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左の写真のゾイドが「ヘルディガンナー」である。
暗黒軍(ガイロス帝国)のゾイドで、モチーフはイグアナ型
背中の大砲を除くと結構モチーフに似ている。
プラモとしてはゼンマイ駆動で平成基準では中型ゾイドに分類される。(昭和基準でも中型)
最高速度130km/h
武装(平成基準)
ストライククロー×4(爪
スマッシュアップテイル(尾
ARZ20mm2連装ビーム砲×2
ロングレンジアサルトビーム砲
銃座式地対空72mmマシンガン
簡単にまとめると、ガイサックは待ち伏せを得意とした「受け身」の奇襲を得意とし、ヘルディガンナーは単身適地に乗り込む「攻め」の奇襲が得意といったところか。
ZAC2051年にロールアウト
暗黒大陸戦争時のゾイドで単独での強行偵察を行うために開発されたゾイドである。
一説によると、暗黒軍が初めて共和国軍の前に姿を現した際に使用されたゾイドともいわれている。ただ、これに関しては、「デッドボーダー」の方が早かったのでは説もあるので、何とも言えないところである。
奇襲を得意としたゾイドだが、ガイサックやステルスバイパーが得意な待ち伏せではなく、単身敵地に乗り込んでの破壊工作が得意なゾイドと言われている。
その戦い方から暗殺ゾイドと言われるほど。
強行偵察・破壊工作・ゲリラ戦の共通事項として、どれも敵地に単身乗り込む必要がある。そのため、敵に見つからないための隠密性能、短期間で目標を破壊できる攻撃力、攻撃する以上その後単身で撤退できる速度が必要と思われる。
そういった能力をヘルディガンナーは目に見えては持っていないのだが、どれもある程度備えているのが特徴。
隠密性能については、光学迷彩みたいなのこそないが、低めの重心ゆえに発見されにくくなっている。
攻撃力については、貫通力の高いロングレンジアサルトビーム砲を装備、これにより奇襲さえうまくいけば、大型ゾイドにもダメージを与えることも可能である。実際は基地攻撃とかに一番使ってそうである。
別に矛盾はしていないが、近距離のイメージがあるアサルトにロングレンジという名前がついたビーム砲って少しモヤっとする。まあ、カッコよさ重視なのかもしれない。
そして、撤退可能な速度についてだが、130km/hはゾイド界隈ではそんなに速くないものの、岩場、水辺、砂漠などに適応があるため、そういった地形から現れ奇襲しその地形を130km/hで帰ることで対応していたのではないか?と思う。
実際には追い付いてくるゾイドもいたとは思うが、ヘルディガンナーに特殊地形で追いつけるゾイドはほとんど小型ゾイドなのでそういった相手には強かったと思われる。特殊地形から撤退し、追いつくゾイドは返り討ち、これがヘルディガンナーの撤退方法だったのではないかと思う。
まとめると、ひとつひとつの性能が際立っているわけではないが、強行偵察・破壊工作・ゲリラ戦をするための能力を絶妙に組み合わせて発揮しているゾイドだと思われる。ある意味、前線のパイロットよりも共和国軍という団体に恐れられたゾイドと言えるだろう。
バトルストーリーでの活躍は特に書かれていないためどう活躍したかは不明である。といっても、ヘルディガンナーに関してはロールアウト時期的に本当に活躍できたのか?という謎がある。
というのも、暗黒大陸戦争時にロールアウトしたということは、戦場はすでにデスザウラーがバッタバッタ倒されるようなインフレの極みのような状況だったはずである。その状況で本当に活躍できたのだろうか…
一応、レッドホーンが強化されたダークホーンがマッドサンダーも倒せる攻撃力を有していたように、当時のヘルディガンナーも大型ゾイドを倒せるくらい強い可能性もある※。ただ、少なくとも私は聞いたことがないのだが…
※昭和のヘルディガンナーは関節とかの色が緑なので、暗黒軍のゾイドにすごいパワーを与える「ディオハルコン」が使われている可能性がある。そしたら、本当にゴジュラスとかに引けを取らない強さがあった…可能性もなくはない。
デスザウラーやマッドサンダーがなぎ倒され、ギルベイダーやオルディオスが激突する…そんな戦場にヘルディガンナーが向かったら、いるだけで蒸発しそうな気がするのだが…
まあ、前線が魔境だっただけで、ヘルディガンナーの主な相手は共和国の後方支援部隊とかそういう相手だったと思うので、マッドサンダーやウルトラザウルスがうようよしているような状況で戦っていたわけではないのかもしれない。
同期でデッドボーダーが、現在進行でギルベイダーとかも開発中のころに、その開発のリソースをわざわざヘルディガンナーに向けて作らせたことを考えると、当時の暗黒軍がギルベイダー並の活躍をヘルディガンナーに期待していたのかもしれない、そう思うとすごい気がする。
惑星Zi大異変後
多くのゾイドが絶滅する中、ヘルディガンナーは数を残しており、暗黒軍改めガイロス帝国が引き続き運用している。
実は、大異変後に運用し続けたガイロス帝国製のゾイドはヘルディガンナーだけだったりする。というのも、ヘルディガンナー以外のガイロス帝国製のゾイドはほとんどが絶滅の憂き目にあってしまったためである。
西方大陸戦争でどう活躍したかも特に書かれていないが、海上輸送の護衛や上陸作戦で活躍したらしい。
当時ほど戦場が魔境ではなかったはずなので、何気にロールアウト当時より前線で活躍できそうでもある。
生々しいことを言うと、ヘルディガンナー以外の暗黒軍ゾイドは強すぎて出せなかったのだろう…
アニメ「ゾイド(初代)」でも登場。
共和国に総攻撃を掛ける直前の帝国の部隊にしれっと初登場している。この時は攻撃しなかったためホントに顔見せだけである。
その後、十数話くらいに「スティンガー」率いる盗賊団の団員が使っていたと思う。砂漠を高速で走る他、尻尾に追加されたブレードで切り裂く攻撃を得意としていた。が、なんかそんなに苦戦させずに倒されていた気がする。(ちょっとこの辺はうろ覚えです…)
この時の使用は、カラーリングが砂漠仕様の明るい黄土色?なのが特徴である。
アニメ「スラッシュゼロ」や「フューザーズ」でも登場しており、とくに、「フューザーズ」ではRDの所属する「チーム・マッハストーム」の整備担当の「ダン」の愛機だった。まあ、ほぼ乗り物扱いだが、主人公チームの一員と思うと出世した気がする。
PSゲームの「ZOIDS メカ生体の遺伝子」には未登場である。
これは人気がないとかではなく、暗黒大陸戦争時のゾイドなので、それ以前の中央大陸戦争を描いたこのゲームには出られなかったといったところだろう。
もちろん、他のゲームにはほどほどに登場している。(ゾイドサーガには出ていた。)
プラモを見ればわかるが、後方のマシンガンには人が乗ることができる。ゾイドお馴染みのむき出し席である。後方のマシンガンは対空装備なので、わざわざ人を乗せるときは、空から襲われているときだと思われる。すごく危ないと思う。
また、ヘルディガンナーは砂漠とか水上などの特殊地形を行き来することが多いはずなので、水や砂にまみれながら、空の敵を狙わなければならなかったはずである。軽く地獄だと思う。
実は名称の区切りは「ヘルディ・ガンナー」ではなく「ヘル・ディガンナー」らしい。そのため、ヘルは地獄のヘルだと思われる。じゃあ、ディガンナーとはどういう意味なのかと言われると困るのだが…
※ここからツキアカリの主観が入ります!
平成ゾイドで知った人は、ただの一帝国のゾイドのイメージが強いゾイドである。共和国でいう奇襲ゾイドポジションがヘルディガンナーなんだろうと思う人も多いと思う。
が、当時唯一のガイロス開発のゾイドと思うと、他の帝国ゾイドよりデザインが異質に見えてくる気がする。本来共和国が使うクリアキャノピーの採用や体を伝うパイプが不気味で味を出している。
また、旧暗黒軍ゾイドでは最弱だったはずが、現在では旧暗黒軍ゾイド最大の知名度を持つゾイドになっているのはすごいと思う。アニメでも活躍するし、一度ヘルディガンナーの魅力を見直してほしいと思う。
アニメの活躍もあり、知名度はギルベイダーも超えていると思う。強さよりも大切なものをヘルディガンナーは持っていた…のかもしれない。
※参考資料:ゾイド公式ファンブック1~4など