルストーリーではないはずの機銃を乱射したりと活躍するが、当時無人のシールドライガーのストライククローを食らってフェードアウトしてしまった。何気にまともにシールドライガーの爪でやられたのはこのレドラーだけな気がする。
ゾイドの歴史を仕切りなおした。
コンセプトアートシリーズにも登場。
と言いたいが、厳密にはコンセプトアートの企画の一つである「ゾイドオリジナル」の方に登場している。(そのため、コンセプトアート風のアレンジはしてもらった。)
旧帝国のエース「モット・ハンター」が搭乗し、ストームソーダー最大4機相手(!?)※に互角以上の戦闘を繰り広げた。コンセプトアートの世界観では大きな戦力差がないのだとは思うものの、バトストやアニメを知ってると衝撃の大活躍である。
このムチャクチャ強いレドラーだが、漫画版では最終的にストームソーダー1機が特攻(!?)してようやく撃墜されていた。戦力差どころか、レドラーの方が終始強そうだった。
※4機で小隊を組んだストームソーダーの懐に単騎で殴り込んだため。実際はその後、すぐに隊長機との一騎打ちをしたため、4機同時に戦った時間は少ない。
PSゲームの「ZOIDS メカ生体の遺伝子」でももちろん登場。
飛行ゾイドあるあるの移動力は高いが性能は低いタイプ…ではあるのだが、飛行ゾイド中ではかなり強いほうで終盤まで使える性能だった。
それどころか、共和国側の飛行ゾイドの性能が微妙なので、共和国でもレドラーを捕獲して使うこと推奨と言われているらしい。ある意味一番レドラーが輝いているゲームなのかもしれない。
ちなみに、「ZOIDS メカ生体の遺伝子」の初回購入特典が旧ゼネバスカラー(赤色)のレドラーだったりする。特典的にも強めに設定していたのかもしれない。(私はこのレドラーの思い入れが強いので平成世代ですが赤色レドラーの印象が強いです。)
ちなみに、続編だと、ゲームシステム変更の弊害をもろに食らって弱体化してしまっている…。まあ、素直にアニメで活躍したゾイドを使ったほうがいいかもしれない。
ゲームボーイアドバンスソフト「ゾイドサーガ」でももちろん登場。
割と序盤で使える他、武器の切断翼がエネルギーも使わずにそこそこの威力、2体同時攻撃とかなり便利だった。
私はよくそのまま性能の上がったブラックレドラーを中盤の主力にしてました。
ロールアウトした年を見たらわかるのだが、実はあのデスザウラーの一年後に作られたゾイドだったりする。
対空装備はあれど、流石のデスザウラーも地上から空戦ゾイドを攻撃するのは大変だったため、その露払いのために作られた経緯もあるのだろう。
レドラーは私が2番目(1番目はゴドス)に作ったゾイドなので結構思い入れがあったりします。
バトルストーリーでもアニメでも、やられているイメージが強いゾイドだが、少なくともバトルストーリーでは常に空戦ゾイドトップ5くらいに入る強さを持つゾイドである。
やられているイメージは良くも悪くもストームソーダーに落とされてつけられたイメージだと思われる。まあ、落とされているということは出番はあるということなのだが…。ある意味レドラー最大のライバルはストームソーダーだと思う。
常にストームソーダーに苦汁をなめさせられ続けたレドラーだが、ゾイドオリジナルではそのストームソーダーを圧倒する姿が見れるため、レドラーファンはオススメである。
※参考資料:ゾイド公式ファンブック1~4、コンセプトアート1~4、漫画「機獣新世紀ゾイド」など